第六章15 【12月28日/初等部4年生活動中】1/選択されていない無効化される歴史1
夜が明け今日は【12月28日 木曜日】である。
この日は【芳一】は今年のバイトの最終日であり、この日も色々あった。
だが、【芳一】にとっていつもと比べて極端な特別な事が無かった今日は趣向を変えてみようと思う。
以前述べた事で、【出鱈目】である【デテメレメテデ】が生み出した、【パラレル・イフ】という【超常現象】を使えば、【東京】に居る【芳一】が【北海道】と【九州】の【旅行】をどちらにするか迷っていたとして、【北海道】に向かう【芳一】と【九州】に向かう【芳一】の2つの現実が同時に進み、予定が終わって【東京】に戻る時、どちらか好きな【コース】を【現実化】させ、選ばなかった方の【コース】が【虚構化/無効(行かなかった事に)】させる事が出来ると言う【現象】が引き起こる。
今日という日をこの【超現象】を使ってちょっと遊んでみようと思う。
選ばれ無かった方の【虚構化】されるものはどんな状態でも可能となる。
例えば、【北海道】や【九州】に行くのではなく、物理的には不可能である【異世界】に行ったと言う事になっていてもかまわないのである。
【現実】と【現実】の間で【現実】に選ばれなかった【虚構】はどの様な無茶な設定であってもかまわないのである。
つまり、【虚構】の世界においては【芳一】が10年前に死亡していて故人になっているという前後の時間で辻褄が全く合わない状況であってもかまわないのである。
と言う訳で、せっかくだから【12月27日 水曜日】と【12月29日 金曜日】の間の【12月28日 木曜日】はその前後とつながりが全然ないあるわけがない【歴史】として表現していこうではないか。
これも、【デテメレメテデ】という何かが存在している事で出来る一種のお遊びである。
しばし付き合っていただければ幸いである。
なお、この設定は【12月28日 木曜日】の失われる歴史にのみ適用される事であり、【12月27日 水曜日】までとは全く無関係だし、【12月29日 金曜日】には引き継がれないものとする。
と言う訳でさぁ、ちょっとした茶番劇を始めようか。
『さぁ~始まりました。
【アカシックレコード・アーク】の人類応援企画。
たった1日の【ドリーム・デー】。
【唯野 芳一さん】。
貴方は今年の【当選者】になりました。
おめでとうございます』
と何者かに【芳一】は声をかけられ、
「は?」
と答えた。
【アカシックレコード】とは元始からのすべての事象、想念、感情が記録されているという世界記憶の概念の事を指し、【アーク】とは【主要な】や【偉大な】や【統治者/支配者/君主】などを意味する英単語でもあり大きな船や箱を指す言葉でもあり旧約聖書のノアの箱舟を指すことが多く、大洪水から生物を救うために建造された船のことを指している。
が、それらとはこれは関係ない様だ。
【芳一】に声をかけたのは何者か?
そして、何が起きるのか?
それはまた、次回。