豪邸潜入の謎
「日も暮れてきましたし、今日は一時撤退しましょう」
「帰るんですか?」
「ええ、今私たちにできることは有りませんし、今日の目的は達成しました」
「ってことは、調査は続くんですね?」
「勿論です。私たちはお友達さんと連絡を取っただけです。まだ、何も解決してません。明日のご予定は?」
「3限まで授業があります」
「そうですか。私も授業が有りますので終わりましたらまた来ましょう」
「わかりました。今日は帰りましょう」
「乃木さん、明日は着替えなどを持って来てください。長期戦になるかもしれないので」
「とことん付き合います。というより、よろしくお願いします」
「はい。面白くなってきました」
夜になり乃木は悩んでいた。
「長期戦になるってどういうこどたろう?何もなければいいんだけどな…」
明日の支度をし、眠りについた。
次の日、乃木は授業が終わり鏡花に連絡を取ると、鏡花は既に校門で待っていると言う。急いで校門に向かうと、大荷物を持った鏡花の姿があった。
「あ、乃木さん、こんにちわ」
「いや、こんにちわじゃないですよ。なんですか、この大荷物」
「私なりに使えそうなものを持ってきたんです」
「遊びに行くんじゃないんですよ?」
「それくらいわかってます。私も一晩考えてのことなんです」
「そうなんですか…では、早速行きましょうか」
「はい、行きましょう」
「ところで、今日は何をするんですか?長期戦になるって言ってましたけど」
「単刀直入に言うと、忍び込みます」
「えええええ!昨日、不法侵入だって話をしたじゃないですか」
「いえ、不法に侵入する訳ではありませんよ。成功するかはわからないのでまだ言えませんが、私たちは侵入するのではなく招いてもらいます」
「招いてもらうって、朝日にですか?」
「いえ、それではお父さんに気付かれてしまいます」
「では、どうやって?」
「作戦はお友達さんの家についてから説明しましょう。実際の動きはそこでしかできませんからね」
そうこうしてる内に古城駅に到着した。二人は資産家の豪邸を目指し歩き始めた。
「橋爪さん、なんでここまで協力してくれるんですか?」
「非日常に憧れてるからですよ」
「本当にそれだけなんですか?あなたにとっては全く関係ないことですし、こんな面倒ごとに自分から関わりたいなんて人珍しいですよ」
「乃木さん、これ以上の詮索は禁物ですよ。人間誰しも詮索されたくない秘密というものを持ってるものなんです」
「すみません。この話はやめましょう」乃木は鏡花の顔を見ることができなかった。
「そうだ、明るい話をしましょう。乃木さんはバラエティ番組は観ますか?」
「ええ、観ますよ」
「昨日の7時からやっていた、モノマネ番組観ました?」
「あ、観ましたよ。面白かったですね」
話をしていると、近くに豪邸が見えてきた。
「着きましたね、乃木さん。これからが本番ですね」
「足手まといにならないよう頑張ります」
鏡花は豪邸に入るための作戦を説明し始めた。