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【大ピンチ!?まだ呪文を知らない魔女の入学試験です…!(誰か助けてくださいぃ…)②】

この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。

ノヴァウィル学園魔法学校。略して『ノヴァル魔法学校』の校長室の前で、ミリアは一人佇んでいた。

 

「リリー、一緒に来てよ~(涙)」

 

 校長室の扉を躊躇なくノックできる勇気などミリアにはなかった。ましてや初めまして、そして入学試験が待っているとなれば余計にだ。

 

 やっとの思いでノックまであと数センチの所まで来た。『今ならまだ引き返せる。このまま家に帰ってしまおうよ』心の中の悪魔がそう囁いた。

 

「でも…、いや…、やっぱり…、だけど…」

 

 ミリアが心の中の悪魔と格闘しているその時『コ、ココ、コン』と、なんともリズム感の無いノック音がした。

 一瞬、他の誰かが校長室に用がありノックをしたのかと思ったが、すぐに誰もいない事、そして自分自身から出たノック音だった事に気がついた。なぜなら震えるミリアの手が、ミリアの意志とは反対にノックをしていたからだ。

 

「や、やっちゃった…」

そう後悔した時にはもうすでに遅かった。

 

「どうぞ」と、年配の男性。おそらくは校長先生だろう。校長室から入室許可の声が聞こえてきた。

 

 それほど重くもない校長室の扉を、まるで鉄で出来た巨大扉のようにゆっくりと(正しくは恐る恐る)ミリアは開けた。

 

「あ、あの…」

「ん?お嬢さん、魔法学校のローブはどうしたんじゃ?校内では着用が義務付けられている事を忘れてしもーたか?」

 

 校長室に居たのは白髪の予想外にも優しそうで、実際に会った事はまだないが、話し方がちょっとサンタクロースに似ているおじいちゃん先生だった。

 

「え、えと…。に、入学試験を受けに来ました?」

 緊張のあまり語尾が上がって自分の事なのに疑問形になってしまった。

 

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉー。そーじゃったか。どうりでローブを着ていないわけじゃ。入学試験は校庭にある闘技場で行うぞ。まぁ、下の街の学校では体育館と呼ばれているような場所じゃな。ほれ、そこまで距離はない。着いてきんさい」

 

「あっ、はい…!」

 


 ミリアは校長先生に案内されて闘技場に来た。闘技場は広い円形状になっていて、多数の観客席があった。天井は無く、空が見える開放感のある場所だった。

 

「今日もいい天気じゃのう」

「そうで、すね…。あまり風もなくて…」

人と会話する事に慣れていなさすぎて変な回答になる。下手したらロボットの方が上手に会話するのではないだろうか。

 

 闘技場の中心に来ると校長先生は口を開いた。

「さっそくじゃが、始めるとするかのう。まずは飛行能力のテストじゃ。わしの攻撃を空中で避けてみんさい」

 

 そう言うと、校長先生は魔法の杖を出した。

『昨日初めて飛んだばっかりなんだけどなぁ…』ミリアはそう思いながらも、地面を蹴って飛んだ。

 

『あれ?二回目にしては意外とちゃんと飛べてる…』

 まずは無事に飛べた事にほっとしたが、その安心も束の間。校長先生の杖から魔法陣が展開され攻撃が飛んで来る。

 

「ちょ、ちょ、ちょ!」

 最初のペースが優しく感じるくらいに徐々に攻撃のスピードと頻度が上がってくる。

 ここまで一度も当たっていないミリアをみて校長先生は

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉー。お嬢さん凄いのぉー」

なんて、呑気に笑っていた。

 

『私、なんで避けられているの?奇跡?まぐれ?何でもいいから早く終わって~(泣)』

 

 やっと地面に足を着けられた。まさかのミリアは校長先生の全ての攻撃を避けたのだ。

 

「いや~お見事じゃった。見応えがあるのう。ほいじゃ、次は基本的な魔法を見せてもらうとするかのう。炎、水、氷、風、雷、毒、治癒。順番は好きにしてもらおうて構わんから、この七つの基礎魔法を見せておくれ。」

 

『み、見せておくれと言われましても…。何一つ呪文すら知らないし、使った事すらないのですが…』

 ミリアは心の中でそう思うも杖を出し、正面に向ける。

 

『どうせ、最終的には一つも呪文を知らないことも、おそらく何かの偶然が重なって、奇跡的にこの二日間だけ魔法が使えている事も、一度も基礎魔法など使った事が無い事も全てバレてしまうだろう。ならば、いっそ「全部の魔法同時にやります!」とか言えば、結局ライターの火すらでない結末になるからそれで謝って帰ろう』

 

 ミリアはそう思って、校長先生に顔を向けて言った。

「ぜ、全部の魔法同時にやります…!」

〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗

読んでいただき、ありがとうございました。

小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。

ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。

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