猫の学校
猫のタマは毎日学校に行きます。といっても時間は決まってなくて好きな時間に行きます。毎日といっても夜と明け方だったり、1日に二回行く日もあったりします。
でも雨の日は誰も来ないので学校はおやすみになります。ときどき間違って学校に来る猫もいますが、誰もいないので毛づくろいをして、頭をかきかき帰って行きます。
猫の学校では、先生も猫です。といってもいつも先生がいるとは限りません。先生がいたら授業があるし、なければ遊び時間です。先生と生徒は入れ替わるときもあります。
授業といっても猫は鉛筆が持てませんからもっぱらお話を聞いたり話し合ったりします。
もちろん計算はできます。猫だって、食べ物は多いほうがいいに決まっていますし、ケンカのかけひきだって計算ですから。
体育の授業は大変です。みんなボールが好きで集まってくるので身動きがとれなくなります。だからボールを使った体育のときはたくさんのボールを使ってサッカーやバスケットをします。でも、夏は猫たちは日陰に集まるので日陰にやってきたボールだけしか相手にしません。
家庭科の時間はもっと大変です。編み物があると特に授業になりません。毛糸をつい転がしてしまって爪に毛糸がひっかかってしまう猫、その猫のそばでは動く毛糸にみんなが寄ってきます。毛糸がもつれて何匹かの猫がくっついてしまい、もがいています。
理科の授業では昆虫採集はいつも失敗します。生きている昆虫を観察しようとしてもついさわりすぎて動かなくなってしまうのです。
得意なのは音楽です。みんなで楽しく歌を歌います。耳をすませてみてください。ほら、素敵な声が聞こえてきませんか?
猫の学校の場所ですか?それは猫に聞いてみてください。きっと声に出して教えてくれます。でも猫語だし、猫の地図でおしえてくれるのでむつかしいかもしれません。
あ、タマが帰ってきました。今日の学校はどうだったか聞いてみよっと。