〈一七話〉新大陸調査隊二次調査報告
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「―――ドローンを襲ったドラゴンタイプの大きさは推定で翼を広げれば二〇メートルにもなり、飛行速度は三五〇キロ前後。短時間なら四〇〇キロは出せると推測されます」
「なぜドラゴンはドローンに攻撃を?」
「断言はできませんが、地球に存在する鳥類を前提に考えれば、ドローンが縄張りに侵入したため、ドローンに興味が沸きちょっかいをかけた。もしくは獲物と勘違いしたなどですが、これらはあくまで推測です」
壁のスクリーンにはドローンがドラゴンに襲われた映像流れている。分析結果を説明しているのは情報庁の分析官だ。そして説明を受けているのは古賀たち大臣だ。
「それでこのドラゴンは“処理”可能なのかしら」佐紀官房長官のいう処理とは殺せるかどうかだ。その質問に対して分析官は首を振りながら答える。
「情報不足のためお答えしかねます。しかし足による攻撃力は映像の通り、戦闘機や車を大破させる威力を持ってます。もしかしたら戦車なども持ち上げる力もあるかもしれません。確実性をお求めになるならドラゴンに対して様々なテストを実施することでしょう」
「国民の反応は」
「公開した映像や画像の中では一番注目を集めています。同時に解像度の悪さもあいまって事実か嘘かの二つに分かれています。ドラゴンに関しては半信半疑といったところです」
「ご苦労、退席してくれ」
それからしばらく佐紀や他の大臣からの質問に分析官は一つ一つに答えた。一清の言葉に分析官は一礼し会議室から退出する。
「調査はすでに八割がた完了しているのだから予定を繰り上げて調査隊を帰還させてはどうかしら?」
ドアが閉じてからそう提案したのは防衛大臣の矢崎敏江だ。どこにでもいそうな中肉中背の中年女性で、誰に対しても優しく接するので周りからの信用は高い。そして母親のように一清と佐紀が口論になると仲裁に入る役割が定着している苦労人でもある。
「理由は何ですか」
「空からの調査で分かることはもう、殆どないはずでしょう?」
「繰り上げるということは上陸調査もですか」
「上陸調査は予定通りにして、繰り上げは調査隊に参加する(艦船)乗員のストレスを溜めないためです」
ソマリアへ海賊対策として護衛艦を派遣した際も、ストレスのため飛行機で隊員交代をしていた。だが今回はそれが出来ないどころかもう一理由があった。何らかの病気に感染し調査隊全体に広がった場合、新大陸に置き去りにすることが最初から決定しているのだ。
感染しなくとも新大陸に降り立って人体に異変が生じないかも調べる。体のいいモルモット、米国が核実験で兵士たちを使い放射能が人体にどんな影響が出るかを調べたのと同じだ。調査隊本隊はそれと同じで、最低でも半年は日本へ帰れない、最悪二度と。
各船には警備として陸自隊員が常駐するが その部隊は古賀の直接命令で、もしもの際は船を爆破しろと命令を受けている。これらの事実を知らされているのはほんの一部で、調査隊の指揮官さえ知らされていない。
「矢崎防衛大臣の通り帰還を繰り上げるべきだと情報庁も判断します」
「ええ、私も隊員らのストレスを減らすためにも調査の繰り上げを指示します」
珍しく一清長官と佐紀が意見が一致し矢崎防衛大臣の意見を支持する。古賀総理は少し考えたあと繰り上げは妥当と判断したのか頷いた。九月上旬、二次調査隊は日本へ帰還した。
もうちょっと話に厚みを持たせたい。具体的には1万文字くらい?
小修正 12/1 2/20 5/5
中修正 3/14 3/22 6/20
大修整 3/20




