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〈八話〉次の処置への話し合い(三)

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  指令室は十分前までは胃酸の臭いと原型を止めていない食べ物から漂う臭いがしていた。だが清掃された指令室は元通りに綺麗になっている。まあここで数人が吐いたという事実は消せないが。出席者が全員揃ったのを確認して一清長官が話し始める。


「では先程の続きです。まずあの船をどうするかを決めましょう」


「陸地に持っていく、というのは論外だと私は思います。記録を取って研究サンプルとして遺体を数体回収し、海上で沈めるべきだと考えます」


「その案に賛成です」


「私も」


 佐紀の提案に他の大臣も賛成し、特に反対する者がいないため提案は承認された。


「では肝心の死骸に関して、研究すること自体は皆さん賛成ですね?」


 一清長官の問いに出席者全員が頷く、ここまではいい。そして早速佐紀が声を上げる。


「問題はその方法です。先程総理にも提案したのですが、まずは海上で安全か検査してから陸地にある研究機関に運ぶのがいいと私は考えます」


「ふむ。総理はどのようにお考えですか?」

 

「私としては危険性が少ないのは佐紀さんの提案だと思います。ですので提案を採用したいと考えます」


「他に代案がある方は居ますか――――いないようですね。では佐紀官房長官の提案を採用でよろしいですか総理?」


「はい、承認します」


「では詳細は後ほど提出します」


 出席者はあっさりと一清長官が引き下がったことを以外に思った。だが次の言葉に別の意味で驚いた。


「ああ、それと休憩の間に判明したことですが。ネット上で船のことが明るみに出たようです」


「・・・・何ですって」


「こちらがネットにおいて現在進行で拡散されている画像です」


 そう言って映し出された画像には帆船と巡視船が写っている。そして先程まで見ていた画像よりかなり画質が落ちているが、判別するには十分すぎる画質だ。画像だけではなくこの画像を解析するサイトがいくつも作られている。そして判を押したように「新大陸から来た船?」と書かれており、それについて議論がされているようだ。

 

「SSTが突入する前にどうやらいくつの民間衛星が上を通過したようで、その中の一つを運営している会社の人間がどうやら漏らしたようです」


「・・・封じ込めは」

  

「したところでムダでしょう。私の考えでは、三時間もすれば主要マスコミが取り上げるでしょう。すでにネットニュースのいくつかに取り上げられています」 


 古賀は顔をしかめ片手で顔を覆って思わず上を見上げる。


「最善の対処法は?」


「変に隠さずに公表ことでしょう。そして新大陸の状況と船にあった死骸についても、遅くとも今週中には」


 その言葉に佐紀は悟った。自分の提案がどちらに転んだにしろ最終的には実行する前に、総理が国民に発表しなければならない。その瞬間から開国議論はさらに加速する。そしてどちらが勝っても「またやってくるかもしれない」と発言するだろう。


 結果、次に備え海上での調査もそこそこに一清長官の提案通りにことは進む。佐紀は目の前に座っている老人を睨むが、全く意に介した様子はない。徹は火花が散っていそうな二人を見ながら一清長官の提案を採用した。


続き?三日以内には投稿します。なんと!他の作者様から感想と誤字のご指摘を頂きました!

まさか最初のメッセージが暴言でなかったことに驚いています!

感想をお寄せ頂いた先生、この場でもお礼申し上げます。


小修正 9/30 11/28 1/1 1/12 2/17

中修正 5/1 6/29

大修整 2/24

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