プロローグ 魔術師の日記1
低レベルな作品ですが、よろしくお願いします
あと少しだ……。
私は思わず笑みを浮かべる。
今、私の目の前には4体の人形。背丈も外見も様々で、パッと見人形と思う人はいないだろう。
私の30年間の研究と努力の成果である。
さて、あとすることは……。
今回の研究で作りたいのは、ただの人形じゃない。命と性格を持つ、人造人間である。
人形の生成は、あらかた楽だった。問題は、生命の生成だ。
研究に研究を重ね、人形の動力となる『心臓』と感情や性格となる『脳』を埋め込めば、人形はほぼ完璧な人間になるはずだった。
心臓を破壊すれば人形は動かなくなり、脳を破壊すれば命令に従うだけのロボットと化す。そういう意味でも、人間と対して変わらないといえる。
方法は残せないが、私は人形4体分の心臓と脳の生成に成功していた。
あとはこれを吹き込むだけだ。そうすれば人形は目を覚ます。
だが同時に、私の体にも限界が近づいていた。
最近、体が思うように動かない。食事の量も半分に減っている。
どうやら、私もそろそろのようだ。
人造人間は、不老不死だ。心臓か脳を壊さなければ、半永久的に生きていられる。
こいつらには、私の見ることのない世界を堪能してきてほしい。
だから私は、人形に命を与える。
長年の願望が、ようやく形となる。
私は一旦目を閉じてから、最後の作業にかかった。