表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

110/151

32話 壊滅

◇3ターン◇


 どうにか雪豹を凌いだものの、依然として数の差はいとめない。

 悠馬の場にも二体のガーダーはいるが共にAPは0。

 攻撃力は皆無だ。

 使い潰しのブロッカーとして守りにいくことは出来るが、それでは結局ジリ貧となってしまう。

 ターン開始の2枚ドロー後、悠馬は驚いたように動きを止め思案する。


「どうしたんだい?

 随分悩んでいるじゃないか」

「打つ手がないなら投了したらどうだ」


 囃し立てる二人。

 悠馬はかぶりを振ると二人に語り出す。


「……打つ手がないんじゃない。

 あまりにあり過ぎるから困っているのさ」

「はんっ」

「そんな強がりを言って我らが怯むとでも思ったか?」

「強がりかどうか――

 ならばお披露目するとしよう。

 まさかこのカードを引けるとは思わなくてね。

 デッキが自分に応えてくれるっていうのは嬉しいもんだ。

 要の言っていた『デッキの声』っていうのはこういう事か?

 まあ、本当はもう少し引き付けたいところだけど……

 ここが使いどころだな。

 いくぞ、溶岩地帯よ!」


 溶岩とマナリンクした悠馬。

 すかさず紅マナを生み出し始祖鳥と森林、鉱山からもマナを生み出す(宝石残り回数1)。


「地の怒り満ちる刻――」

「まさか!」

「そんな馬鹿な!」

「人の心の果つる時――」

「お前ごときが」

「貴様ごときが、そんな伝説の召喚術を扱える訳が――」

「いい加減、現実を見ろ。

 いくぞ!

 我招くは<大地の憤怒>!」


 悠馬の手札から放たれた虹色の符が溶岩地帯に触れる。

 次の瞬間、溶岩は大音響を上げ噴出。

 凄まじい熱量を放ちながら戦場全域に豪雨の様に降り注ぐ。

 抗う術もなく戦場にいたガーダー達は全滅した。

 ただ一人、悠馬が招いたガーダーのみを残して。


「ど、どういう事だい!

 何故、あいつのガーダーは無事なんだ!?」

「そうか、扱うタイプか」

「はっ?」

「あんな攻撃能力のないガーダーを使うのには理由があったのだ」

「――え?」

「飛行能力」

「あっ!」

「大地系の能力の対象とならない。

 通常ならこんな広域殲滅スペルなどはそうそう使えない。

 だが――奴は偏った編成でわざと扱えるようにしたのだ」

「デッキによるコンボ……」

「くそっ。うまく誘い込まれたか」

「迂闊だったさね」


 ゴルベーザの言葉にキャロットは悔しがる。

 二人の解説通り、これはコンボと呼ばれる手法である。

 サガのカード群の中には強力であるも扱いづらいカードが多々ある。

 それらの特色を理解し上手く組み合わせる事により1+1を4にも10にも出来るのがデッキ編成の面白い所である。

 事実戦場全域を襲った溶岩噴火時、悠馬のガーダー達はその飛行能力を遺憾なく発揮し天空高く逃れていた。

 結果、キャロットとゴルベーザのガーダーのみが壊滅したのだ。

 悠馬は驕るでも誇るのでもなくクールにターンの終了を告げる。

 穏やかでないのは対戦者の二人だ。

 まさかここまで考えているとは。

 たかが小僧と侮っていた自分達が愚かだった。

 しかし同じ轍は二度と踏まない。

 二人は四天騎に相応しい沈着冷静さで気持ちを切り替える。

 自ターンを迎えたキャロットとゴルベーザは壊滅した場を立て直すべく新しいガーダーを召喚。

 何とか体制を整える事に成功する。


 



 ユーマ   手札 7⇒5 マナ3 シールド6(2枚ドロー)

 キャロット 手札 5⇒2 マナ3 シールド3

 ゴルベーザ 手札 5⇒2 マナ3 シールド3




<大地の憤怒>


 SP 紅② X(何色でも支払い可能)


『特記』


 大地の憤怒は地上に隣接している全てのガーダーに対し

 X×1000点のダメージを与える。


多くのアクセスありがとうございます。

嬉しいので連続更新です。

良ければお気に入り登録もお願いします^^

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ