第六章75 【1月3日/初等部4年生活動中】5/【内田 愛幸(うちだ あせち)】の準備5
【内田 愛幸】は【疑似運命の三女魔神】の【霞呼(過去)】、【依真(現在)】、【美蕾(未来)】と自分が新たにやった事の確認をする真似事をしている。
1つ目として、【イマジネーション・バタフライ】を幼虫から蛹にしたと復唱させ、2つ目として【超品鑑定士】の【技能基準】がまとまったと伝えた。
【超品鑑定士】とは【内田 愛幸】が歴史の影に完全に隠れた【特殊なアイテム】を見つけるための【技能】をまとめ、それを【資格化】させたものである。
【内田 愛幸】の配下となる者がこの【資格】を得ることによって効率良く【レアアイテム】を探し出せると言う事になる。
それを意味もわからず、【三女魔神】達に復唱させていた。
それはまだ終わらない3つ目も同じように復唱させるつもりの様だ。
【内田 愛幸】は、
『よくできまちたねぇ~。えらいえらい。
じゃあ、3つ目いきましゅよぉ~。
3つ目はですねぇ~、【獰猛浮遊金魚】を生み出しましたぁ~。
見た目は凄く可愛いよ。はい、復唱、繰り返してみましょう。
はい、どうぞ』
と言った。
それに合わせて
『【どーもーふゆーきんぎょ】をうみだしましたぁ~。みためはすっごくかわいいよぉ~』
『【どーもーふゆーきんぎょ】をうみだしましたぁ~。みためはすっごくかわいいよぉ~』
『【どーもーふゆーきんぎょ】をうみだしましたぁ~。みためはすっごくかわいいよぉ~』
とやはり同じ言葉を繰り返す。
そして、
『ねーねーねー、【どーもーふゆーきんぎょ】ってなぁに?かわいいの?』
『ねーねーねー、【どーもーふゆーきんぎょ】ってなぁに?かわいいの?』
『ねーねーねー、【どーもーふゆーきんぎょ】ってなぁに?かわいいの?』
と繰り返した。
3度、同じ事の繰り返しである。
その反応に反応する気持ち悪い男、【内田 愛幸】は、
『うんうん。可愛いよ、すっごくね。
でも何でも食べちゃうんだよ。
食べ物でもエネルギーでも物質でも意味でも何でもね。
すっごい食欲だから管理が大変なんだよねぇ~。
意味解ったかなぁ~?』
と言う。
当然、これもちびっ子達に解る訳がない。
反応は、当然、2つ目の時と全く同じ、
『わかんないけど、わかったよ~』
『わかんないけど、わかったよ~』
『わかんないけど、わかったよ~』
子供目線で説明していないのだから当たり前である。
【内田 愛幸】も正しい答えを求めちゃいない。
可愛いければ何でも良い。
それが彼の求める答えとなる。
その辺りが人間もどき、人間では無い【内田 愛幸】と言う存在の歪さである。
小さな子や小動物などを可愛いと言う感情は持つものの、それをどうやったら可愛がる事が出来るか本当の意味で理解しきれていない不完全な存在なのである。
人間に似た人間以外の存在の気持ち悪い触れ合いはまだ続くのであった。




