【覚めた夢の続き】
【本編に進む前に】
これは私の作成した全く持っての短編集です。
この小説には…
※ホラー要素
※不可解な表現
※サイコパスな表現
※暴力、グロテスクな表現
これらが含まれています。
それでも大丈夫な方のみ、お進み下さい…
夢を見た。
「っ……ゃ…やめて……苦しっ…」
君の苦しそうな声。
首を絞めるその手を必死に掴む君の手。
目尻には涙をためていて、僕に必死に声をかけようとしていたが…それは虚しく空虚なまま誰かの吐息にかき消されてしまった。
「はぁっ…はぁ……はぁ…へへっ」
その言葉ま紛れもない僕自身だった。
僕自身がどんな顔をしてるのか、想像がつかなかった。
段々力を込める。君の口から漏れる息が段々少なくなってきて首からは嫌な音が軋み出した。
嗚呼、これが夢なら早く覚めてしまえば良いのに。
そんな事を思っていたらいつの間にか朝になっていた。
どうやら悪い夢を見たようだ。
額を伝う汗がそれを物語っていた。
その日、君と僕は何気なく会話をしていた。
何の変哲もない、ありきたりな日常の一部…のはずだった。
プツリ。
何かが切れる音がした。
どうしたの?と首をかしげながら君は問いかける。
そんな目で見るなよ。
いつの間にか僕は……
『君の首を締めていた。』
「っ……ゃ…やめて…苦しっ…」
その目尻に涙をためて呻く声。
君の首を締める手を必死に掴む君の手。
「はぁっ…はぁ…はぁ…へへっ」
僕の吐息と笑い声。
ああ…夢じゃ、無かったんだ。
僕は力を入れて君の首を絞め上げる。
さっきまで掠れた声が更に掠れていてほとんど声にもなっていない。
メキメキと嫌な音が軋み出した。
ああ、これが夢なら早く覚めてしまえば良いのに…
そう思っても…目を覚ます事なんてないのをわかってた癖に。
しばらくしたら、君が死んだ。
目はもう白目を向いて、口はだらしなくあいてそこから舌がだらりと垂れている。
もう、動かないんだ。
「……は、ははっ…あはははははっ!
あははははははははははははは!」
僕は狂ったように笑った。
笑い続けた。
そうだ、これは夢だ。夢なんだ…
「夢なら、早く覚まさなきゃね。」
そして、僕は。