第六章52 【12月31日/初等部4年生活動中】C3/【祈清】と過ごす大晦日3
【祈清】は、【芳一/虚無】&【唯野 美耶】を自宅に招いた。
彼女はたくさんの特許を持っており、若くして世界中にたくさんの自宅を持っている。
招いたのはたくさんある自宅の一軒であり、【芳一】の住む板橋区だけでも19棟ほど所有している。
その中で【芳一】の自宅に最も近い自宅に【芳一/虚無】&【唯野 美耶】を招待した。
【芳一/虚無】は、13人格ではなく、7人格となっている現在においては唯一の女性人格であり姿も女性である。
【芳一/虚無】は、
『この度はお招きいただきありがとうございますぅ。
でも私で良かったのですか?男性人格の方が良かったのではありませんかぁ?』
と言った。
【美耶】もすぐ側に控えている。
【祈清】は、
「いいえ、貴女が良かったの。
同性として腹を割って話したいと思っていたから選んだの。
それに、思い出として、今日は何か一緒に作れたら良いかなと思って・・・
貴女は結局、【シェリア】か【フェアリア】を選ぶ。
だから私の出る幕は無いわ。
なら、同性として思い出を作りたいと思ったのよ。
そう言う訳だから貴女一択だったのよ」
と言った。
『そうですか。では一日だと作れるものも限られていますね』
「そうね。一日で出来るものを何か出来ないかと思って・・・」
『・・・引き延ばせますよ』
「いや・・・さすがに何日もあなたを独占するのは・・・」
『大丈夫ですよ。今日を【増殖】させましょう。
漫画やアニメで見たことはありませんか?
一日をずっと繰り返す、【無限ループ】。
それを私は擬似的い作り出せますよ』
「え?どういう事?」
『私はこう見えて、7つの人格だと【神謎】に継いで2番目の実力があるのです。
なので、ちょちょいと【パラレルワールド】の時間をお借りして、特定の空間だけ数珠つなぎの様に繰り返して、【時間】を引き延ばす事が可能です。
【時間工作】と言う異能になりますかね?
どのくらい時間を作りますか?
10日分くらいあれば十分ですか?
まぁ、時間が余る事もありますから、【ループ】を止める【スイッチ】を作っておきましょうか?
何が良いですかね?
私達が一緒にお風呂に入ると言う事にでもしましょうか?
そうしたら、ループがリセットされて、その時の時間が現在の時間になる様に設定しましょう。
なので、例えば、ループの時間が午後2時だった場合は12月31日の午後2時に戻るので、そこからは普通の時間が進むって感じの戻り方にしますね。
午後2時からいきなり午後10時とかに戻ったら違和感があるでしょうから、ソフトランディングでゆっくり元の時間軸に戻ると言う形をとりますよ。
どうですか?一緒に時間旅行としゃれ込みませんか?』
「さらっと、無茶苦茶な事言うのね、貴女・・・すでに相当な力を持っているのね・・・」
『警戒なされるのもごもっともだと思いますが、私に悪意は今のところ全くありませんよ』
「今の所・・・ねぇ・・・何か含んだ言い方だけど・・・」
『私の事は信用なりませんか?』
「いいえ・・・一応、信用するわ。貴女がさっきくれた情報のお礼としてね」
『ありがとうございます。・・・それで何を作られますか?』
「そうね・・・貴女、【ゲーム制作部】って言う【部活】に通っているんですってね?
じゃあ、【ゲーム】でも一緒に作って見ようかしら?
それなら少しは貴女の本心を覗けるかも知れないし」
『さぁ・・・それはどうですかね?まぁ、【ゲーム制作】には反対いたしませんが・・・』
「じゃあ、【ゲーム作り】って事でよろしく。
私は素人みたいなものだがら、貴女主体で大まかなコンセプトを考えていただけるかしら?」
『お安いご用ですよ』
「ふふっ・・・」
『うふふ・・・』
と腹の探り合いが始まったのだった。




