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菖蒲の花  作者: naomitiara-tica
9/15

岩井と別れる

この物語は創作です。モデルはありません。

多佳子は岩井と別れた。



でも、いつまでも佳澄を忘れられない貴女にはもう、うんざりなんだと本心を言うのはプライドが許さなかった。



岩井と距離を置き、自分から連絡をせず、自然消滅を狙った。一番ずるい別れ方。



岩井も多佳子のは気持ちが離れたのを感じただろう、深追いもして来なかった。



2人ともちょうど就職活動で忙しくなったので、タイミングとしてはちょうど良かった。



佳澄は関西の方の短大を卒業してから地元に帰っており、英会話教室の受付をやっていると聞いた。



多佳子は父のコネで、父や姉と同じグループの、やはり地元の会社の事務をやる事になり、岩井と学生生活を途中まで過ごした東京を離れ、地元に帰る事になった。



佳澄とも、あの同窓会以来、一度も会ってない。



就職した先で、元々お嬢様風の小柄な多佳子はお嫁さん候補として、テニスにスキーにと、なかなかモテた。



有名大学卒がぞっくり揃っているその中で、同じチームの先輩の1人が多佳子に積極的に近づいて来て何回か食事に行った。



結婚するならこんな感じの人でいいんだろうな。岩井と付き合っていた時みたいに表情の一つ一つにドキドキはしないけど。



しかし、神様はやはり時々意地悪をなさる。



一流企業のOLとして穏やかな日々を3年ほど過ごし、姉が東京で結婚し、子供が生まれ、次は多佳ちゃんねぇ、誰かいないのぉ?なんて姉にせっつかれた時であった。



姉『そー言えば、すっかり忘れてたけど、多佳ちゃんの昔のお友達の佳澄ちゃん?にこの前ばったり会ったわよ?』



多佳子は内心の動揺を悟られないよう気を付け、穏やかに質問する。



タ『あらぁ?どこで?東京で?』



姉『違う違う、ほらこっちの駅前に結婚式場あるでしょ?そこから出て来たみたいで。私その日こっちに帰って来てて、電車で帰ったじゃない?男の人と一緒だったわよ。』



すごいドキドキだ。



タ『彼氏、どんな人だった?』



姉『うん、背が高いイケメンだったわ。ちょっと昔の俳優みたいな』



タ『まさかなんだけど、岩井君じゃないよね?』



姉『え?あの岩井君?多佳ちゃんの昔の彼氏?違うでしょ?』




多佳子は佳澄の彼氏が岩井じゃ無いと分かって、内心ホッとしたが、同時に佳澄がどんな男と結婚するのか猛烈に興味が湧いて来た。



それに、やはり未練なのだろう。多佳子と別れた後、岩井とどうなったかも知りたかった。



多佳子は佳澄に勇気を出して連絡する事にした。佳澄がアシスタントしていると言う英会話教室は地元では有名なので、調べればすぐわかるはずだ。



一度切れた筈の多佳子と佳澄の縁は、再びこうして復活した。


岩井と別れて、穏やかに暮らしている多佳子。でもまた佳澄と付き合うのね?

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