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【最強の魔女の誕生】

この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。

「つ、疲れた…。もう限界…」

 窓から帰宅するとミリアはベッドに倒れ込み、全体重をベッドに預ける。

 

 今日という一日は、今までのミリアの生活からは考えられない程に情報量、移動距離、会話量共に大盛りパフェ並のボリュームがあった。

 普段のミリアがパフェのさくらんぼ一つ分だと考えると…いや、考えただけで恐ろしい。

 

「で、でも…。それ以上に楽しかったな…。」

 

 入学試験という難問があったものの、優しいリーダーのハル。しっかり者のルーク。ポジティブガールのジル。新しい三人もの素敵な仲間に出会えたし、相変わらず明るいリリーとも生徒会室で再開出来た。

 

「それにしても、図書室で見たあの本の呪文の数…。絶対私には覚えられないよ…」

 

 図書室での嫌な思い出が蘇る。あの本はなかなかのページ数があった。あれは全ての魔法が載っている訳ではなく、基礎魔法(下級クラス向け)しか載っていないのだ。あれに加えて中級魔法、上級魔法を覚える頃には…何ヶ月かかるのだろう。

 

 しかも魔法だ。呪文を覚えただけでは意味が無い。練習をして成功した時、その時に初めて魔法となる。

 

「うーん…。地道に覚えるしかないか…」

 そう思った時、ミリアに一つの案が降ってきた。

 

「そうだ…!覚えられないなら、自分で作っちゃえばいいんだ…!」

 

 ミリアは飛び起きるようにベッドから机に向かい、一冊のノートを広げた。

 

「例えば…そうだな…。炎のライオンが氷魔法の攻撃を吐く…とか!」


本来この世界では創作魔法などは絶対に作れない。突如としてこの世界に現れた魔法書や魔法辞典などに載っている魔法(呪文)しか使う事が出来ない。

 

 もちろん、今までにも何人か創作魔法を考えた魔法使いが居たが、誰一人として成功するはずもなく、試した全員が悔しくも諦めていった。

 

 だから、ミリアの案は却下になるはずだった。ましてや、炎魔法で形成した物が氷魔法を吐くなど、オリジナルすぎる創作魔法など作れるはずがない…のだったのだが、ミリアは運良くそれを知らなかった。


「よーし…!やってみよう…!い、家の中だから小さなライオンで…。燃えないような火力で…。あっ…!呪文考えてなかった…。どうせならカッコイイ名前がいいな…。」

 

 ミリアは机に座ったまま、ペンを頭にコンコンとつけながらお試し魔法の呪文を考える。

 

「…テンハローザ。なんかカッコイイかも…。うん…!これでやってみよう…!」

 

 ミリアは椅子から立ち上がり、杖を出し部屋の中央に向けて構える。

 

 魔法の強さに気をつけるよう、ミリアは一度深呼吸をした。そして創作呪文を唱えた。

 

「──テンハローザ…!」


 詠唱と同時に魔法陣が展開。その先に小さな、ゆらゆらと揺らめく炎で象られたライオンがいた。

 

 小さい体だがライオンに炎が合わさり、キリッとした迫力が十分にあった。部屋は炎色の光で照らされる。

 

 ライオンは口を開けると冷気を吐き出し、一瞬にして部屋中を氷の冷たい世界に変えた。椅子や机、ベッドやカーテン、天井、床。全てが氷で固まった。

 

 それは『無詠唱魔女』ならぬ『(創作の)完全詠唱魔女』誕生の瞬間だった。

 

「ささ、寒い…!」

 

 ミリアは部屋の寒さに耐えられず、すぐさま治癒魔法で元通りにした。

 

「出来た…。出来ちゃった…!これなら、あれだけの基礎魔法の呪文、覚えなくても大丈夫かもしれない…!よし…!他にも魔法、作ってみよう…!」

 

 ミリアはまた机に向かい、いくつかの創作魔法の呪文をノートに書いていった。

〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗

読んでいただき、ありがとうございました。

小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。

ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。

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