第六章25 【12月29日/初等部4年生活動中】4/年越しを誰と過ごすか決める4
【真緒】には、【芳一/弱転】/【唯野 美架】のペアを付け、
【シェリア】には、【芳一/武賢】/【唯野 美撫】のペアを付けて、年越しをする約束をしたので、残った【祈清】には、
【芳一/道化】/【唯野 美紗】のペア、
【芳一/虚無】/【唯野 美耶】のペア、
【芳一/神謎】/【唯野 美螺】のペア、
のいずれかで選んでもらうしか無いのだが、彼女も【シェリア】と同じで、17歳の少女(ただし、【シェリア】は前回、まだ16歳である事を告白している。彼女の誕生日は7月7日の七夕であり、現時点においては既に誕生日を迎えている。日本の学校で考えた場合、同学年という意味での17歳と思って貰えれば幸いである)なので、年越しの時に会うのはどうか?と言ったのだが、彼女は、自宅で会えば問題ないでしょ?と言ってきた。
同学年の【シェリア】と会うのをオーケーして彼女と会わない選択をする事は出来なかった【芳一】は彼女とも大晦日に会う約束をする事にしたのだった。
ちなみに【芳一】は、【真緒】、【シェリア】、【祈清】に対して現在、恋愛感情を抱いていない。
彼女達が強く望まなかったら、【芳一】は年越しに彼女達に会おうと思わなかった事を付け加えておく。
また、【真緒】と【シェリア】が【芳一】の言動や表現に感銘を受けた話をしたが【祈清】とは、そう言う話はしなかった。
なぜなら、もう既にしていたからだ。
彼女は【芳一】との話に感銘を受けて、
それまでの【超越】と【謎】に加えて【出鱈目】と言う概念の【定義】をまとめる事に成功している。
故に、以前に彼女から【芳一】の言葉に感銘を受けていると告白されていたのだ。
だから、あえて今日、話す話ではない。
今日話したのは、
【芳一】の【女性目線】の秘密を知りたいと言う気持ちから、大晦日に一緒に過ごすのは、【芳一/虚無】/【唯野 美耶】のペアを選択したと言う事と、【縁】についての話をした。
【芳一】の人生は上書きに上書きを重ねており、本来あるべき未来とは異なる未来に向かって進んでいると言う事を【祈清】は説明し、
「貴方に逢わせたい存在が居るわ。
私の所に貴方に逢わせて欲しいと頼み込んで来た存在が居るの」
と言った。
【芳一】は、
「え?誰と?」
と聞いた。
「本来、貴方の人生の締めくくりに登場する存在。
分かり易い言い方をすれば貴方の人生の【物語】の【ラスボス】になるはずだった存在よ。
【彼】は貴方と逢うのをとても楽しみにしていたそうよ。
だけど貴方の運命は大きく改変されていった。
もはや【彼】の入り込む余地は無い。
【彼】よりも遙かに大きな運命が貴方の前に立ちふさがるそうよ。
【彼】の出番はもう来ない。
そこで、まだ【それら】が動く前に貴方と逢って話したいとそう言ってきたの。
なので逢ってくれない、【彼】と」
「か、【彼】って?」
「逢えばすぐに解るわ。現在私が作った【隔離空間】に入ってもらっているけど、彼が出てくれば周りが黙ってないもの。
表現すれば、世界一美しい女性が【銀髪の少女/フェアリア】なら、世界一美しい男性ってところね。
【彼】の名前をあえてつけるなら【疎遠になったラスボス】や【何者でも無い者】ってところかしらね?」
「え?え?え?ら、【ラスボス】???」
「ここでは【彼】は出せない。人目がありすぎる。
周りの女性達が群がってしまう。
だから、貴方の家に後で転送させて貰うわ。
それでかまわないかしら?」
と言う話になったのだった。
そのまま、2時間弱会話して、【祈清】とも別れて帰宅した【芳一】の前には、【祈清】の言うとおり、【男性版フェアリア】とも言える程の超絶美形の男性が待っていた。
その男性は、
『やぁ・・・君に逢いたくて、つい来てしまったよ』
と語りかけて来たのだった。




