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菖蒲の花  作者: naomitiara-tica
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負の妄想

この物語は創作です。モデルはありません。

佳澄が妊娠してから、多佳子は不妊治療として名高い、専門の病院に通う事にした。



夫である岩井は最初、反対した。子供が出来ないと言ってもまだ一年だ。自然に任せようと。



しかし、多佳子のあまりの必死さに、昔から少し気の優しい岩井は、多佳子に従わざるを得なかった。



この多佳子のある種の異常とも言える思い込みの激しさに岩井は結局、情がほだされて高校時代も、別れてから再会した時も、結局付き合って、そして結婚した訳だから。



多佳子は、負のスイッチが入ると必ず、佳澄と岩井の関係を妄想し、勝手に苦しくなる。



岩井が佳澄と寝たら2人してどんな風に乱れるんだろう?私の時より岩井は激しいのだろうか?



佳澄はあのカモシカのような細い手足を岩井に巻きつけ、長い髪を岩井に解かせるんだろうか?



そして2人が夫婦だったら私よりもすぐに妊娠したのだろうか?....と。



まぁ、完全なメンヘラである。



岩井は確かに中学、高校と佳澄を好きだったのかもしれない。しかし2人は一度たりとも付き合った事は無いのだ。



仮に好きだったとしても昔の事では無いか?



しかし多佳子はどうしても佳澄を引けあいに出して色々想像してしまう。



佳澄がいつも、多佳子が欲しがってるものを、何も考えずに手に入れている事に腹が立って仕方なかった。



仲間の話題の中心になる事も。

岩井の気持ちも。

高校時代の英語の成績も。

妊娠も。



依子が男の子、佳澄が女の子をそれぞれ産んだ次の年、努力の甲斐あって、多佳子も元気な男の子を産んだ。



しばらくは子育てにタダタダ夢中の幸せの日々で、佳澄の存在も妄想も全く気にならなくなったある日....



その頃、多佳子は2番目の子づくりに夢中だった。それには訳が有った。



多佳子達の住む社宅には格付けがあり、だいたい何処の社宅に入っているかで、旦那がどの程度の役付きになるか判るとまで言われていた。



そして、最近出来た超セレブ風のマンションは社宅の最先端であり、入るには子供が2人以上いる家庭と決められていた。



つまりそのマンションに入るのが、エリートと幸せのステータスになる訳だ。



しかし案の定、妊娠しにくい多佳子は2番目の子づくりにも難儀した。



そんな時、佳澄が、今度一軒家を建てる事になったと連絡が来た。年下の旦那、28歳の若さだ。



多佳子は再び軽い目眩を覚えた。

今度はエリート社宅に入りたくて必死の多佳子。佳澄は別のステップに?

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