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テンプレ異世界召喚に巻き込まれたデュエリストですが、持ち前の魔導書(デッキ)で何とか頑張ってます  作者: 秋月静流


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100/151

22話 堪能

「まずはピエタの住人を代表してお礼を申し上げたい。

 この度のユーマ殿の勧めにより、飢える事無く冬を過ごせそうな事。

 何より兵士達を含む皆の仇をとって頂いた事。

 この御恩は決して忘れませぬ」


 開口一番、ピエタの町長であるボルフォイは深々と頭を下げた。

 周囲にいる者達も同様に倣う。

 その中には神妙な顔をしたコーウェルやミゼリアもいる。

 慌てたのは当の本人である悠馬だ。

 利己的で打算もあった故の提案。

 こんな風に感謝される謂れはない。


「どうか顔を上げて下さい。

 俺には俺なりの思惑があって皆さんを巻き込んだんです。

 そんな風に礼を言われるほど上等なもんじゃない」

「それでもだよ、ユーマ君。

 女王配下の兵に蹂躙され、坐したまま滅んでいくのを待つしかなかった私達。

 そんな私達を過程はどうあれ、君は救ってくれたんだ」

「そうですよ、ユーマさん。

 ユーマさんが駆けつけてくれなかった私……きっと死ぬより酷い目に遭っていたと思います。

 幾度も言って鬱陶しいかもですけど、本当に助かりました。

 だからそんな風に気に病まないで下さい。

 私達は町の代表者ですけど、ピエタ住民の代弁者でもあります。

 貴方に感謝する心は全員変わりはありません。

 それにこれは皆の総意ですけど……ユーマさんに世話になってばかりでは却って心苦しいので私達に出来る事ならお手伝いしたいんです。

 勿論、家事や城塞の設備整備だけでなく戦闘行為も含めて」

「……それでいいんですか、皆は?

 俺は死地に向かわせるかもしれないんですよ?」

「ユーマ君、難しく考えることはない。

 生きる為に必要なリソースを君が提供。

 私達は対価として労働力を還元。

 条件はフィフティフィフティ。

 対等な関係と報酬だ」

「コーウェル殿の仰る通り。

 何も引け目を感じる事はありません。

 それに我らはこの最北の町の住人。

 外敵や厳しい環境を相手に戦う術は幼少の頃から学んでおりますゆえ、どうぞご安心めされい」


 禿頭を撫でながら時代がかった台詞で腹を叩くボルフォイ。

 その剽軽な仕草にコーウェルとミゼリアを含む一同も笑みを浮かべる。

 主となったミゼリアの明るい感情を読み取ったのだろう。

 胸元に隠れていたコイルリスが出てくると、ミゼリアの肩の上で愛くるしい声をあげ甘え始める。

 頑なだった悠馬もつられたのか、笑いを堪え切れず吹き出す。


「ああ、もう。

 真剣に悩んでいた俺が馬鹿みたいじゃないか(溜息)。

 分かりました。

 これからもよろしくお願いします」

「こちらこそ」

「よろしくお願いします、ユーマさん」

「何卒宜しくお願い致します」


 和やかに打ち解け合う一同。

 しかし悠馬は一見穏やかそうに見える人たちの意志の強さに心打たれていた。

 これ以上あーだこーだと言うのは止めだ。

 それはピエタの皆の覚悟を踏み躙ることになる。

 ならば自分に出来る事は一つ。

 レミットを含む皆を守り通そう。

 自らの力の及ぶ限り。

 一人一人と握手を交わしながら悠馬は固く誓った。

 一方、丁度良い機を見計らっていたのだろう。

 頃合いの良いタイミングで食事用ワゴンを押し入室するアイレス。

 ワゴンの上では温められたスープや焼き魚などが美味しそうな香りを湯気と共に立ち昇らせていた。


「難しいお話は終わりましたか?

 それでは皆さん、お席にお座りください。

 わたくしが腕によりを掛けた料理の数々……

 どうぞ心ゆくまでご堪能くださいな」


 努めて澄まし顔を装い料理を取り分けるアイレスに対し、悠馬を含む一同は笑顔で応じるのだった。





このシリーズもお陰様で100話を達成しました。

まだまだ未熟ですが、これからも応援宜しくお願い致します^^

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