第六章8 【12月27日/初等部4年生活動中】8/ピュア・ドリーマーズ・ディメンションの少女と最強のいたずらっ子
少しでも邪念を持つ者は一瞬にして消滅してしまう世界や次元。
そう言う場所があったとしたらどうするだろうか?
そこには少しも邪念を持たないピュアな存在。
純粋に夢を追う存在達が存在する。
少しでも邪な気持ちになれば消滅してしまうため、いくら望んでも人間は100パーセント来れない世界。
そこは一面を埋め尽くす見たこともない美しい花畑で彩られた楽園と表現するにも言葉が足りない様な美しさを体現した世界。
それが、【ピュア・ドリーマーズ・ディメンション】である。
そこに暮らしている純粋無垢、天真爛漫な少女が居る。
【少女】の名は、【アイネ・クライネ/ドイツ語/小さい】。
彼女はお友達が出来た。
【デテメレメテデ】・・・日本風に言えば、【でたらめらため】だ。
【出鱈目】の回文で出来た【それ】/【デテメレメテデ】は【アイネ・クライネ】に興味を持ち、彼女と同じ少女の姿になっった。
純粋無垢な少女と最強のいたずら者・・・
二名はすぐに仲良くなった。
【アイネ・クライネ】は、ピュアな夢を語る。
【デテメレメテデ】はそれをすぐに実現させる。
でも、【アイネ・クライネ】は、
『駄目だよ【デテメレメテデちゃん】。
夢って言うのは頑張って叶えたから価値が出来るんだよ。
頑張ってない結果はとてもつまらない。
だって頑張っている過程が面白いんだから。
だから、一緒に楽しもうよ』
と声をかける。
【デテメレメテデ】は意味がわからなかったが、【アイネ・クライネ】の暖かさは感じていた。
だから、彼女を否定する事は無かった。
彼女は溢れんばかりの優しさからそれをさせているのだから。
だから、【デテメレメテデ】は、【不自由さ】と言う事に興味を示した。
何でも出来てしまう【デテメレメテデ】が唯一出来ない事。
それは屁理屈の様な話になってしまうが、【実現させる事が出来ないと言う事】である。
出来ないと言うことを楽しむ。
少女は【デテメレメテデ】にそれを教えた。
【デテメレメテデ】は、
『・・・どうすれば出来なくなる?・・・』
と聞いた。
【アイネ・クライネ】は、
『それを一緒に考えようか?
出来ない事は楽しいよ。
だって、出来る様になる楽しみがあるんだから』
と満面の笑顔を見せた。
【デテメレメテデ】は、それが嬉しい様に感じていた。
人間の住む穢れに穢れた【現実の世界】では実現しない、純粋な者だけが存在出来る【ピュア・ドリーマーズ・ディメンション】での一幕だった。
一点の曇りも無いピュアな少女に触れて、【デテメレメテデ】は変わろうとしていた。
最強のいたずらっ子を変える事が出来るのは強者ではない。
どんなに強くても【デテメレメテデ】には全く通じないし全く勝てない。
だが、そんな【デテメレメテデ】を変える力があるとしたら、全く汚れの無い純粋な【思い】である。
それが、この次元には存在した。
【アイネ・クライネ】という少女が様々な声質で謡う様々な【歌】や【演奏】が【デテメレメテデ】を癒す。
それが聴きたくて【デテメレメテデ】は、【人類禁制】のこの地に足繁く通うのだった。