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アイリス姫の殺人生  作者: クラウン
3/8

守るから

どうしてこうなったのかしら、とアイリスは思いました。

鍋の中には毒々しい色のシチュー(の、つもり)。

「アイリスー。料理出来ないなら、無理しなくて良いんだよ」

本当に、どうしてこうなったのかしら。

「ねえ、これ何入れたの?」

アイリスは、思い出しながら言います。

「ホワイトソース、ジャガイモ、にんじん、玉ねぎ、お肉。それと隠し味を少しいれたわ」

クライドは、苦笑いです。

「隠し味って…何入れたのさー」

少しも反省せず、アイリスは答えます。

「何だったかしら」

「まあそれは良いとしよう。何の肉ー?」

アイリスは、ニヤリと笑って言いました。

「人肉です♡」

「料理禁止」

即座に言い渡されました。

ですがアイリスは納得しません。

「味は大丈夫なはずよ。…多分」

「人肉入ってる時点で大丈夫じゃないから。俺、食べないよー?」

「私もよ」

クライドは、溜息を吐きます。

「結局食料の無駄じゃないかー。もう一生料理しないで」

この毒々しい料理、一体誰が食べるのか。

そんな疑問が、2人の頭をよぎりました。

「捨てよー」

「捨てましょう」

見事に重なりました。誰かが食べるという選択肢はありません。

そうしてアイリスは、キッチン出入り禁止になったのでした。

2人で暮らし始めてからは、2人で殺しをするようになりました。

2人の手口は鮮やかで、警察も犯人の性別すら掴めない状況でした。

その中で、アイリスの捜索も行われていました。

なので、アイリスは外も出歩けません。

でも、アイリスは血の色さえ堪能できれば、それで良いのでした。

「アイリス。俺、何があってもアイリスを守るから」

唐突に、クライドがそんなことを言いました。

アイリスは、ありがとう、と言って微笑みました。

そんな言葉、聴き慣れています。

でも、他の誰に言われるより、アイリスは嬉しかったのです。

それが、どういうことか。

まだ、アイリスには分かりません。

胸が高鳴る、この感情を─────

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