【守りたい①】
この物語はフィクションであり、実在する人物などとは関係がありません。
「ねぇミリアちゃん♩今度、アストラルのみんなで水族館にでも行かない?」
「水族館…ですか…?」
学校の授業が終わった放課後、今日は校長先生に頼まれた生徒会の仕事。校庭の草木の水やりと、落ちた葉っぱなどの掃除。その他、校庭で危ない箇所がないかの見廻りをアストラルのみんなでしていた。
「うん♩たまにはみんなで一緒に遊ぼーよー♩」
リリーに手を握られ上下にぶんぶん振られる。
「え!なになに~♡何話してるの~?あたしにも教えて~♡」
リリーがニコニコした顔でミリアに話しかけている所を見かけたジルが、片手で杖を持ちながら両手を広げ小走りでトコトコと駆け寄ってきた。
ここは魔法学校。そしてミリアたちは魔法使いなので、水やりのジョウロや落ち葉を集めるホウキなどは魔法で解決出来る。なのでミリアたちはそれらの代わりに杖を持って作業をしていた。
「あ!ジルちゃんも一緒に行こー♩水・族・館っ♩」
リリーの言葉を聞いたとたん、ジルの目は輝きを増した。
「え~♡水族館~?なにそれ~!行かない選択肢ないじゃ~ん♡」
ジルはテンションが上がり杖を両手で持ち、ピョンピョンとその場でまわりながらジャンプをした。
「三人とも~そろそろ作業を終了しようか~」
遠くからこちらに、作業終了を伝えに来たハルと途中で合流したと思われるルークが歩いて来る。
「ねぇねぇ~♡二人とも水族館行くよね~?行くでしょ~?行かない理由ないでしょ~♡?」
「水族館、ですか?」
「おぉ、それは面白そうだね。今度の休みの日かい?」
「えぇ♩アストラルのみんなで水族館に行きましょう♩二人とも予定は空いているかしら?」
「はい。特に今のところ予定はありませんよ」
「うん。僕も空いているよ」
「良かったわ♩じゃあ、決まりね!アストラルのみんなで水族館よーっ♩」
「わ~い!わ~い!水族館だ~♡」
ジルは水族館が余程楽しみなのだろう。高く両手を上げて喜んだ。
こうして、次の休日はアストラルのみんなで水族館に行く事になりました。
(あの…、私。OK出しましたっけ…?)
「わ~♡見て~!イワシさんかな~?いっぱいいるよ~♡」
「ほんとね~♩あ!あっちにスタンプラリーがあるわよ♩みんな!これやりましょう♩」
「スタンプラリーかぁ。これは思い出になるね」
「天井にはサメの物でしょうか。大きな骨が標本のように吊るされています。この展示の仕方はなんとも美しいですね」
「この水族館は、サメの飼育種類が一位みたいだよ。さらにクラゲの水槽も大きいみたい」
「ハルさん。事前調べが素晴らしいですね」
「ルークにも楽しんでもらいたいからね」
ルークはそう言われると顔を少し赤らめた。
「あっ!さては、ツンデルーク発動中~?♡」
「し、してないです!」
「にっひひ~♡そうかな~?」
「みんなー♩スタンプ押そうよ~!」
「ほら、ルーク、ジル。リリーが呼んでますよ」
「は~い!リリーっちー♡今行くよ~♡」
スタスタと駆け寄るジルと共に、ハルとルークもリリーの元へ行く。
「ミリアちゃんもー♩スタンプラリーだよー!早く早く~♩」
「は、はい…!今行きます…!」
入り口から若干迷子になりかけたミリアが急いでリリーたちと合流しに行く。
スタンプを押すと、可愛らしいイワシのイラストがカードに現れた。
「おー♩ミリアちゃんも綺麗に押せたね~♩」
「あ、ありがとうございます…!(照)」
リリーに褒められてミリアはつい嬉しくなる。
「ミリアちゃんの表情が初めて会った時よりも柔らかくなってるね~♩」
ミリアは恥ずかしくて顔に手を当てる。赤くなっているかもしれないと思うと余計に頬が熱くなる。
「みんな~♡次行くよ~♡」
「は~い♩ほらっ、ミリアちゃんも行くよっ♩」
リリーはミリアの手を引いて次の水槽へと向かった。
「わ~♡この水槽は横に長いねー。あ!ねぇねぇミリアっち!ガラスの向こうは海が見えるよ~♡」
「わっ…!お魚も海も同時に見られるなんて、なんだか贅沢な気分ですね…!」
「ほんとだねぇ~♡」
「『カゴカキダイ』、体は黒白の縞模様なんですね。何か理由があるのでしょうか」
「へー。どうやら、敵から身を守るためらしいわよー♩」
「敵から身を…なるほど」
「みんな、次は大きな水槽を見に行って見ないかい?」
「行く~♡」
「えぇ、もちろん♩」
「行きましょう」
「は、はい…!」
〖作品を読んでいただいた方、少しでも覗いてくださった方へ〗
読んでいただき、ありがとうございました。
小説を書くことに慣れていないため、拙い部分もあったと思います。
ですが、少しでもこの作品を読んで良かったと感じていただけたら幸いです。




