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第六章37 【12月31日/初等部4年生活動中】A2/【真緒】と過ごす大晦日2

 【真緒】は【神】を名乗る【天の声】を受けて、淡い恋心を抱いている【芳一】へ自由な設定で、会うことが出来ると言われたが、きっぱりと断った。

 理由はまっすぐに生きている【芳一】に対して、失礼だからと言うことだったが、それに対して、【おめでとう】と【試練をクリアした】と言う言葉がおくられたのだった。

 【真緒】は、

「おめでとうってどういう事ですか?」

 と言った。

 【神】を名乗る【天の声】は、

《【神】を名乗った我が輩は【悪魔】である。

 もし、我が輩の言葉に耳を傾けていたら、そなたには罰が与えられたのである》

 と言ってきた。

 【真緒】が、

「え?ど、どういう事ですか?」

 と聞いた。

 《おめでとう》と言った別の【天の声】は、

《【神】は私です。【悪魔】とのやりとりを見ていました。

 貴女は【金の斧銀の斧】と言う物語をご存じですか?》

 と聞いてきた。

「イソップ童話のですか?泉に落とした正直者の木こりが自分の斧以外にも金の斧と銀の斧を手にして、嘘をついた木こりが自分の斧も失うというあれですか?」

《そうです。それの【神】と【悪魔】バージョンだと思っていただけたら幸いです》

「え?意味がよく・・・」

《解らぬか?では我が輩が答えようではないか。

 お前は罰を受けて、やり直したいと思っているのであろう?》

「え・・・あ、はい・・・その通りです・・・」

《その罰をどうするか?を我が輩と【神】とで決めかねておった。

 お前は、既に反省をし、真面目に生きようとしている。

 だが、それでも罰を必要としている。

 その様なものに罰を与え、なおかつ、お前のためになる事は何か無いか?

 それを思案した》

《そこで、貴女に試練を与える事にしたのです。

 貴女が彼を思って断った【願望】を【罰】と言うことで強制的に与えてしまえば、それは、貴女の言う罰という意味と貴女に与える祝福の両方の意味を持たせる事が出来ると言うことです》

「そんな事・・・それでは罰になりません」

《お前の望まぬ事をしている点でそれは【罰】となり得るのである。

 甘んじて受けるがよい》

「そんな・・・私にはそんな資格は・・・」

《これはギブアンドテイクでもあるのです。

 私と【悪魔】は現在、【神魔】を名乗る男にその地位を奪われました。

 私達が元の威光を取り戻すのは、私達の【神】としての【悪魔】としての【徳】を積む必要があります。

 そのための協力という形では納得出来ませんか?

 貴女への【罰】は私や【悪魔】のためでもあるのです。

 貴女は私達の【頼み】を断る事は出来ません。

 これは【罰】なのですから。

 貴女の意思とは関係なく、貴女の望みの姿で今日は彼と【デート】して貰います。

 よいですね》

「そんな・・・」

 と言う話になったのである。

 【真緒】はこうして、自分の望まぬ事として、自分の理想の姿で、今日一日、【芳一】と年越しデートをする事になったのであった。

 それに【神魔】にその座を追い落とされた【神】と【悪魔】が復権をかけて関わっていたと言う話である。

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