表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

55/151

13話 推測

 ◇1ターン◇


 熱砂が吹きすさぶ砂漠。

 生物の姿が見えぬ荒涼とした光景が闘技場に立つ悠馬の前方に広がっていた。

 残念ながら先手は向こうのようだ。

 フィールド内に浮かぶこの心象風景。

 相手は自分同様、紅色の魔導書デッキを使うと推測された。

 砂漠は基本地形である<溶岩>と並び、紅の司る破壊と再生、焔の力を秘めやすいからだ。

 相手デッキが紅なら、定石としては速攻クリーチャーの召喚や火力を構えるなどの動きが考えられる。

 通常の編成なら盤石で迎えるところだが……

 メイアの助言を聞きデッキを編成し直していた為、若干不安が残る。

 まあ結果としてそれが命を救ったのだから贅沢はいえない。

 何より目の前の戦いに集中しなくてはならないだろう。

 魔導書を構える悠馬。

 相手の出方次第だがまずは大地との契約<マナ>を伸ばそうと、符を選択する。

 しかし警戒する悠馬の耳に聞こえたのは、対戦相手が先に放った大地との契約とその結果だった。


「清き清廉なる大地の祝福を以て、集い来たれ<勇壮なる兵士団>よ」


 男が放ったのはまさかの予想外。

 紅ではなく聖なる力を象徴する白。

 さらに召喚されたのは<AP1000 DP1000>という最下級兵士。

 ただしその数は2体。

 マナ効率を無視したかなりのレアである。   


(厄介だな。

 横に並べる戦術……

 おそらくウイニー型でなくホード型。

 しかもあのマナ効率の良さ、かなり遣い手だ)


 召喚術師の持つ魔導書デッキとは、その者が積み上げてきた術師としての重みである。

 強いカードをただ叩き付けるだけで決闘デュエルに勝てる訳ではない。

 自身のデッキの特性を理解し、最優のカードを組み合わせ勝ち筋を構築する。

 それがサガというTCGの奥深さでもある。

 現状のデッキ構成から考えられるのはガーダーを次々召喚し、対処できない数の多さで攻め立てるホード戦術だと推察できた。

 悠馬のデッキとの相性はあまり良くない。

 荒ぶる暴君<殲滅龍グ・イレイズ>を主体とした構成なら条件次第で殲滅することも可能。

 しかし生命の息吹<不死鳥ラ・リーミヤ>を活かす構成の為、紅色の本領である破壊の力は低下しているし、防御に優れた白ならば紅の呪文に対する耐性を得て襲い来る事もある。

 さらにデッキを象徴するヴァイタルガーダーは強力無比な存在だが、特殊能力がない限り原則ブロックできる敵は一体のみ。

 場をリセットしない限り、打ち漏らした残りの敵に蹂躙されてしまう。

 数の力はいつでも偉大なのだ。

 たったこれだけの情報でここまで読み取る戦術眼こそ悠馬の優れたデュエリストである証なのだが、本人に自覚はない。

 それに戦況は思わしくないかもしれないが、対処出来ない訳ではない。

 悠馬は魔導書からのドロー後、溶岩地帯を招き紅色のマナを増強。

 ターンを終えた。





 ユーマ  手札 8⇒7 マナ1 シールド3

 ???  手札 7⇒5 マナ1 シールド3






<勇壮なる兵士団>


 AP 1000

 DP 1000

 SP 白① 


『特記』 


 勇壮なる兵士団は場に出た時自身のコピーを出す事が出来る。

 どちらかが除去された時、もう片方を追放する。




デュエル開始です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ