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『女神は何も裁かない』という、まだ生まれていない世界の備忘録➂

 ☆ 今回、書く予定の世界Ⅱ


 さてさて。

 この世界には『魔王の封印』である、超法規的存在がいます。


 『女神の欠片』(聖堂の不思議な水晶に似たようなもの)をその身の抱いて生まれてくる、『魔導士』と呼ばれる、世界で100人しか存在しない者です。

 彼らは人間の夫婦から人間の子として生まれますが、生まれた時から身体の一部が非常に硬質なガラス様の、白っぽい半透明のナニカで出来ていて、思春期前後に何かのきっかけで、『前世の自分』と『魔導士としての役割』を思い出し……現在の両親に挨拶をして出てゆく、のです。

 魔導士の自覚を持った途端、彼らの身体の一部である『非常に硬質なガラス様の、白っぽい半透明のナニカ』の、多くは目立つ部分に黒で数字が現れます。

 以降、彼らはその番号ナンバーで呼ばれます。

 ひと桁の数字を持つ者と、10とか20とか、十進数のキリ番である魔導士は、他の者より強い魔力と魔王を封じる力を持っているとされています。


 魔導士の自覚を持った途端、彼らの身体は生き物の理から外れます。

 もちろんある程度の水や食料は必要であるものの、普通の人間に比べればごくわずか摂取出来ればOKという、不老長寿(さすがに不老不死ではない)の存在になります。

 『不死ではない』から、魔導士もそのうち死にますし、死んで、器になり得る条件が整った赤子に魂が入って生まれ変わる……というシステム。

 

 魔導士は普通、世界の各地にバラバラに、ある意味気ままに暮らしています。

 王であろうとも魔導士に何かを強制することは原則出来ません。

(礼を尽くした依頼なら可。しかし、そもそも王侯貴族であろうとそこらのおっちゃんであろうと、魔導士にとっては差がないので、行きつけのお店のおっちゃんの困りごとなら快く解決を引き受けても、お貴族様の依頼は蹴ったりします)


 ただ、『勇者』として聖別された者の護衛・教育・監視(勇者と言えども人間、堕落する場合もある)は、彼らの中の誰かが行うのが習いです。

 これに関しては魔導士たちの暗黙の了解で決まるようで、『たまたま近くの村に住んでいた、知り合いだった30番さん(サーティス)にお願いしたい』とかの逆指名は無理です。


 今回のお話の主人公である勇者は、『50番さん(フィフティア)』が、幼少期の教師役としてつきました。

 さばさばした気のいいお姉さん的な彼女(魔導士にとって性別の概念は薄いが、生まれてきた時の身体の性別は一応あり、それによって多少キャラが引っ張られる)に、懐くというか親しんでいた彼。

 このまま彼女が、成人後の彼――勇者として本格的に活動する時の、旅の仲間というかサポート役になると、本人たちも思っていたにもかかわらず。

(魔導士はマストだが、神官であり剣士である聖騎士、斥候役もこなす雑役なども勇者の仕事には付き従うのが普通)

 『100番さん(ハンドレット)』が突然、成人後の彼につくことに。

 突然の魔導士変更に、鬱屈を抱える勇者くん。

 キリ番の魔導士だから、百番はすごい魔導士(少なくとも、無尽蔵に近い魔力持ち)なのは確かですけど、彼?(百番は性別不明な感じが半端ない)は、戦闘中は基本『強化バフ』『弱体デバフ』、戦闘後の『回復ヒール』くらいしか魔法を使わない、のです。

 50番さんが様々な攻撃魔法を自在に操っていたことを思うと、勇者くんはモヤモヤします。


 コイツさ、手ェ抜いてない?

 なんか俺ばっかり、苦労させられてない?


 的に(笑)。

 おかげで、実戦を通じメキメキと実力をつけてきている実感はあるものの、100番への不信感はうっすらと持ち続ける勇者くん。

 そこへ、風の噂として50番の寿命が尽きかけていると聞き、急いで王都の大神殿へ戻る勇者くん。

 瀕死に近い彼女に面会し、涙する勇者くん。

 50番さんは、死ぬ前に勇者くんに会えた事を喜びます。

 そして彼女は、最後のお願いを聞いてくれないかと、どこか後ろめたそうに目を伏せ、口ごもりつつ言います。

 俺に出来ることなら何でもするという彼へ、50番は薄っすら笑って……。


 その瞬間、彼女は100番の放つすさまじい雷撃を受け、今回の人生を終えてしまいます。

 勇者くんは怒り狂い、


100番(ハンドレット)! お前は追放だ!」


 と叫んでしまいます。

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