たとえ、形代(かたしろ)であったとしても。の世界設定③
Ⅲ 厨二病の神様の最後の希望……もやっぱり。
始祖大御神の最後の望みで生まれた『大白鳥神』。
真白の身体に真白の翼、燃えるような緋色のくちばしに冴え冴えと輝く黄金の瞳を持つ神の鳥です。
かの神が死に覆われた静かな大地に降り立つと、冥府で憩う魂の内のいくつかが、まばゆい光に誘われるように現世へ戻ってきました。
「神の鳥よ。我らは身体を失くし、長く冥府で眠っておりました。しかし貴方様の光を浴び、再び現世で生きたいと思うようになりました。何卒我らに身体をお与えください。そうすれば未来永劫、我らは貴方様に従います」
大白鳥神は少し考え、うなずいて答えるには
「承知した。しかし我は独身の神。我の霊力を二つに分け、契って子を成そう」
大白鳥神は二柱の神になるようその身を別け、よばいして子を成し……生まれた子を器として冥府から目覚めた魂に与えた、と、伝えられています。←設定
……ツッコミどころ満載ですけど、まあその、神話ってこんな感じですよね?(言い訳)
始祖大御神の最後の希望である大白鳥神も、結構な病み要素あふれる神様です。
まあ、他に伴侶になる存在がないんですから仕方がないんですけどね、自分同士で番って子を成すのかい?
気持ち悪い設定だな、誰が考えたんだか。←私…
まあ、この設定は、『王族は近親婚でなければ力を保てない』というお約束の、ベースとして設定したのですけどね。
この設定を元に、下書きを兼ねてこの世界のクロニクルを書きながら私は、とことん内へ内へとベクトルが向いてイーッとなる、閉塞的な世界だよな~と改めて思いました。
いえその、嫌いではないのですが疲れます。
(ちなみに縹の御子のエピソードは、書き出したクロニクルの中でも比較的、外向きなパワーを感じさせるストーリーになっています)
この世界の最終的なカタルシスまで書くかどうかは不明ですけど、この『とことん内向き』の果てに人が神の設定した軛を超える、というイメージがあります。
厨二要素全否定はしないけれど、厨二だけでは生き辛い……そういう、ちょこっと大人になった私の気分が反映された世界観だったのかもしれないなと、今、改めて私は思いました。
少し短めですが、キリがいいので今回はこの辺で。




