第六章41 【12月31日/初等部4年生活動中】A6/【真緒】と過ごす大晦日6
【真緒】と【芳一/弱転】&【美架】は、【真緒】がそれを作りたくても作れないもどかしい思いを吐露した事と【謎】が結びついて、彼女がかつて【芳一】から【原案】を貰って作ろうとした【マイセルフ・エネミー/自分自身の敵】と言う未完成の作品の【世界】に閉じこめられた。
【芳一/弱転】は【真緒】を一刻も早く助けたいと言う気持ちから、あえて脇役に回ると言う選択をして、自分自身の7人の敵を瞬殺し、【真緒】の居る【隔離空間】にまるで白馬の王子様の様に駆けつけた。
だが、ここは、【真緒】が【真緒】の7人の【敵】と戦うための【隔離空間】である。
どんなに強くても【芳一/弱転】はこの世界のものに物理的に影響する行動は取れない。
それでも【応援】や【アイディア】を出すと言う事には参加する事が出来る。
図らずも、【真緒】が【神】と【悪魔】から受けている【罰】の最後の締めくくりイベント、【協力して敵を倒す】と言う状況になっている。
これで、【真緒】が【敵】を7人倒せれば、問題解決し、元の世界に戻れると言うことになる。
しかし、問題がある。
【真緒】の7人の【敵】の内、2人にはモザイクが掛かっている。
それは何故か?
それは、この作品が【未完成作品】であり、【真緒】は自分自身の敵として、5人まではイメージ出来るが、残る2人の【アイディア】が思いつかないのだ。
だから、2人は【モザイク】がかかり、ぼやけた存在になっている。
そのため、そのままではイメージが確定していないので倒せない無敵の様な状態になっている。
一見、詰んだとも言える状況だが、【芳一/弱転】は諦めない。
『え、えと・・・まずは、姿が見える5人を倒すのに集中して・・・』
と【アドバイス】を送った。
そう。倒せない状況の2人は後回しで良い。
まずは、倒せる状態の5人を何とかしないと悪戯に体力などが減るだけだ。
【真緒】は【芳一/弱転】の指示通り、先に5人を倒すつもりになっていた。
まずは1人目。
【泥棒猫娘】である。
これは【盗作】を繰り返していた自分自身を投影したキャラクターである。
これに【真緒】はタックルで突っ込んでいき、そのままマウントを取り、殴り倒した。
【芳一/弱転】の敵はこんなに弱くはないのだが、【真緒】は元々か弱い女子である。
そのため、【敵】のレベルもそれと同等になっている。
次に2人目。
【嘘つき狐】である。
これは、【芳一】に対して、ついていた様々な【嘘】の化身である。
これも【泥棒猫娘】同様に大したレベルではない。
同じ様な戦い方で倒した。
次は3人目。
【臆病亀】である。
これは勇気が持てずに二の足を踏む自分自身を投影したキャラクターとなっている。
【芳一/弱転】も臆病な性格だが、彼の場合は怯えながらもまっすぐに行動しているため、全然違うと言える。
これには、【芳一】を目標とする思いを込めてのアッパーカットで倒した。
次は4人目。
【逃げ足脱兎】である。
これは都合が悪くなるとすぐに逃げ出してしまうと言う自分の嫌な特徴の象徴である。
もう、逃げないと言う気持ちを込めて、【逃げ足脱兎】よりも早く動いて捕まえた。
そしてそのままチョークスリーパーで締め落とした。
次は5人目。
【諦めイルカ】である。
突然出現した海に逃げ帰ろうとする【諦めイルカ】を泳いで捕まえ、往復ビンタで、
「諦めるな私っ!!!」
と言って、倒した。
これで5人。
後2人である。
解らない時は素直に、
「先輩、アイディア下さい。私の駄目なとこ後、何がありますか?正直に教えて下さい。
直しますんで」
と叫んだ。
【真緒】の戦いもクライマックスにさしかかっている。




