…………幾らなんでも迂闊…
今回はプロローグです。
ー私立平和ヶ嶺学園。
そこは、一学年の定員数が100人。
幼年部から大学院まで合わせると生徒総数が2000人を越えると言う、まぁ、わりとよくある設定な私立学園である。
しかし、学園は完全寮制であり敷地内にはショッピングモールがあったり、娯楽施設があったり、等と言うテンプレ的なものは一切無い。
寧ろ学園長の「通勤は就労前時間の敵。学生時代がら慣れるべし」と言う、よく判らない持論により寮生ですら、学園まで毎日徒歩で25分はかかる道程を歩いて通学している。
そんなテンプレなのかそうでないのかよく判らない学園には更によく判らないキャッチコピーがある。
それは、
『社会で最大の敵にして武器になるものは「人脈」。これこそ真に学生時代に学ぶべき物である』
と言う学園長の持論である。
普通に考えればツッコミ処満載のこのキャッチコピー。
学園長の過去に何があったのか知らないが、このキャッチコピーは世の中の教育ママさん達に大いに受けた。
「うちの子には、社会に負けない強い子に育って貰いたい」
そんな願いを持つ全国の教育熱心なママさん達こぞって子ども達に学園を受験させた。
お陰でこの少子高齢化問題が進む日本で 、毎年倍率は20倍を越えるのだ。
そして、倍率が高い為必然的に学園偏差値も上がったのだが、これは学園長の目論見通りなのかは定かではない。
話が戻るがこの学園は人脈に重きを置く、全国でも稀な学園である。
その為、学園の校則第一章には
ー人脈は名声にも勝る財である。学園内では互いに交流があると認識できる者を最低4人は持たなければならない。一ヶ月に一度交流調査を行い4人以下の状態が二ヶ月続いた者は退学処分とする。
ー交流がある者同士で派閥を作り、競う事を許可する。
ー生徒はいくつ派閥に入ろうが自由である。
ー学園の教員は、派閥同士の抗争或いは、派閥内での抗争に介入する事はない。
と記述されている。
実に剛胆且つ放任主義な校則だが、実際に学校に通っている生徒達からすれば、最早それが当たり前なのだ。
それ故に学園内では、派閥の大きさ=権力であり、最も大きな派閥を持つ者が生徒会長になり、少数勢力の派閥は大規模な派閥に取り込まれたり、取り込まれないようひっそりと活動したりと、ちょっとしたM&Aのような事が日常茶飯事なのである。
因みに、大規模な派閥だからと言って何処ぞ乙女ゲー宜しくな権力を嵩にふんぞりかえる事が出来るかと言えばそうでもない。
寧ろ、大規模な派閥の筆頭であればあるほど、少数勢力を擁護し上手く仲を取り持つのだ。
何故なら、それこそが派閥を築き保つ為の必須事項であり、また、敵対勢力につけこむ隙なんて見せられない。そんなことをすれば派閥内での地位が陥落しかねないからである。
そんな訳でこの学園は、表面だけ見ると非常に仲良しに見える。しかし、水面下では常に冷戦状態。
敵対勢力に隙なんて見せられない。だから校則は守る。学園の治安を学生達が守る。
故にこの学園、非常に治安もいいのだ。
長いモノローグになったが、そんな社会の縮図のような世知辛い学園の東側。高等部の宿直室に何故か置いてある全自動雀卓を囲う4人の姿があった。
「…………これならどうかな?」
「オッシ、わりぃな。一発だ」
「うわっ!よりによってそれ切っちゃったの!?」
「…………幾らなんでも迂闊…」
「えっ?これそんなに本命だったの?發はもう河に2枚あるから大丈夫だと思ったんだけど」
「 ああ、そりゃな。幾ら發が2枚流れてるからって白をポンして中をカンしてる時に發を切るのは自殺行為だな。お陰で
小三元ホンチャンホンイツドラ6
数え役満だな」
「うわぁ…またトんじゃった…」
「トんじゃったも何も今のは完全に飛び降り自殺よね」
「…………スカイツリーから飛び降りた…」
「…………なんか凄い言われようなんだけど…」
「お前ら、初心者相手に容赦ねぇな。まぁ、アレだ。言われて悔しかったら次勝ちゃいいんだ。だからあんまり気を落とすなよ?つーことで今日は解散!また明日な」
「うん、わかったよ。じゃあまた明日ね」
「んじゃね~♪」
「…………オツカレさま…」
とまぁ、麻雀シーンがセリフのみの上、一体どうしてそうなったのか謎ではあったが、
これはこの学園の最小勢力である平和ヶ嶺学園高等部所属麻雀部がのんびり麻雀しながらも、各派閥の抗争た巻き込まれり、仲良くなったりする物語である。
因みに次回はキチンと麻雀するのであしからず。
次回はキチンと麻雀します。




