第六章71 【1月3日/初等部4年生活動中】1/【内田 愛幸(うちだ あせち)】の準備1
【天村 能活】や【我柔 稜翔】が、壮絶な修行をしている中、【内田 愛幸】もまた動いていた。
彼は現在、【神】と【悪魔】をその座から追い出して【神魔】となっている存在が人間だった頃の【血と汗と涙の結晶】で出来た【人間もどき】である。
【神魔】に【5周目】の【選ばれし者】の【ルーラー】となる事を命じられた彼だが、【神魔】にも内緒で色々と動いている。
そのため、彼は【神魔】の座を脅かす可能性があるものの1つとして数えられている。
彼は、【夢異世界部活学校】だけでなく、【夢異世界部活学校】のライバル、【何出妄屋】も同時経営している。
【何出妄屋】とは【支店】を訪れた【客】に対して、【人生】の【寿命】や【リスク】、【他の大切な物】、【人間関係】、など何でも【担保】にして、【願いを叶えるアイテム/【神力具】】と言う物を作って売る【商売人】達となる。
【願いを叶えるアイテム】を作り出すにはその【願い】に応じて、【担保】となる物の量や質もそれに応じて必要になる。
つまり、【願い】を叶えるために手に入れるはずやすでに持って居る【他】を捨てる覚悟のある【者】が望みが成就されるという事になる。
それを【神魔】の許可無くやっているのである。
また、現在の立場では、【神魔】の【傀儡子】/意のままに動く操り人形に過ぎない【内田 愛幸】は、【月の揺りかご/ムーン・クレイドル】と言う場所に【神魔】と成り代わるための【戦力】を隠し持っている。
【夢異世界部活学校】にあぶれた者が安易に【何出妄屋】の【アイテム/神力具】に手を出し破滅すると言う図式が成立しており、【神力具】は、その者の願いを叶えるために他の者を巻き込んで強制力を持って実行する。
それを作っている工場が、【月の揺りかご/ムーン・クレイドル】であり、夢破れた犠牲者達の無念の思いを糧に、【異形】がそこで育てられており、それを戦力として、【神魔】に勝負を挑もうと企てていた。
その危険思想が【神魔】にとって【神魔】の座を脅かす【4つ目】/【内田 愛幸】の危険思想として認識されていた。
【ムーン・クレイドル】に居る【異形】とは【赤子】の状態で眠っている。
そして、その【赤子】は、老人の姿をしている。
【老人】から【初老】、【初老】から【成人】、【成人】から【少年】、【少年】から【幼児】、【幼児】から【赤子】と言う様に逆に成長する存在となる。
この【赤子】は、【逆存】と呼ばれる【反人間】である。
【反物質】の様に、ある物質と比して質量とスピンが全く同じで、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質であり、全ての物質を構成する粒子にその反粒子が存在し、それらが出会うと対消滅してしまうとされている。
それと同じ事が人間にも言えて、【反人間】と【人間】が出逢ってしまうと対消滅するとされている。
それを元に、【内田 愛幸】は、【神魔】の真逆の存在、【魔神】を作り出し、対消滅させようと計画しているのだった。
それらについては以前にも語った通りである。
だが、現在の彼には追加情報がある。
【内田 愛幸】の動きはそれだけでは無いのである。




