表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギ家族  作者: 釧路太郎
プロローグ
1/49

崩壊した家族

 私は小さい時から妹が嫌いだった。

 姉の私から見ても妹は可愛かったのだけれど、妹が中学生になったくらいから私の中に妹に対する劣等感が生まれていたと思う。

 私が苦手だった勉強も運動もそつなくこなしている妹を見るのは嬉しさもあったけれど、悔しさも同じくらい感じていた。それが私に劣等感を抱かせた原因の一つであることは間違いないと思う。

 ただ、姉妹で喧嘩をしたことは一度も無かった。

 妹に対して腹が立つことは何度もあったけれど、妹が私に対して不満をあらわにしたことは無いと思う。内心はどう思っているのかなんてわからないけれど、不出来な姉の事をバカにしている様子も全く見られなかった。

 家族で食事に行ったレストランで偶然私の好きな男子にあった時も、私は緊張して言葉が出てこなかったんだけど、妹は私の気持ちを察してなのか、私の好きな男子に積極的に話しかけてくれていた。

 それがきっかけになったのかはわからないけれど、その男子とは妹も交えて食事に行くようにもなり、何がきっかけかは忘れたけれど、私はその男子と結婚することが出来た。

 両親も彼の事は気に入ってくれているようで、彼の複雑な家庭環境の事もあり、我が家に婿入りすることになったのだけれど、私の家族も親戚も、彼の家族も誰一人として反対することなく、彼は私達の家族になった。


 そんな可愛い妹の撫子も大好きな旦那の優一も私の父の信二も母の椿も、みんな私がこの手で殺したのだ。

 誰一人として助かることも無く、みんな殺してやったのだ。

 もちろん、このことに後悔も反省もしていない。


 私は自分にされた事の仕返しをしただけなのだ。

 誰も私の味方はいなかった。

 誰も私を愛してなどいなかった。

 ただ、それだけの事だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ