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ダークヒーロー7

 ここ数日、俺は悩んでいた。

 マサルドでの商売を成功させ自信をつけたラインは、コロッサスでの商売も成功するだろうと思っていた。

しかし、ここ数日商売が全く上手くいっておらず失敗して、頭を悩ませていた。


 マサルドの場合、マサルドで仕入れた商品を周りの町村に、持っていくだけで商売は、上手く成り立っていたのだが、コロッサスでは、マサルド産の安い商品より、コロッサス産の高い商品のが売れ筋は良いのだ。

 しかし打開策もある事にはある。

 この国で商売を成功させるには、コロッサス寮内で、産業を大きく育成させ独占する必要があると考えた。

 だが、昔から親しまれてきた伝統的な産業分野に関して、俺が介入し力を入れたとしても、独占は難しいだろう。

 それは、物価が安定してる為、品質が大雑把な等級として認識されてしまう事が要因だ。


 極端な例だが、等級が同じでも、良質品と粗悪品があるのは、周知した所だが、これが同じ値段で取引されてしまうって事を言っている。

 まあ粗悪品は遣り過ぎだが、そこそこの平均的な物を作るだけで済んでしまう。


 まずこれはパスだ。やるだけ無駄だろう。ただでさえ経験不足なのに、経験豊富な奴に敵う訳も無い。

値段が同じ国産品なら、良質品を選択するのが、当たり前だろう。競争の出来る所が少ない。


 となるとだ、可能性としては、新しい分野での産業育成を独占する事だろう。それなら可能性がある。

そして、今試行錯誤しているのだが、中々難しい問題なのだ。

考えるのは、出来るが、いざやるとなると、色々な条件をクリアする必要だろう。

......だー考えてても進展せん。

そう思ったラインは、気分転換に、冒険者ギルトでも行って、適当なクエストでもやる事にした。


「ラインカーン様ですね。」

「そうですが何か問題でも。」


 コロッサス支部はマサルド支部も凄い建物だったが、こちらは石造りな立派な3階建ての建物であった。

 ラインがギルトに到着して中に入ると受付嬢が、ラインに話しかけたのだ。

 ラインはいきなり話しかけられ、一瞬自分の行動を疑ったが、そうではなった。


「実は、ライン様宛にいくつか招待状が届いておりまして、その件でうちの支部長からお話しがございます」


 招待状か、って事は冒険者ギルトの依頼って事になる。

 とりあえず解ってるのはそれだけだ。

 受付嬢は、そういうと俺を3階にあるの執務室まで案内し


「支部長は、そろそろ、お戻りになる頃です。しばらくお待ち下さい。」


 受付嬢はそう言うと、おれにお茶を用意してくれ退室してった。

 座り心地の良いソファーに腰掛けお茶を啜りながらしばらく待っていると、執務室のドアが開き支部長が現れた。


「ようこそ!ライン君

 俺はこのコロッサス支部、支部長のギュスタスだ。」


 そう言って、ただならぬ目つきをした男が挨拶して来た。

 成る程、リヴァイア支部のギドさんはオドオドしてたが、

 こちらは貫禄ありそうな人だ。


「初めましてラインカーンと言います。よろしくお願いします。」



 お互いの挨拶が終わってギュスタスさんは早速本題に入っていた

 ギュスタスさんが言うには、コロッセウムのあの闘いぶりを見ていたらしく。

 貴族達から招待状送られてきたとの事だ。

 そこで、俺に招待状を受ける気があるのか。確認を取りたいらしい。

 招待状は全部で3通

1、王直属の近衛騎士団の入隊


2、シュルツハイム伯爵の専属護衛


3、ローテングリム拍爵の専属護衛


 ポリポリ頭を掻きながら身の上を考える。

 いやーあれか、ド派手に魔物倒した結果がこれか、まあ商人だしな。

 商人か、使えるかも。

 伯爵の専属護衛って事はゆくゆく子爵になれる可能性って事だが商人には関係ない。。

 王直属の近衛騎士団長なら、公爵か侯爵の身分だな。まあ申し分ないな。

 そう考えると、支部長直々に対応しなきゃ色々と不味いわな。

「その申し入れ受諾させて頂きたいと思います。」

「おおやってくれるかね。」


 1番の受諾を決意した。

 詳しい話は城の近衛騎士団長のマクスウェルと言う男に内容を聞くようにとの事だ。

 かくして招待状を持ってギルトを後にした。


 さて、城に行くのは明日だし商品を考えるかな。

 俺の使っている闇属性散弾銃ダークネスは強力な武器である。

 自己修復、完全記憶、永久不滅、術式増幅、身体能力向上と素晴らしい性能を持つが、

 果たして、それは売って良いのだろうか?

 うーん、商売としては、成り立たない代物なんですわ。

 

 まあいっか、それはなんとでもなる。

 とりあえず全属性の片手剣と両手剣を用意した。

 まあ騎士だから片手剣だとは思う。


翌日


「こちらでお待ち下さい」


 城に来た俺は、招待状を門番に見せ一階にある待合室に案内された。

 待合室に備え付けてある椅子に座りながら次の指示を待つ。


 

  中々素晴らしい調度品の数々流石はお城ってだけあるね。

  でもちょっと趣味に合わないかもな。

  もうちょっとド派手なのを想像していたが、その辺はそういう訳か。

  成金じゃなく由緒正しき王家だしな。


  この椅子にしてみても良い材質なのだろう。中々に座り心地が良い。

  町で警備していた兵隊達は、スケイルメイルだったが

  城の騎士達はフルプレートを装着していた。


そうこうしてるうちに案内の兵士が現れ中庭にある兵舎に案内された。 


「閣下、ライン殿をお連れいたしました」

 やっぱり、兵士がマクスウェルの名前を呼ばないって事は、そういう事ね。

 名を呼ぶ事自体失礼になる位の高い人物だ。

 つまり名前を呼んでは、いけない人だ。

「ふむ、とりあえずは席に着きたまえ。」



「初めまして、私の名はマクスウェル、ブレイブだ」


 背丈185cm短髪のナイスミドル金髪碧眼

 適正光ね

 上品さをうかがわせる。

 白い金属製の鎧に金のラインが入れられた美しい鎧を着ている。

 さしずめ聖騎士と言った感じだろう。

 しかし、名前を名乗られようが、名前を呼んではいけないのだ。

「閣下お初にお目にかかります、ライン、カーンと申します。」


「招待状を承諾して貰い礼を言わせて貰おう。あの闘技場で魅せた貴殿の見事な闘いぶりは中々にして見事であった。所でこれから貴殿の待遇について色々と話をしたいのだが、貴殿は何か希望でもあるのか。わしとしてもなるべく貴殿の要望に応える所存である。」


 うわーめっちゃ優遇されとるやん。

 かなり切り出しにくいがやるしかない。


「実は大変申し訳ないのですが。私実は商人でして、闘技場で魅せたのは、実演の為と申しますか。その入隊というより、商品を見ていただきたいのです。」


「なんと、貴殿が商人と申すか。あの身のこなし只者ではないと感じておったのに」


「それについても、全部武器のおかげでして、正直に申しますと、私を入隊させるより、武器を一度ご覧頂いたほうが、閣下のお役に立てると思います。戦闘訓練の乏しい私でさえ、あのくらいの動きは可能でしたので、お許しがあれば半刻程で武器を、ここにお持ちしますが、お望みの武器などございますか?。」


「うーむにわかには信じられんが片手剣にしよう、よし許可する。」


「では、城の中で武器をお持ちするのは、危険ですので、外にて落ち会いましょう。」


 まあすぐ出せるけど、城の中で出したら俺の首と胴体がお別れにもなりかねんし


「そうか。ならば今日は闘技場が休みであるから、あそこで落ち合うとする。」

「かしこまりました。では後ほどで失礼いたします。」


「閣下こちらが光神の剣にてございます。」

 30分後、闘技場に赴いた俺は片膝を着き剣の先を自分に向けたまま、マクスウェルに渡した。

 まあ、鞘に入っていても剣先を相手に向けたら相手は貴族だしな。何かと厄介なのさ。

 こういう細かい気配りは後になる程効いてくる。

 適正属性は光だから、当然愛用してる剣より馴染むだろう。

 マクスウェルは半信半疑のまま剣を持つが、持った瞬間


「何とこれは不思議な感覚だ。まるで我が体の一部であるかの如き馴染みよう。どれっ」

ガラガラガラガラ

「あっ・・・・」


 思わず声が出ちまったが俺悪くないよね。

 悪いのはマクスウェル様だ。

 マクスウェルは、剣を軽く振ったが、剣の先から光の球が現れ 闘技場の壁の一部を粉々に壊してしまった。

「あっ.......すまん。わしは軽く振ったつもりだったんだが」


 位の高い人が目の前で失敗したら

 どう反応すれば良いか困るんだよね。


「・・・・・もっもう一つあります。その剣を持ったまま軽く体を流してみて下さい。私の身のこなしの証明にもなります。」


 それは、最初から、アップ系の補助魔法を使っているかの如く早さになっていた。


「おおっこれは、中々に素晴らしい。貴殿の言った通りだな。しかも疲れも全然感じないぞ。」


「更にもう一つ特徴があります。私が逃げたら、お好きな魔法を軽く空打ちしてみて下さい。」

「うむわかった。よし逃げたであるな。では参る。「5ホーリーブレード」→「4ジャスティスブレーカー」


 剣が激しく輝き光のエネルギーで出来た剣へと変貌した。


「なんだ。この剣の変わりようは恐ろしいまでのエネルギーを感じるぞ。」


 うひょーすげ~な。


「自己修復に、完全記憶、更に永久不滅と機能も万全でございます。その剣の保障は永遠です。」


「うむ。この剣の性能は、十分承知した。して1本いかほどになる。」


 決めてないんだよね。

 まあこうするか。


「そうですねー閣下が今お使いしているものは、献上致します。ただしお願いがございます。コロッサスで店を出すお許しを頂きたいです。」


「何だそのような事で良いのか。わかったマクスウェルブレイブの名において、ラインカーンは店を出す事を認める事にする。よし後はわしに任せよ。正式な書類なら今日にでも作らせ、明日にでもギルトに送っておくので、取りにくるが良かろう。所でこの剣だが、どのくらい出回っているのだ。。」


 そうだよね。確かにそこに疑問になるよね。


「それなんですが、今の所、閣下と私、それに、実は、1本盗まれてしまいまして、3本でございます。」


「それは真なのか。」


 三本は本当だが、盗まれた訳じゃなくあげたのが正しいな。


「もちろんでございます。盗まれた事に関して、私としても不甲斐ないばかりです。その剣の性能は、危険です。無闇やたらに出回ってしまうと、未曾有の大混乱になります。閣下には、私の真心を受け取って頂きたいのです。」


 まあ半分半分かな。

 アナライズを密かに唱えてる気配がするが、俺は改ざん出来るからな。

 照らし合わせ本心からの真実と気付くだろう。

まあ本心が嘘をついているとは、思うまい。

 お互い腹の探り合いだが、貴族相手ならそんなもんだろ。

 つまり、マクスウェルも俺の事馬鹿な奴だと思っているって事だが、まあ面には出さないよね。


「そうか。そこまでわしの事を、思うといてくれるのは、中々嬉しいものよ。何かあればわしを、訪ねるが良かろう。出来る限り力になろう。」


「有難き御言葉に私感謝の極みにございます。それと、もし追加で剣を御所望される場合、使用する者の適正属性と使用武器をおお教え下さい。専用の武器を用意させて頂きます。その場合1本辺り2500万Gで取引致します。もしこの条件をお吞み頂いた暁には私も、コロッサス以外での武器の取引は致しません事を御約束します。」


 まあ2500万Gなら一気に、注文する馬鹿げた考えは、ないだろう。

指揮官専用ってなるはず。

月に1本くらいのペースででるような値段設定だな。

絶対的有利になるが、それで戦争を起こすようであればそこまでの器だったって事さ。


「うむ。凄まじき性能故、その様な値段になるのは致し方なかろう。その条件を呑もうではないか。して店を構えるのはいつ頃になる。」


「有難き幸せに存じます。直ぐ取りかかりますればリサーチ含め店を構えるのは1週間と踏んでおります。」


「うむ。わかった。それまでにこちらの方針も纏めとこう。」


「最後にもう一つだけ見ていただきたいものが、あるのですが。商売とは無縁で、もしかしたら、違法になるかもしれない物を手に入れたので、誰にも相談出来ず悩んでいたんです。もし閣下にお見せしたら、捕まってしまいますかね。」


「因みにそれのルートですが、行商人との、食料品の取引の際袋の中に見慣れぬそれがありまして、相手の事はフードを被った行商人だった事くらいしかわかりません。何しろ偶然だったもので。」


本当は買い取ったと言ったら、どうなるかくらいはわかるさ。

偶然だったってアピールする。


「いや、貴殿をアナライズしたとき、本心である証明はなされた故に、そのような事はしやせん。その物を見せてみるが良い。」


おれは懐から黒いケースを取り出しマクスウェルに差し出した


「これは、逆鱗薬ではないか。依存性の非常に高い違法薬物でな。使ってしまった者は、廃人になるものだ。こんなもの何処で、いやルートは申していたな。わしが預からせて貰おう。」


効力は持った時解ったが、通称までは解らなかった。、

どうやらこいつは逆鱗薬って名前だったのか。

覚えておこう。


かくしてラインはコロッサス国内で店をだすことを許さたのであった。

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