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テンプレ異世界召喚に巻き込まれたデュエリストですが、持ち前の魔導書(デッキ)で何とか頑張ってます  作者: 秋月静流


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19話 直観

「……っていうくらいリカルド様は凄いのよ」

「へえ~そんな逸話があったのか。

 その後も砂漠を舞台に八面六臂の大立ち回りをした、と。

 あの強さと心象風景はそれ故にって訳か……」


 皇国では既に御伽噺にもなっているというリカルドの活躍をレミットから聞き、悠馬は納得する。

 リカルドの魔導書デッキ構成からかなりの手練れとみてたが――とんでもない。

 一国を代表するような実力者、英雄クラスであった。

 専用の対策を施したデッキでも勝率は五分五分といったところだろう。

 先程は初戦という事もあり、偶さか勝利を拾えたみたいだ。


「何を言ってるの、ユーマ。

 これだけじゃないわ。

 セイプテューン戦域の和平制定、

 第四次リッターマイン大戦の膠着打破、

 後に奥様となるフォーススター侯爵令嬢誘拐事件及び、

 皇太子暗殺未遂事件の華麗なる逆転解決等々。

 リカルド様の活躍は例を上げれば枚挙に暇がないくらいよ?

 それにね――」

「あっ~レミット様。

 どうかその辺でご勘弁頂けませんかな?」


 まだまだ喋り足りなさそうなレミットだったが、当の本人のやんわりした窘めを受け、慌てて閉口し赤面する。

 慎みを美徳とする貴族の子女として、はしたない行為だと自覚したのだろう。

 救いとしては渦中の当人が恥ずかしさを堪える様に苦笑している事か。

 悠馬も経験があるが、自分の活躍を英雄視され目の前で語られるほどむず痒さを感じるものはない。

 特に毅然と言い放った台詞をリピートされた日には――

 何もかも忘れ、来世に旅立ちたくなる。

 楚々たる淑女そうに見えてゴシップ好きなティナによる腐嵐王とのデュエル対戦解説は悠馬のアレな台詞と相まって女性陣の定番人気メニューである。

 ちらっと耳にした(正確には碧のドレスアップ効果<超感覚>まで使用し盗み聞きした)悠馬だったが自身の痛い言動・行動を直視させられ心に深い傷を負った。

 悠馬達に付き従うアイレスとカレンも憧れの人物を前にしたレミットのはしゃぎ振りに苦い笑いを禁じ得ない。


「もうすぐ学院への通用門です。

 通常なら色々面倒くさい手続きがあるのですが……

 吾輩も気が長い方ではないのでね。

 あまり好きな方法ではないがコネクションを使わせて頂きましょう」

 

 学院を囲む長い塀の要所に設けられた大門前にいる門番へ話し掛けるリカルド。

 魔術による偽装も考えられる為、生体認証による判別を強要される。

 結果、当人と判明。

 狼狽する門番が中へ声を掛けるや、驚いた事に大門が自動で開いていく。

 魔導装置が組み込まれた堅牢な大門。

 都市に入る以上に厳しいセキュリティーがあるとの事だったが、顔パスらしい。

 いや、リカルドの勇名は皇国の外まで鳴り響いているのだろう。


(やっぱり世の中、金とコネなんだな~)


 緊張しまくりで最敬礼する門番達を見て、悠馬は俗っぽくそう思うのだった。


「わ~凄く綺麗!

 ここが噂の魔導学院なのね」

「あらあら。

 これはこれは」

「言葉に……ならん」


 一方、目を輝かせるのは女性陣達だ。

 神代の時代に造られた神造建築物。

 その見学は女性の憧れの的である。

 値段はかなりお高いも、新婚旅行先の上位に燦然と挙げられるくらいだ。

 中に通された悠馬達の前には、いにしえの建築物でありながら時代の最先端をいく瀟洒でありながらも荘厳なデザインで構成された建物があった。

 学院ばかりではない。

 学生寮や研究棟、巨大な円形運動場、大陸全土の書籍を集めた図書館などの関連施設も敷地内に建ち並び、まるで学院自体が別個の都市みたいである。


「さあお待たせしました、レミット様。

 ここが魔導都市の中心部、サーフォレム魔導学院です。

 我が主も既に中でお待ちになっております」


 直接的な主従では無いも、まるで臣下の様な態度を以てレミットをエスコートするリカルド。

 公爵という王族と血縁関係にあるマリエル家の事を考慮した場合、それは当然の事なのかもしれない。

 しかしそればかりではないと悠馬は思った。

 何が、といえば言葉にならないのだが。

 きっとそれは優れたデュエリストたる悠馬の直観なのだろう。

 和やかに談笑しながら学院へ歩むリカルドを見ながら――

 悠馬は言い様のない不安を本能的に感じるのだった。






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