夢浮遊のビデオ店~怪しいビデオ店~
※この物語はフィクションです。登場する人物場所など一切関係ありません。
これは私の体験した昔の話なのですが、とても不可不思議な出来事のお話です。たまたま少しの間だけバイトしていたお店のことなのですがとても奇妙な所だったんです。それも原因だったし、期間限定だったのですぐ辞めた話なので、その後のことは詳しく知りませんが、その店は存在しないと聞ききました。とても不思議で、人々の記憶からも消えて居るのです。聞いた時は、こんな奇妙なことがあるのかとも思ったし、何故私の記憶には残っているのかも不思議に思いました。ですが、これは紛れもなく夢ではなく、私が体験した本当のはなしなはずなのです。
それは、昔私が、初めて学生の頃したバイト時のことでした。まず、どこでバイトすとは決めておらず、探すのも兼ねて偶然、寄り道して帰った道の途中にある住宅街の一角にポツンと建っていた、あるビデオ店に目が止まりました。中は結構賑わっていたし、バイトの募集もしていました。なので『ここだ!』と思ってすぐ店に入ってお店の人に相談しました。すると快く受けてくれ、面接してくれることに。今思えばその面接も不思議でならない質問ばかりだったかも知れません。それでも質問にはしっかり答え、バイトをさせて貰えることに。最初は土日の午前中や午後、その後に夕方閉店前までの数時間程度で不思議な体験することは全くなかったのです。
ある日、初めて夜の閉店までの時間入った時のこと。いつものように店は賑わい、教えて貰いながら閉店作業をしている時から帰るまで不思議なことの連発だったのです。ですが、教えてくれる方もあまりにも自然だったので気にとめないことにしたしていたのですが、まず起こった奇妙なことは、閉店と同時に客はスーッと帰っていくことでした。何も奇妙に感じ無いかもしれないですが、それが奇妙なのです。入ってきた客は皆、何事も無かったかのように一気に引くのです。例えば会計せずに。もちろん盗みとかではないようです。閉店作業に、貸し出しているものが合ってるかの確認作業もして確認済みですし。それでも私には不思議でならなかったのです。その他にも不思議になことはありました。でも気にしない先輩に気にしない店長のような住み込みで働いている人らしき従業員。なので気にも止めないようにして仕事をこなしていました。だんだんと慣れて1人で入るようになった頃にはもうさほど気にもしなければなんも問題がないかのように普通だと処理できるようになっていました。
そしてある日の晩、事件は起こったのです。それが1番の不思議なことだったかも知れません。
その晩、私はいつものように店の後じまいしながらその日の閉店作業をしている時でした。在庫確認など済ませ、あとは店防犯のため鍵を閉めている時、2人組の男に声をかけられました。まるでナンパのようだと感じていました。その2人は私に「ここの鍵は、お前持っているのか?」と聞かれました。当然中から鍵をかけ、裏口から出ているので私は持っていませんなので、「私は持っていません。鍵などは預からないことになっていますので。」と答えました。そうすると2人組は少し考えてから、「ふーん...また後で来るわ。」と答え去っていきました。聞き間違え出なきゃ、またくると言った。これは他の人にもつたえないとと思ったが、ほかにはいない。住み込みの姉妹のみ。なんでもここのオーナーのご子息でこうして手伝いで働いている姉妹だ。1番できる真ん中の咲良ちゃんに、さっきの怪しい男達の話をすると納得したのか、お店内の戸締りを最後まで一緒に確認してくれた。その間に不思議なことに店の雰囲気から普通の住宅の雰囲気にガラッと変貌したのだ。そんな不思議なことがあるはずがないと私も思ったんだ。だからきにもとめなかったんだが、最後に裏口を一緒に確認して帰ろうとした所で、家のチャイムが鳴った。なぜが帰ろうとしている私まで連れられて表玄関に行くと近くの部屋の窓から覗いて来た人がさっきの人達だということを確認すると、なんの疑いもなく招き入れた。どうも男2人には店の雰囲気のままのようで、私にだけは住宅の一室のような部屋で私を含めた、住み込みの姉妹の咲良ちゃん、結良ちゃん、星良ちゃんと2人組の男を囲い、話し合いが設けられた。1番上の姉、結良ちゃんが男2人組に「で?この子に鍵の在処を聞いていたらしいけど、聞いてどうする気だったわけ?」と聞いた。男2人組の1人はしゅんとした声を潜めて「ごめんなさい、盗みに入ろうと思いました。」そういったのだ。でも不思議だった。盗みに入ろうとしていた人達ならわざわざ宣言通り堂々とやって来てこんな怪しげな店の人の、質問に答えるだろうか。なにかが怪しげな感じがした。怪しい雰囲気の漂うこの空気感で、男が「盗みに入ろうとしました。この店が怪しい店だと聞いたんで気になって入ろうと。」といった。私は耳にしたその片隅で、部屋の雰囲気の方が気になって仕方がありませんでした。男2人は気になる私に対し、「この店はどこもおかしな所も怪しい所もないですね」と言った。きっと家っぽく見えているのは私だけだと悟った。男2人には普通のビデオ店だと思っているらしい。しばらくして男2人は諦めて帰って行った。
それからというもののその盗みに入ろうとしていたと言う2人はよく借りに来るようになって本当に盗む気なんてなかったのだ。よく来るもんで名前も教えてくれて土田くんと早川くんというらしい。同年代だということもわかり仲良くなってしまったので、色んな話をするようになった。ふとある時、早川くんが借りたビデオの話をしてくれた。「俺なこの前借りたビデオがさ、俺そんなの借りてねぇのにAVになってたんだ。」と不思議だろ?と言っていた。すると土田くんも「俺も!同じようなことある」と言っていた。お店の中ではその話は出来るのに1度店の外に出てしまうと2人も私もこの店の怪しい雰囲気なんて話せないくらいスポンと抜けてなくなってしまう。そんな生活のバイトしてしばらくして私は辞めた。
それからのことは冒頭も話したように分からない。なぜだか辞めたあとの記憶もない。もしかした夢だったのかもとさえ思った。今になって思い出したのは何故か当時からずっと日記を付けていたからだ。たまたま当時の日記をみて不思議な店で働いてるという書き込みがあった。よく見返していると、鉛筆で書いて消された後があることに気がつく。そこに消されて書いてあったのはバイト始まってすぐ眠たくなった。気がついたらもう夜だ。バイトの終わりだ。眠たくなったあとから記憶ない。何が起きたのだろう?そんなように書いてあるが消してあった。そのページからお店の様子をこまめに書いたその日記で私は当時のことを思い出して語った。そんな摩訶不思議なことが本当にあるのだろうか、それは今の私には想像もつかない程の不思議で仕方ない体験だった。今じゃあの時のことはあの当時の侵入しようとしていたあの二人も全く覚えていない。私の日記を見て当時のことを何となくあった気がする程度のものだ。私の場合は、当時初バイトだったはずなので覚えて置いてもいいはずなのに覚えておらずそのあとしたバイトが初バイトだと思っていた、その当時の日記を見るまでは。
これが初バイトをした、摩訶不思議な怪しいビデオ店だった。そして、当時 お店のあった場所の隣に今も変わらず住んでいるおばあちゃんに聞いた話だとそんな店はなかったはずだという。日記に書いてあった働いてた三姉妹も全く知らないという。その当時から隣のおばあさんとは親しく今でも会うぐらいとても仲がいい。おばあさんは嘘をつくような人ではないし、頭もしっかりしていて記憶力はそこらのおばあさんよりも全然いい。嘘を着いているようには思えないので、納得したが、おばあさんから衝撃の事実は聞いた。なんと隣にあった家は私がバイトを辞めた、次の日に更地になっていたのだという。そして数週間後今の家が立ったのだという。さらに言えばその家の子が前世の記憶だとおばあさんに語ってくれるのがその不思議なビデオ店の話だという。私がやめた時のことは全く記憶にないと言うがその子の前世と私の日記は通じ合うものがあると、おばあちゃんは言っていた。そうこれが私の不思議な体験談。それが、私の本当に夢だったのか、それともそれが、本当に隣の家の子の言うように存在し、その子の前世がしていた店だったのかそれは不思議でならない、わたしの体験だった。
そして私はその当時知り合った旦那と仲良く暮らしている。




