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日本神話殺人事件13

「藍華さんが殺害されたのは、昨日の十八時過ぎから十八時半までの僅かな時間です。不自然な索条痕、それに抵抗した後も見受けられませんでした」

「確かに変だな。絞殺の場合って、被害者の爪に犯人の皮膚が残ってたりするものなんだろ?」

「そうですね。しかし、今回は前方から紐のようなもので絞められているようでしたから、何か別の方法で抵抗したのかもしれません。そうだとすれば、犯人の体のどこかに痕が残ってるかもしれませんね」

「もしそうだったら、一発だな!」

「そうであって欲しいものです。それに、疑問点は他にもあります」

「なんだ?」

「太田山公園の駐車場から藍華さんの車が見つかっています。にもかかわらず、藍華さんは別の入り口の防犯カメラに映っていたそうです」

「え?駐車場から直接公園の中には入れるだろ?」

「そうなんです。わざわざ別の入り口から中に入る必要は無いはずです」

「うーん…どうしてそんなことを」

「私は朝ごはんを食べたら直ぐに出かけます」

「俺はどうすりゃいい?」

「そうですね…吾妻神社で何か情報を手に入れてもらっていいですか?些細なことでも構いませんから」

「わかった」

その時、後ろから小春が話しかけてきた。

「あれ?お二人とも早いですね…」眠い目を擦っている。

「あ、小春さん、どうされたんですか?」

「トイレ行こうと思ったら鏡花さんの姿がなくて…」

「そうだったんですか。ご心配お掛けしてすみません」

「いえいえ。ところでお二人はなんの話をしていたんですか?」

「事件についてですよ」

「何かわかったんですか!?」小春は目を輝かせている。

「それを今話してたんだよ。小春ちゃんも座りなよ」

「はい」小春も縁側に腰を掛ける。

「そうだ、乃木さん、小春さんとご一緒に行動してください。小春さんには待って頂いてばかりなので」

「わかりました!私、頑張ります!」

事件解決への段取りを決め、『ヘルプ』として本格的な調査が始まる。

朝食を食べ終えると鏡花たちは準備をし、玄関に集まる。

「じゃあ、何かあったら連絡するわ」

「はい。よろしくお願いします」鏡花は一礼する。

「危険なことはするなよ」

「大丈夫です。平島警部にお願いするので」

「警察の手を借りるって、何するつもりだよ?」

「後でご報告します。ご健闘お祈りしていますね」鏡花はそう言うと、木更津駅の方向へ向かって行った。

「俺たちも行こうか」

「そうですね。乃木さんとは積もる話もありますしね」

「な、何のことだよ」乃木と小春も目的の吾妻神社へ歩みだす。


「んんん、直ぐに解決するものと思っていたが、何故だ、決定的な証拠がない。やはり、橋爪くんの言う通り、ただの通り魔ではないのか…」

平島の携帯が鳴る。

ピロリロリン

「ん?誰だ?」平島が携帯の画面を見ると、鏡花からだった。

「タイミングよく橋爪くんから電話が来たな」

ピッ

「んん、平島だ」平島は咳払いをしてから話し始める。

「あ、平島警部、朝からすみません。お願いしたいことがありまして」

「何かね?」

「木更津駅に来て欲しいんです。一般人である私では行動が制限されてしまいますから」

「なるほど。しかし、私も忙しくてなー…」

「そうですか…もしかしたら、何かヒントが得られるかと思っていたのですが」

「ほ、ほぉ、どんな情報かね?」

「いえ、大した情報ではないと思うので、また何かあれば連絡を入れますね。失礼しま」

「ま、待ってくれ」鏡花が電話を切るのを止める。

「何か?」

「わ、わかった。今から行こう」

「え、忙しいのではないのですか?」

「忙しくないと言えば嘘になるが、正直なところ何の手がかりも得られず猫の手も借りたいくらいだ」

「そうなんですね。私も現段階ではまだ何もわかりませんので、来て頂けるととても助かります!」

「少し待っててくれ、直ぐに向かう」

「はい!」

平島は電話を切り、直ぐに木更津駅へと向かう。

「すまん、少し出掛けてくる」平島は近くの警察官に伝える。

「えっ?今からですか?」

「調査だ。何かあったら連絡してくれ」

「了解しました!」


「連絡したの今さっきだし、警部はまだ来てないよね」鏡花は駅の前を見回す。

「…………」

「はっ!」鏡花は鋭い視線を感じ、後ろを振り返る。

木更津駅は駅を利用するサラリーマンや若者の姿しかなく、特に変わった様子はない。

「今、誰かに見られていたような…気のせいかな」

「橋爪くん!」

「は、はい!」鏡花はビックリして咄嗟に声が出る。

「どうしたんだ、そんなに驚いて」

「あ、平島警部!突然だったので、ビックリしました」

「それは悪かった。それで、駅なんかに呼び出してどうしたんだ?」

「はい。実は駅とその周辺の防犯カメラの映像を確認したくて」

「なるほどな。確かに一般人に公開してくれるようなものではないな。それにしても、なんで駅なんだ?」

「藍華さんが殺害された時刻、木更津駅にいた河本さんから電話があったんです。電車の音も聞こえたので間違いないと思いますが、本当にいたのかという確認だけしたくて…」

「そうか……」

「些細なことでしたよね…すみません」鏡花は頭を下げる。

「いや、そんなことはない。些細なことでもそれが解決の糸口になるやもしれんからな。調べてみよう!」

平島は警察手帳を見せ、駅のカメラを確認する。

「昨日の十八時過ぎだよな」

「はい」

鏡花は防犯カメラをじっと見つめている。

「どうだ?何か変わったことはあるか?」

「…………いえ、このカメラには映っていませんね。もしかしたら、電車を利用したわけではないのかもしれません。車で駅前にいたのかもしれませ。駅前の防犯カメラも確認しましょう」

「駅前のカメラは市が管理しているから移動しよう」

「はい」鏡花は平島が乗ってきた車に乗り、移動する。


しかし、鏡花たちが調査をする一方で事件は動き続けていた。

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