『やがてキュウ』の世界設定②
② 新しい試みを
『やがてキュウ』を、骨子と冒頭だけで放置していた二年。
その間、別に私も何もしていなかったわけではありません。
止まっていた連載を完結(『たとえ、形代であったとしても。』です)させたり、エッセイを書いたり、まあそれなりに活動をしていました。
あっちいけ様の『拾ったスコップで採掘日誌』に参加表明していた拙作『護衛官マイノール・タイスンの誓い』で、ぶん殴られたり(笑)も。
リアルSideでも、色々と変化がありました。
両親の介助等が出てきたのは、特に大きな変化でしたね。
精神的にも肉体的にも余裕がなくなり、お話を書くことからも遠ざかっていました。
書きたい気も書く気もあるんですがね、リアルの生活と同時進行に創作活動へ体力気力を振り向けるのって、余裕がないと難しいです、私には。
甘えてますが、元気がないと元気に創作はしにくいものです。
『創作が出来る』って、とても贅沢なことなのだと改めて思いました。
両親関係がそれなりに解決し始め、どうにか余裕ができ始めた私。
書く気がそろそろ復活し始め、腹案の中で何を書こうかな~と思っていた時。
候補としては純文もしくはヒューマンドラマ枠の超絶地味作(予定)『新盆の夕餉(仮題)』、あるいは誰得的な暗いハイファン(予定)『女神は誰も裁かない(仮題)』、もしくは……。
「……おい」
フィオリーナ王女の青春記・『紺碧のふところ(仮題)』も、そろそろ詰めてみたいし。
そうそう、ラクレイド話の超サイドストーリーとして、国王秘書官エミルナール君と王女殿下の語学の教師であるドアマットヒロイン的な令嬢との、異世界恋愛カテに入りそうなお話とか……あ、でもこれは中編未満かな?
「おいこら! 無視するなよ監督!」
んんん?
「お前さ、大事な物語をほったらかしてね?」
げげ。君はスイだね。『Darkness~やがてキュウになる』の。
「ヒトを、冒頭シーンで立たせたまま二年も放置しやがって。いい加減、続きを演じさせろ!」
あーでも。台本が出来てないんだよね。
一応の流れと言いますか、そういうのはあるんだけどね。その流れとかエピソードを、有機的につなぐナニガシカが……。
「ソレ、いつ出来んの?」
ええっと~。
「もういいから、とにかく演じさせろよ! 台本台本って、大した台本書けねえくせによ」
あ、こら、君! 本当のことを言えばいいってもんじゃないでしょ!
「そーゆーツマランことに拘ってるから、スコップ氏に『デウスエクスマキナに操られてる感があって、意外性や面白みに欠ける』的な苦言を呈されんじゃねえの?」
ぐうう! つうこんのいちげき!
かわかみれいは瀕死!
……というのは冗談にせよ。
役者さん側(つまり、キャラクター側)からの熱のあるアピールにより、監督さんとしては一抹以上の不安を抱えつつ、『Darkness~やがてキュウになる』開演決定。クランクイン!
さあスイくん。
そこまで言ったんだ、キーボードを打つ作者の手が止まらなくなるくらいのいい芝居して、あるいは他キャラからいい芝居を引き出して、監督でさえ意外性に満ちた、いい話にしておくれ!← これはフラグ?
でも……大丈夫か?
少なくとも『なろう』で連載する長編としては、私としては初の試み
『あらすじと流れ以外は台本なし・役者の即興で芝居を繋ぐ』
という書き方で、芝居の幕を上げました。




