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【い、痛い…④】

この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。

「うーん、ダメですね」

「確かに変化無しだ」

「と、言うことは♩」

「ちょっと~、ミリアっちも参加してよ~」

 

 そう、さっき一斉に魔法を出したのは四人。ミリアは詠唱していなかったのだ。

 何故?と聞かれれば答えは一つ。一般的な攻撃魔法の詠唱を知らないから、どうしたらいいかテンパった……と。

 

「そう!ジルちゃんの言う通りミリアちゃんの協力が不可欠なのよ♩」

 

「え、あ、えっと……」

 

「お~♡リリーっちなるほど~!この脱出ゲームは全員で魔法を唱えないとダメなんだね!そういう事か~♡」

 

「それは確かに盲点でした。流石リリーさんです」

「ナイスだリリー!じゃあ、あとは五人でシャッターを壊すだけだね!」

 

「あ、あの~……」

 

「よーしっ!ミリアちゃん!みんな!今度こそ行くわよ♩」

 

「はい」

「了解!」

「おけ~♡」

「は、はい…」

 

「せーのっ♩」

 

「テリエルオペガーサ!」

「ディーパルタート♩」

「ディーピアターファ♡」

「テリエルキリアスト」  

 

 四人はさっきと同じように魔法陣を展開し、シャッター目掛けて攻撃する。

 

『わわ、私も何か詠唱しなきゃ…!えーっと、えーっと…!』

 ミリアはフル回転で、頭の中に記憶している自分の創作魔法のメモ帳を読んでいく。

 

『な、何かあのシャッターを壊せそうな魔法あったかな……?——————!』

 

 ミリアは真後ろを向いて飛び立った。

「ミリアちゃーん!どこ行くの~?」

「ミリアっち~?」

「ミリアさん?」

「どうした?ミリア?」

 

 みんなは正面に魔法を出しつつも、謎行動に出たミリアを見る。

 

 そしてミリアはシャッターから数十メートル離れた場所の宙に浮いていた。そして杖を構えて

「み、みなさん…!ま、真ん中開けておいてください…!」と言う。

 

 ミリアにそう言われ、四人は慌てて左右に別れる。

 

 ミリアはそれを見て詠唱をした。

「タストラアルガ…」

 

 するとミリアの背後に十個近い数の魔法陣が展開され、そこからシルバーに光る剣が、シャッターを目掛け高速に、でも真っ直ぐに飛ぶ。

 

「カンカンカンカン」とリズミカルに剣たちがシャッターに次々と突き刺さる。その数と力で、なんとあのビクともしなかったシャッターに「ピキピキピキッ」と、ヒビが入っていく。

 そして、極めつけに同じくシルバーに光る大剣を飛ばし当てると、「バーン」とシャッターの破片が四方八方に飛び散り——————壊れた。

 

「こ、壊れましたね」

「やったわよー!ミリアちゃーん♩」

「わ~い♡脱出ゲームクリア~♡」

「おぉ、クリアか!」


 ミリアは無事にシャッターが壊れたところを見て、みんなの元へ飛んでくる。

 

「みんな~!扉開いたよ~!外だ~♡」

「んーっ!やっと出られたわねー♩」

「何はともあれ、無事に出られて良かったです」

「そうだね、助かったよミリア。ありがとう」

「い、いえ…!そ、それより、本当に壊してしまいましたが大丈夫でしょうか…」

「大丈夫よミリアちゃん♩ほら!ミリアちゃんも喜んで!」

 

 リリーはミリアに「真似して言って?」と伝えるようにミリアの両手を上げる。

「わーい♩」

「わ、わー ────────」

 

『────ドカン!』

 

 ミリアが声を発した瞬間、何かがフローリングに落ちる音がした。

 

「い、痛い…」

 ミリアは頭を摩り周囲を見渡した。するとそこは外でもショッピングモールでもなく、ただの自分の部屋だった。

 

「な、なんだ…。夢…か」

 明るく照らされるカーテンと不格好にズレ落ちた布団から、夢だった事が寝起きでも分かった。

 

 カーテンの小さな隙間からは朝日が差し込み、机の上にあった映画館の半券を照らしていた。

〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗

読んでいただき、ありがとうございました。

小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。

ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。

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