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第六章27 【12月29日/初等部4年生活動中】6/ラスボス?会いに来る?2

 突然、【芳一】の自宅に【世界一の美男子】が訪ねてきた。

 その【美男子】は【芳一】の人生における彼の物語の【ラスボス】的立ち位置に居たが、これまでの【芳一】の選択や行動によって未来は塗り変わり、彼が【ラスボス】として【芳一】と関わる事は無くなったと言う。

 それで、【芳一】の事を気に入っていた【世界一の美男子】/【疎遠になったラスボス】は、本来、こういう【展開】になっていたと言うのを伝えたかったと言ってきたのだった。

 そして、【世界一の美男子】/【疎遠になったラスボス】は語り始める。

『さて、君の人生がどこから変わったか?それをまず語ろうか。

 君は、【9月17日】の事は覚えているかい?』

「【9月17日】?それは確か・・・」

『そう。君が、【都立夢異世界部活学校】の理事長に会った日だ。

 君は翌日、その説明を受け、【都立夢異世界部活学校】に通う様になる。

 だけどね、本来は、そうじゃなかった。

 君は理事長に会った場所に理事長は居なかったはずなんだ。

 そのまま、理事長と会った場所を通り過ぎて、ある【男性】と会う予定だった』

「男性?」

『そう。【男性】だ。女性である理事長では無かったハズなんだ。

 その運命に横から【都立夢異世界部活学校】の理事長が割り込んだんだ。

 つまり、【都立夢異世界部活学校】が君の運命を変え始めたんだ。

 私もね・・・それくらいならまだ修正が利くと高をくくってたんだ。

 私も、思わなかったんだよ。

 まさか、変わってしまった運命の行き着く先が私の手に余るほどのものだったとはね。

 気付いた時には私の力で軌道修正は不可能な所まで陥っていた。

 要するにお手上げ状態になったんだ』

「いやいやいや、話が全然、見えないんですけど?」

『君が本来出逢うべきだった存在と出逢っていたら、君は【名前】と【身体】を奪われて、【唯野(ただの) 芳一(ほういち)】では無くなっていた。

 そして、君の名前と身体を取り戻すために、君は様々な【異世界】を舞台に冒険をしていたんだよ。

 【右腕の異世界】、

 【左腕の異世界】、

 【胸部の異世界】、

 【腹部の異世界】、

 【臀部の異世界】、

 【右脚の異世界】、

 【左脚の異世界】、

 【心臓の異世界】、

 【顔の異世界】、

 【頭部の異世界】、

 【首の異世界】、

 【右脳の異世界】、

 【左脳の異世界】、

 と言う13の【異世界】を冒険して、最後に【名前の異世界】で私と対峙するはずだったんだよ。

 最初の状態の君には【自分】が無い。

 そこで、君を証明するために、君は君の今まで作った【作品】を【力】に変えて私達の用意した試練に挑む・・・ハズだった。

 その冒険に使われる作品は、君が悪徳出版社に奪われた【夢見る少年】と【夢見る少女】よりも以前の物語を再構築した物語だったんだ、本来は。

 そして私のこの姿は君が手にするはずだった最終形態。

 君は【世界一】の【美】を手にするための【冒険】に出るはずだった。

 だが、君は、【都立夢異世界部活学校】へ通う様になり、【夢見る少年】と【夢見る少女】を再構築した物語を含む、出版化を目指す24作品を作り、さらにそれを37作品に増やす事で特別な話として昇華させようとしていた。

 私はそれが興味深かったのでね。

 しばらく放置して様子を見て、途中で私達の物語に引き戻そうと思っていた。

 でも、それも叶わなくなった。

 君は【超越】と【謎】と【出鱈目】と言う私より遙かな強大な壁と向き合う運命と【縁】が出来た。

 【超越】と【謎】が動き、最後に【出鱈目】まで動いた時、私の力で引き戻す事は不可能だと確信した。

 それらには私の力では完全にどうにもならない。

 本当に残念だが私は諦める事にした。

 そして、君の代わりとなる代理を用意したんだ。

 誰が該当したかは君には話せないけど、その者が君の代わりに異世界へと旅立ったよ。

 君と比べるとかなり見劣りするけどね。

 背に腹は代えられない。

 難易度を何段階も落として、挑戦させているよ。

 攻略不可能な冒険を提供しても意味がない。

 成功か失敗かどちらの可能性もある事にこの冒険は意味を持つからね。

 その新たな挑戦者には、君の作品の様な武器は無いからね。

 代わりのもので挑戦させているよ。

 そう言う訳で、私はその者との対峙が待っているのでね。

 君との縁はこれまでと言うことになるんだよ』

「その人は僕の身代わりになったの?」

『身代わりというのは人聞きが悪いな。

 これもまた【夢】をつかむための冒険。

 君の代わりに選ばれた者は夢を追い求める【ドリーマー】さ。

 人身御供じゃない。

 挑戦権を得ただけに過ぎない。

 だから、君が思い悩む事じゃないよ。

 ただ、【夢】と言うものは簡単に手に入るものじゃないからね。

 【夢】に見合った苦労はつきものになる。

 その者はそれを受けているのさ』

 と言う話になったのだった。

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