『女神は何も裁かない』という、まだ生まれていない世界の備忘録①
かつて、世界を滅ぼしたモノがあった。
便宜上、そのモノを魔王と呼ぼう。
ある時から魔王は、すさまじい否定と絶望に囚われ、己れ自身を含めたすべてを完膚なきまでに消滅させようと熱望した。
しかし、魔王がどれほど桁外れのすさまじい力を持ち、その力ですべてを破壊し続けたとしても。
数多ある世界の、完全なる消滅は不可能だった。
すでに『在る』モノを完全な虚……つまり完全に『無い』という状態には出来ないのだ。
今『在る』モノを破壊しつくそうとしても、『在る』ことの否定は不可能。
どれだけ細かく粉砕しても無に至ることはない、ただ形を変えるだけ。
つまりすでに『在る』モノを完全に消し去るなど、神と呼ばれる存在であっても不可能なのだ。
わかっていても魔王は、すべてを消し去ろうと躍起になった。
永劫とも言える長い長い、果てしない破壊の果て。
ついに魔王は動けなくなり、深い眠りについた。
破壊衝動と狂気の中、おそらくわずかに残る彼の理性が、完全なる消滅が不可能ならば、目覚めることのない己れの眠りの中に救いを求めたのだろう。
眠る魔王のそばへ、別次元で魔王を静観していた神々は戻り、祝福という名の封印をほどこした。
それぞれの神がひとつずつ、祝福という名の封印をほどこした。
大地の女神を信仰するこの世界でも、とある封印が魔王にほどこされている。
生命の循環の中で生まれ出る、女神の欠片を身の内に持つ者たちによる封印。
百の『魔導士』と呼ばれる存在が、魔王を眠らせ続ける封印の役割を果たしている。
しかし、すべての『魔導士』が死に絶えた時、魔王は覚醒すると伝えられている。
彼自身すら望まない彼の覚醒がやがて、この地を破壊し尽くすであろう……と。
……こんにちは、こんばんは。
なんだなんだ、この厨二な臭気プンプンただよう寝言は(笑)。
実はこれ、まだ一文字も書いていないお話の、バックボーンになる設定でございます。
シリーズ?の本編と言える物語の名前はおそらく、『女神は何も裁かない』になるでしょうが、今、腹案にあるのはその前日譚ともいえる『追放』もの、あるいは『もう遅い』要素のある話になるかと思います……マジか(笑)。
アンタ、かわかみれいだよね?
……無理じゃね?
(本人が言うなw)
大体『追放』ものって、今でもまあまあ、需要あるかもしれませんが。
旬は過ぎていてそろそろ手垢がついてる、テンプレでは?
いっそ『婚約破棄』までいっちゃえば、すでにラノベ界では様式美といいますか古典といいますか、すでに数多の作者様がヴァリエーション豊かにこのテンプレを展開していて、かわかみれい如き?でもしれッとまぎれ込めそうな、懐の広さを持っているような気もいたします。
一応『婚約破棄』系のお話の腹案もなくはないですけど(笑 マジか)、今回は『追放』『もう遅い』っぽいのを、のたのたであっても書こうではありませんか! 私!
今年度初日の活動報告で挙げた努力目標のひとつ『① 今までと違うことをしてみよう!』を、今こそ本格的に取り組むのです!
……と。
心で宣言をしてみましたが。
どこかビビッているらしく、なかなか前へ進めません。
自分へ発破をかける為、この誰得な設定話をぼちぼち綴って、作者自身でも明確になり切っていない世界観や設定、腰を入れてじっくり眺めてみます。
この、行き先不安定な設定を眺める旅に、ご同行いただける方がいらっしゃるのならば。
お付き合いいただけると幸甚です。
よろしくお願いいたします。




