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【人を怒らせてはいけません①】

この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。

「みんなの魔法力テスト合格を祝ってー、かんぱーい♩」

 

「かんぱ~い♡」

「乾杯!」

「乾杯」

「か、乾杯です…!」

 

 鮮やかな緑色の芝生が広がるのどかな丘の公園で、ミリアたちは笑顔を浮かべ、魔法力テスト合格祝いのパーティーを開催していました。

 



 遡ること数日前の生徒会室──

 

「ねぇねぇミリアっちー」

「は、はい…!何でしょうか…?」

 

「今日の休み時間にリリーっちと廊下ですれ違った時に話したんだけど、アストラルのみんなで魔法力テスト合格お祝いパーティーしよ~♡?」

 

「パ、パーティー…ですか…?」

 

「うん!それぞれ食材とか持ち寄って、公園でお祝いパーティ~♡う~ん!響きだけでもう楽しそうじゃ~ん♡」

 

 ジルは満面の笑みを浮かべながら、大きく両手を広げる。その時、ガチャっと扉が開く音がして、リリー、ハル、ルークの三人が話しながら生徒会室に入って来た。

 

「あっ!ジルちゃん♩ミリアちゃん♩やっほー!」

 

「やほやほ~♡リリーっち、ハルっちとルークっち、パーティー参加できるって~?」

 

「うん♩ちょうどその話をしながら来たんだけど、二人とも大丈夫だってー♩」

 

「やった~♡アストラル全員で公園パーティーだ~♡」

「当日、晴れるといいですね」

「何を持って行くか、それぞれ担当も決めなきゃね♩」

「なんだか、もう楽しそうな風景が浮かんでくるね」

 

 四人はキャッキャウフフという感じでパーティーの話題で盛り上がる。誰が何を持ってくるかーとか。天気予報確認しなきゃねーとか。テストみんな合格して良かったねーとか。

 

 その様子を見てミリアは思った。

 (あの…?私OK出しましたっけ…?)

 

 ──────────────────


「ぷはぁ~オレンジジュースおいし~い♡飲み物担当ミリアっち、ナイスだよ~♡」

 

「本当、このオレンジジュース美味しいわねー♩」

 

「程よく冷たくて美味しいですね」

「ルークの言う通り、きちんと冷やしておいてくれてたんだね」

 

「よ、喜んでもらえて良かったです…!」

 

 クーラーボックスから取り出し、紙コップに注いだオレンジジュースは家で飲む味とはまた違う甘い味が広がり、喉を潤していく。

  

「ねぇねぇ、主食担当のリリーっちは何作って来てくれたの~?」

 

「ふふーん♩見て驚きなさい♩じゃーん!サンドイッチでーす♩」

 

「わ~!サンドイッチ~♡」

「おぉ、リリーさん、凄いですね」

「とっても美味しそうです…!」

「リリー凄いじゃないか」

 

 リリーの手作りサンドイッチは綺麗な三角形に切られた食パンに卵焼きやレタス、トマトなどが挟まれていて赤色の水玉模様や青のボーダー柄、黄色の果物柄などのポップな色合いと柄のアルミホイルに包まれていた。

 

 

「えっへへー♩あっ、そう言うおかず担当のハルは、何を作って来てくれたかしら?」

 

「大したものじゃないけど、はいっ!主にウインナー、唐揚げ、トマト、ゆで卵、ポテトサラダを作ってみたよ。足りなかったら、他にもフルーツがあるからね」

 

 ハルの持ってきたお弁当箱からは丁寧さが感じられた。唐揚げの下にレタスがあったり、フルーツには食べやすいようにピックが刺さっていた。

 

「色合いも素敵ですね」

「ハルっちすごーい♡」

「確かに見た目も綺麗です…!」

「見てるだけでお腹空いてきちゃうわねー♩」

 

「レジャー担当のジルさんは何を…?」

 

「いーっぱい遊びたいから、いーっぱい持ってきたよ~♡サッカーボール、ビーチボール、バドミントン、シャボン玉、フリスビ~♡」

 

 ジルは大きなボストンバッグから次々と遊び道具を出してくる。レジャーシートが遊び道具で埋まっていく。バッグの大きさは多分、旅行用くらいの大きさ…。

 

「ジ、ジルさん…その袋の大きさだと、まだ…」 

 

「うん!まだまだあるよ~♡」

「全て遊べますかね?」

「まぁ、ある分には困らないさ!」

「ジルちゃんもナイスチョイスじゃなーい♩沢山遊びましょう♩」

 

「では、みなさんこちら、お手ふきです。それからお箸です」

 

 ルークは一人一人にお手ふきと、割り箸を配る。ルークの事だからきっと予備もいくつか持ってきているのだろう。割り箸を入れていたケースにはまだ数があった。

 

「お~♡小物担当ルークっちさすが~♡」

「ありがとう。ルーク」

「あ、ありがとうございます…!」

「うーっん!まずは食べるわよー♩」

 

 ミリアたちは楽しく会話を交えて昼食を共にした。学校の事、みんなの好きな物、昼間なのに怖い話など、実に沢山の事を話した。

 

 あぁ、一年前の自分は果たしてこんなにも楽しい事を想像していただろうか。いや、あの薄暗い部屋でひたすら暇を潰す毎日だった。そう思うと、ミリアはここにいられる幸せを感じる。

 ふと、空を見上げると部屋から覗いて見ていた青空とはなんだか色や煌めき方が違う気がした。一人じゃないだけで、空はこんなにも綺麗に見えるんだなぁ…。耳に入るみんなの楽しそうな話し声も相まってミリアは微笑む。

〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗

読んでいただき、ありがとうございました。

小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。

ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。

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