表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/29

月の末裔関連の世界設定③

Ⅱ リアルの隣にあるファンタジー


 さてさて、バックボーンは出来ました。


 まず『月の神の氏族』世界の話。

 見えてくるこの氏族のクロニクル中、1990年代前後の時間軸での物語を組み上げ、ガリガリと強引に形にしたのが『色彩(いろ)のたゆたい』世代の『月の末裔(当時のタイトルは違っていましたが。明生とるりの母・めいさんがヒロインです)』。←ややこしい…。


 出来としては色々とその、アレで、問題アリながらも一応形になったので公募に出し……、あえなく撃沈。

 当然の結果ですが、せめて一次は通りたかった若き日の私。

 哀しかったですね~。

 少なくともお話のバックボーンは、ナカナカいいんじゃないかと自画自賛してましたから(笑)。


 ……(無自覚)設定厨は、設定に酔うのですよ。

 『月の神の氏族』とかのアイデアや設定(その部分で一次くらい通るのでは?と、甘いこと考えていました。お恥ずかしい)くらいは認めてほしかったのです(失笑)。



 しかし。

 もうひとつの、私としては思い入れ深い世界・『大阪弁で語る土着ファンタジー』つまり『クサのツカサ』の方は、何故か形になりません。


 いえね、アイデアは出てくるんですよ。


 主人公は中学二年生の少年・結木碧生で、書道に打ち込んでいるちょっと浮き世離れた子。

 主人公のライバル兼親友ポジションの少年である、ナンフウ。

 地元に古くからあり、今でもひっそりと大切に守られている、神様からもたらされた泉・おもとの泉。

 泉を守り、少年たちを導く地元の大人たち。

 怪異と紙一重ながら、少年たちに親しみを持っている愛嬌のある妖怪的存在。

 水の神……この土地の地下水脈が神格化された『オモトのミコト』。

 『オモトのミコト』つまり水脈に育まれたことで、自然と『オモトのミコト』に従うようになった草木の精霊たち。

 その中から現れる、自らの強い望みでヒトとして暮らすようになる歳を経た木霊たち。

 そして……主人公の初恋の人であり、彼が通う書道教室の先生の遠縁にあたる、美しい娘さん。


 でも各エピソードはバラバラで、何というのか……有機的に繋がらない、のです。

 ここから長く『大阪弁で語る土着ファンタジー』は、私の中で未消化のまま、頭の隅に置かれることとなったのです。

(心の中で中島みゆきの『地上の星』が流れるww)



 さてさて。

 この二つの世界線?を、頭の中で行ったり来たりしていくうち、かわかみは閃きます。

 これって……同じ次元に存在する『私謹製・ふんわり設定日本神話を持つ日本』の、それぞれ別の地方のお話では?と。

(再び、『地上の星』が心の中で響き渡る)

 『クサのツカサ』の結木くんが、『月の末裔(るりヒロイン・明生ヒーローの、不健康なメリバエンド版。書く前にエタりましたw)』の主人公ちゃん、彼女にしたいな~とか言い出すようにもなってきます。


 ここで初めて明確に、『生と死の狭間』あるいは『神の庭』と呼ばれる、心の最奥にして『死』に一番近い場所、そして己れにだけ知覚できる神(であると同時に自分自身の一番崇高な部分)との対峙の場が、私に見えてきました。


 それまでナアナアだった『月の神の氏族が、他人の夢に確実に干渉できる場』とか『オモトのミコトと明確に意思の疎通ができる場』が、くっきりと私に見えた瞬間です。


 生と死は、現と夢の在り様に近い。

 漠然と思っていた私の個人的な感覚が、お話の装置としてひとつの形になったのです。

(最大級に盛り上がる『地上の星』ww)



 ……おちゃらけはこの辺で(笑)。


 生と死、現と夢。

 現実のすぐ隣に不思議(夢幻(ゆめ))は存在し、生きている者は次の瞬間、死ぬ可能性がある。

 かなり若い頃から私の中にある感覚です。


 夢幻や死は、現実がイヤで逃げる為の都合のいい世界でもなければ、逆に絶望の世界でもない、と。

 現実のすぐ隣にあり、行こうと思えばすぐに行ける、だけど行けるからと軽い気持ちで行くと帰れなくなる世界、つまり本当の意味で『人間』ではなくなる、生半可に関わると取り返しがつかなくなる世界だと、かなり若い頃から私は、漠然と思っていました。


 夢幻や死と静かに対峙し、きちんと受け入れられる器を持つには、現実をきちんと生き、成熟する必要があるとも思っていました。


 我ながら嫌味なくらい優等生的な発想だと思いますが、そう間違っていないと今でも思っています。


 私が(ハイ・ローにかかわらず)ファンタジーに惹かれるのは、その辺の感覚を上手く言い表わせるからかもしれません。


 ……でもね。

 ここまで煮詰まってきてもこの二つの作品、いい感じに形になってくれません。

 まだ何かが足りない……のです。(プ○○ェクト○ーックス!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 設定を評価しての一次突破が ><。 プロジェクトXなつかしいですね (*´▽`*)
[一言] 『地上の星』が大活躍!!www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ