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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ゲバドゲスティア建国魔王討伐日誌

作者: ヴァリさん

突然だが俺のことを紹介しよう!


俺はダレン・マカストロノフ!


ピチピチの23歳で職業は勇者!


趣味は賞金稼ぎと単純作業だ!



なんでこんな奴が勇者なのかって聞きたそうだね?

よくぞ聞いてくれました! 褒美に日誌をやろう!



じゃあ、読み上げるからな? ちゃんと聞いとけよ。







1にち目  はれ


突然だが庵の名前を紹介するぞ! 俺はダレン・マカストロノフ!


神とかいう奴に世界を救えと言われたので、勇者になってみちゃった22才だ!


どうやらこのゲバドゲスティアには、邪悪な魔王が生まれるらしい!

その名も真魔王ドルドボルディア!


邪悪なシの魔法を操り、周囲の人々を腐人種に変えているドクズらしい!


そして気になったから聞いたんだが、真魔王とは普通の魔王を生み出す能力を持った覚醒した魔王種のことらしい!


いや、らしいらしい神に聞いてばっかじゃねえか! 学もないのに魔王なんて倒せるわけないだろ! いい加減にしろ!



とにかく手切れ金? 着手金? として絶対王剣ロト14とかいう剣と、

魔導鎧・覇王の薔薇とかいうのをくれたので、やれるだけはやってみようと思う。




2日目  雨。 キノコが天井裏に生えていた。


先に説明しておくと、神がくれた荷物はまだあった。


というか朝見たら増えていた。



ダテグラ=ライブラスというモノクルが入っていたから、とりあえず装着してみたんだ。

すると、文字が書ける書ける!


思ったより普通で何だか煮え切らない気分だが、旅に出ろということらしいので旅に出ようと思う。


明日からな!



三日目 雷雨  天井裏に生えてるキノコは毒だった


おはよう! 今俺は最悪な気分で旅をしている!

昨日王都ゲボゲロスティアを発ったんだが、どうやら昨日煮て食ったキノコが当たったらしい!


偶然スライムと出会ったからよかったものの、それがなければ野原で腹を壊すところだった... 危ない!


さっきはヘビーミノタウロスとかいう守護級魔物を絶対王権ロト14で倒したところだ。


この剣、すごいところが、触れただけで相手の装備品を消す効果があるらしい!


金ピカの装備をしていたミノタウロスを一瞬で丸裸にして倒してしまった!


守護級魔物だからか、倒したら空から大量の紙が降ってきたんだが、どれもはずれとか書いていてバカにされてるみたいだった。


倒したら抽選会でもやるのかね?



早速だが魔王とかいう奴に出逢っちまった!


その名も魔王ワルカナイ! スライムの魔王で、気色悪い奴だった!


絶対王権ロト14で装備を切り裂いてやると天井のシャンデリアで殴りかかってくるし、撃ってくる魔法を魔導鎧・覇王の薔薇で防ぐとなぜか防御を貫通してきて痛いし、

最初からこんなふざけた魔王に当たるのかと思ったぜ!


まあ、偶然顔に魔法が当たったところ体力がなぜか回復してしまったから、

そのまま神聖審判(これは途中で開発した魔法だ! 絶対王剣ロト14で雷を受け止める技だぞ!)


で倒したんだがな!



四日目  呪い 水筒の水が呪われていた


そんなこんなで街を支配する悪徳領主・ダースストマックスとかいうガチムチ男を棒たおしで撃退した後、謎の奴隷・ミスタがパーティーに加わった!


やっぱり勇者といえばパーティーが必要だったし、ちょうど良かったと思う。


ミスタはドラゴンナイトという職業で、種族はアメーバ、趣味はつつもたせ、身長は167、体重は37、スリーサイズ78/83/2643...らしい。


なんかおかしい数値なんだが、その理由は下半身をわざわざスライム状にして計測を邪魔したからだ!


どうしても測らせたくないらしいので、ダテグラ=ライブラスで無理やり測ってやったらこうなった。


今では非常に反省している。




それはさておき、第二の魔王・アサナマラと第五の魔王・カタハヤを名乗るどう見ても人間とドワーフのコンビが商店街で襲いかかって来たんだが、これが恐ろしく強い!


カタハヤは疾風斬とかいう燃費のバカ良さそうな攻撃で嫌がらせをしてくるし、アサナマラは煮えたぎったハンマーを無限に召喚して襲いかかってくるのだ!


街の人に被害が出ないようにミスタに守ってもらったんだが、その方法がかなり凄かった事は内緒にしておこう!


絶対王剣ロト14の持つ真の力?を解放する事で周囲の金目の物が全滅し、火山が噴火した後みたいな惨状になった代わりに、


二体をまとめて吹き飛ばすことに成功したので助かったが、もうこんな場所で魔王と関わり合いにはなりたくない!


それにミスタは今回の防衛で体積の120%を失ったとか言って、肩に乗っかったまま全く動いてくれない!


なんて日だ! さっさと真魔王ドルドボルディアを倒さないと毎日こんな拷問を受けるハメになるのか! 許さねえ!



五日目 もっと呪い 占い師によると呪われているらしい


朝、襲いかかってきた魔王11人を極刑架グレーラン(これは真落伍家こと吸血大魔亭・マスターフジヤマを自称する馬鹿魔王の持ち物だ)

で魔導回路ぶっこ抜きの刑に処した後、


強欲王・ガマギンチャクを名乗る空飛ぶ金魚魔王

の腹を掻っ捌いて爆誕(比喩)した白い悪魔ことジャクソン・ザ・ラッパーが仲間になった!


ラッパーの名は伊達ではなく、破壊的音楽で相手の脳を破壊し、廃人にさせることができるらしい!


それに13歳という割には多彩で、占い・絵本の読み聞かせ・孤児院経営・おうたのおねえさん・民族料理・社会学・作詞・作曲・ジャクソンととても優秀な仲間だ!


さっきはミスタと協力して咽頭ひり出しアタック(仮称)を第四魔王にぶちかましたところだ。


出現した瞬間ジャクソンのやかましい音楽性と敵の極低ボイスの不一致によって名乗りが全く聞こえなかったので、第四魔王というのも推定だ!


途中通った砦で真魔王は魔界にいるとかの情報が手に入ったので、こいつを脅...説得して明日までには向かおうと思う。



六日目  岩盤  魔界は大規模な地殻変動で潰れるらしい



魔界に乗り込んだはいいものの、周りに何もなくて困っている。


だって、目の前に明らかにサイズ感のおかしい城が建っているだけで!周りに何にもないんだぞ!


罠しか疑わねえよ!


空から岩盤は降ってくるし、当たったら当たったで魔導鎧・覇王の薔薇が岩に突き刺さって抜けなくなるし、明らかに魔王が住める場所じゃない!


しかし行く場所がないのも確かなので、城に入ることにする。




城の中では反政府勢力みたいな横断幕を持った連中がクーデターを起こしていた!


彼らの言うことには、突如魔界を主権国家として建国を始めた、真魔王の掲げる『労働・配給・生活』の三つの柱という政策が気に入らないらしい。


真魔王は適切な労働に適切な報酬を与え、個人の生活を守ることを信条にしているらしいが、

反抗勢力の意思は『破壊・略奪・寝食惜しんで』の3大バカ憲法のもとに成り立っているため、全く近代化が進んでいないように思われる。







...とジャクソンが言っていた!

そんなことがわかっても結局は真魔王を倒す必要があるので、ありがたく趣味の悪い金品を吸収した絶対王剣ロト14の真の力で、城の天井をぶち抜いた!


やはりデカい建造物は破壊して進むに限るので、玉座の間らしき趣味の悪い部屋に直接お邪魔しようと思う!


何を思ったのか名乗りも聞かずに玉座の真魔王にダイレクトアタックしかけたミスタを無理やり止め、名乗りを聞くことにすると、

名前はドルドボルディア、職業真魔王、肩書代表取締役、年齢1/61歳、身長150、体重30+45(角の重さ)+185(服の重さ)、スリーサイズ70/60/65、趣味アブラケタブラ、お○あさんといっしょ、お子様ランチ、ETC...の代金直払い


らしい!


とりあえず趣味がやはり死の魔法で不穏だったので、神聖審判を喰らわせ、ジャクソンとミスタのロボトミー震拳を挟み、絶対王剣ロト14で斬りかかり、装備を消滅させた!


それでも倒れない真魔王・代表取締役のドルドボルディアに攻めあぐねていると、突然激しいベルの音が狂ったように鳴り響いた!


両者ともに警戒する中、大量の紙と同時に一枚の黄金に光る紙が降ってきた!


内容を書き写すと、『当選おめでとうございます! この度のご入金により天井額を無事達成し、100%当選ガチャを実行させていただきました! 景品として純金の5円玉2億枚を贈呈します!』と書かれていた!


内容はよくわからなかったが、とにかくとてつも無い量の金目のものが手に入ったことが分かったから、それで真の力を使ってみたんだ!


剣先から発射された光の断層は真魔王の角を切り裂き、真魔王の全身から侵入して細胞分裂しようとしていたミスタの体積の150%(当社比)を消し飛ばし、ジャクソンの自前アンプに取り憑こうとしていた幽霊魔王・ゲドルグルバルゲロゲロゲをその場のノリで浄化し、反抗勢力・反政府組織フジヤマプロテストの副長で真魔王の座を狙っていた蠅魔神・ベルゼバブーを余波で幼児退行させ、




つ い で に 魔 界 の 岩 盤 を 支 え る 天 空 塔 を 破 壊 し て し ま っ た の だ !





今、岩盤が落ちてきているところで、かなりどうしようもなくなってきている!


何を考えてやがるんだあの神は!!


こんなときに日誌を自動で執筆する機能なんてつけてるんじゃねえ!!

そもそも絶対王剣ロト14の威りょ










七日目 晴天の霹靂 家の床下に埋まってたタケノコは毒だった



昨日歴史を揺るがす大事件が神の采配ミスによって起こったばかりだが、一応世界は救われたらしい!


死の魔法が趣味の真魔王は、魔力源の角を失ったことでただの大変危険な魔王になり、世界を滅ぼすらしい!


そして世界を救った俺はというと、今賞金稼ぎをやっている!

業務内容は至極簡単!


各地の魔王や魔神の拠点、人家に侵入し、壺を割ったり、タンスを無断で開けるだけだ!

この仕事はジャクソンに教わったこともあって、走り出しは順調だ!


七日で世界を救ってしまったので残り300ページほど空きがあるが、既にミスタの破滅的な暗黒お絵かき専用紙と化している!


ミジンコが消防車に乗って人間を攻めている絵や、

金髪(?)のゾウリムシと真っ白なドラゴン的な異星人が戦って、ドラゴンが負けそうになって不意打ちをして自滅する4コマ漫画などが書かれていて、もう何かを書き込める状況じゃない!


おいまだ書いてる途中だぞ! 入力に割り込むな! やめろうわ


かゆ

   うま






ハァ、ハァ...長いぞこの日誌!

神が変な機能つけたせいで余計な部分まで入ってるじゃねえか!



ということでだ! これが勇者マカストロノフの冒険譚! どうだ、面白かったか!



何か神がまた世界が滅びるとか言っているから、もしかしたら二冊目が書店に並ぶことがあるかも知れないな!


買えよ? 買わないと今着てる服全部外れクジに変えるからな! 覚悟しとけよ!





また会おう! 最後に言っておくが、俺の名は突然だが俺のことを紹介しよう!


俺はダレン・マカストロノフ!


ピチピチの24歳で職業は勇者!


趣味は賞金稼ぎと単純作業だ!


二度目になるが、神が今度は混濁魔泥セメダインで真魔王の口を封じてこいと...




Fin.

勇者マカストロノフ:自他共に認めるゲス勇者だが、選ばれたからには一応魔王を倒すなど、善良で素直な人物。


あまり教養はないので、口が悪かったり漢字が書けなかったりする。



ミスタ:アメーバ族の女性(?)アメーバ。 スライムを凶悪にしたような生態だが、一応亜人種。


色は白と銀色の中間で、半透明。炭酸の泡のようなものが体内で弾けている。(分裂している)


技のほとんどが内部攻撃か消化。

商店街で魔王と戦った時は大きく広がって攻撃を捕食していたが、普通に一般人は余波で何人も気絶していた。



ジャクソン:サングラスをかけて成金みたいな格好をしているラッパー。 

さまざまな分野に才覚を示し、13歳にしてカリスマ的音楽少女となってしまった。


破壊的な音楽で精神を崩壊させることを楽しんでいるが、相手が魔物でなければ近所の頼れるお姉ちゃん。



真魔王ドルドボルディア:生後6日の覚醒した魔王。

頭と同じぐらいでかい紅色の山羊角が生えた幼女で、魔王は口から吐き出す。


魔界でホワイト国家を作ろうとしているが、極度の破壊思考を持つ魔族に反抗勢力まで組織されてしまっている。


しかしやろうとしていることは世界征服と死の魔法の蔓延なので、実際はかなり民衆と気が合うと思われる。



絶対王剣ロト14:見た目は正統派の儀礼剣だが、淡く黄金に光っている。


金目のものを斬りつけることで勝手に電子マネーに変換し、しかも宝くじを抽選させられる。

くじの抽選で当たりが出ると、たくさんお金が出てくる。


真の力を解放することで周囲の金目のものを吸収し、エネルギーに変換してビームを放つ。


実は神聖審判は雷を剣に誘導することで、その軌道上に相手がいると雷に打たれるだけの技。

なので、この剣ではなく、主人公の謎能力。



魔導鎧・覇王の薔薇:全体的に尖っていたり、角のようなものが生えている鎧。真っ赤なマントもセットでついてくる。


物理攻撃に対してスパイクを生やすことでカウンターを行い、魔法攻撃に対しては威力を反転する。


第一魔王ワルカナイが放った技は回復魔法だったので、主人公は鎧のせいでダメージを受けていた。



極刑架グレーラン:全体に幾つもの縄の輪っかが留められている十字架。先端がドリル状になっている。


使用法は簡単、断罪したい対象の関節に突き刺し、捻って魔導回路を引きずり出すだけ。


首吊り事件の演出にも使える。

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― 新着の感想 ―
テンションで殴ってくるタイプの最高にアホで最高に面白い作品でした。
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