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『やがてキュウ』の世界設定④

⑤ 思ってたのと違う……。


 主な登場人物の設定は、以下の感じで。


☆ 角野エイイチ(かどの えいいち)

主人公。またの名を『イレイサー・スイ』。

二十代半ばほどの青年。

現実世界の裏側にある、現実世界を歪ませる『darkダーク』を消滅させる力(イレイサー)を持つ。

かつて救えなかったとある人のことが、根深いトラウマになっているらしい。


☆ 管理者・ゼロ(かんりしゃ・ぜろ)

上位存在により派遣されている、『現実世界』というシステムを保護する存在。

冷ややかな美貌の、妙齢の女性という見た目。

『現実世界』の生き物(主に人間)からイレイサーを見出し、共に戦う。

スイからは『管理人』、エンからは『キョウコさん』というあだ名で呼ばれている。


☆ 九条マドカ(くじょう まどか)

またの名を『イレイサー・エン』。

高校一年生の気弱な少年。

漫画好きの両親の影響で古い漫画やアニメに詳しいが、同級生たちには黙っている。

スイのバディになれる才能の持ち主(力を結界状に展開できる)だが、本人としては当然、『イレイサー』などという変な役割など不本意で、物語の中盤くらいまでやる気がない。

綺麗なお姉さんが好き♥


☆ 安住幸恵あずみ さちえ

『理数同好会』会長の高校三年生。

長い三つ編みおさげという、古風で大人しい雰囲気の優等生で、すらりとした眼鏡美人。

マドカを同好会に勧誘する。

どうも、スイとは浅からぬ因縁がある様子。


☆ エチサ(えちさ)

幸恵によく似た、しかし正反対の雰囲気の少女(少女の姿をしたナニモノカ)。

スイの宿敵ともいえる存在の、『最新の姿』らしい。


《2023 5/9の活動報告より》



 うん……まあそうだよね。

 作中の皆さん、そんな感じのキャラだよね。

 間違ってはいないよ、うん。

 でもね……思ってたのと違う、のは何故??



 えーと。

 今回の作品は、舞台とかバックボーン的なシステムなどなどのハード面は主に監督わたし、小道具含めたソフト面を役者さん(キャラクター)主導で、即興で組み上げる(ぶっつけ本番的な芝居で演じてもらう)という方式で、書き上げました。

 なかなかエキサイティングでしたし(といっても、やはり私がしゃしゃり出てきますから、ある程度は小賢しく芝居を整えてしまいますけど)、芝居(お話)そのものは、とても楽しんで書けました。

 そのかわりに欠陥として、お客様の顔をろくに見ず、ある意味趣味丸出しで突っ走ってる感は否めませんが。

 今回は、そこはまあいい、ということにします。



 『思っているのと違う』感が一番強かったのが、実はメインキャラ中のメインキャラである、ヒーローの『スイ』くん。

 私としては彼は基本、二枚目的な役どころかと思っていたのですけど。

 かわかみ史上指折りの『ハードボイルドな二枚目ヒーロー』かと思っていましたけど。


 ちなみに、かわかみ作品中で一、二を争う二枚目ヒーローは『輝く星になれ』の尊くん(← バリバリ硬派のヤンキー少年)。

 あるいはラクレイド話のトルニエール・クシュタンもしくはレライアーノ公爵。次点でマーノ。

 まあ、少なくともその程度は、スイくんも二枚目かなと……。


 しかし。

 実際に演じ始めると、スイくんは『キリコ的なハードボイルドヒーロー』というよりも『単に癖の強い残念ヒーロー』であり、『コブラ的な愛嬌がある』というよりも『ちょっと天然がかったお間抜けさん』であることが判明してしまいました。

 じゃあ『イメージと違う!カット!』と芝居を止めて、ダメ出しすればいいのですが。

 何といいますか……それはそれなりにと言いますか彼は彼なりに筋の通ったと言いますか、そんな芝居をガンガン熱く演じてくるので、結果的にダメ出ししませんでした。

 彼というキャラの抱えた欠落の大きさ・歪さに、作者はびっくりすると同時に魅力を感じてしまったのです。


 強いて例えるのなら。

 『ガラスの仮面』の『北島マヤ』演じるところの、『たけくらべ』の『美登利』……は、褒め過ぎか?


 でも彼に引きずられるように、他のキャラも化学変化を起こし始め……それはそれなりに『説得力のある芝居(ものがたり)』に、メタモルフォーゼし始めました。

 特にスイのひとり語りでほぼ埋め尽くされている『5 サチエとエチサ』で完全に化学変化は終了し、お話の方向性と各キャラクターの微妙な方向性が決定付けられました。


 『やがてキュウ』って、こんな話だったんだ!


 と、作者である私が驚いたものです。


 もちろん、元々からこの流れそのものは、私が設定していました。

 さすがに細かいところまで詰めてはいませんでしたが、『サチエとエチサ』のエピソードが、スイの心に大きな影と罪悪感を落としている設定でした。

 でも……こういう形(スイとペルソナの問題)だとは、思っていませんでした。


 この歪な物語を追いかけたくて、キーボードを叩く手が止まらなくなったのがおそらくこの頃。

 こんな危なっかしいおっさんに任せてられるかと、無意識のうちにマドカ君がしっかりした?のも、クールビューティ風の管理人さんが、黄泉の女神(おかーちゃん)ぽくなったのも、スイの芝居から派生した化学変化です。


 舞台あらしだわ。スイ、おそろしい子!(白目)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 物語の種は数多くあれど、数学の宿題から物語をつむぎだす方はなかなかおるまい。(笑) [気になる点] エイイチが主人公かあ。 どちらかといえばマドカが主人公で、エイイチは「デキる先輩」枠に思…
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