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ダークヒーロー5

「絶対に駄目です。そもそもラインさんは、ドラゴンと言う生物が如何に危険であるか、まるで理解していない。」


ここはギルドの執務室。

翌日アッシュさんが約束通りに、ギドさんと会わせてくれるように手配してくれた。

しかし、俺の方が極度の二日酔いで体調が不味かったので、実際には2日後になる。


「いいですか。まずドラゴンに殺された者は、二度と蘇る事が出来ません。だから絶対に手出ししてはいけないのです。」


「私共ギルドが何故こんな危険な場所に村を作ったか解りますか。貴方のような人達を監視するのも義務の一環なんです。」


「そもそもドラゴン達がアルガス山脈から外に出ないのすら解明されてない謎何です。それをこちらから侵犯するのは、ドラゴン達の怒りを買うだけで得策ではないんです。とにかく絶対に許可は出しません。お引き取り下さい。」


こりゃしまったな。

退散するのが得策だろうな。


「申し訳ないです。そうとは知らず安易な考えで軽々しい事を口走ってしまいこのとおり謝罪します。」


これ以上進展がないので、ギルドをそそくさと逃げるように後にした。


その後アッシュさん達にリヴァイア山脈の麓まで送って貰った。


「まぁそう気を落とすなって、だかよ本当にここまでで良いのか。」


「ええ問題ありません。これ残りの報酬になります。ローザさんこの馬車に保存魔法掛けてみて下さい。魔物の死体として認知出来るように設計しましたので、ランドさん、連絡魔法でこの馬車をマサルドに送って下さい。後で取りに行きます。」

他の魔物には、アンデッドに見えていただろう。

だが、ワイバーンにとっては魔物の死体として見ていたはず、ほぼ無防備で突っ込んできたくらいだからね。


「ええそんな事出来るんでやんすか。ってこの武器造れるくらいなら不思議じゃないでやんすね。了解。」


「解ったわ。ラインちゃん、でもラインちゃんここから、馬車なしでどうするつもりなの?。」


「まあ色々考えたいので徒歩で帰るのも良いかなと思いましてね。」


まあそんなこんなで武器を返して貰いアッシュさん達は、リヴァイア村に戻って行った。彼らからすればリヴァイア村のが、暮らしやすいのだろう。


さて徒歩で帰る訳はない。ちゃんとフライングボードはここに置いてあるからね。

実はワイバーンに襲われた時、おれが戦闘に参加しなかったのは、フライングボードを降ろしてたからである。


さて足がある。マサルドまで一時間あれば余裕で着くな。ちょっと考察してみるか。


ドラゴン達が、生息してるアルガス山脈だけ、魔法の影響が効かなくなるって事は、どういうことだ。


「そりゃあなあ、二日酔いって奴だな。俺はそんな柔じゃねえって事よ。アルガス山脈に近付くにつれ、魔法の効力が下がっているって話だ。魔法ってのわよ。マナの影響が濃い程強いってのは解るだろ~なら単純だろ。マナの影響が薄くなるって事だ。あれは単なる土地柄だっちゅー事よ。アルガス山脈が単なるそういうスポットなんだろ~な。そういう事もあるだろ~が問題っちゅーのは、二度と蘇る事が出来ませんって奴だな。」


そうか、魔物に殺されたなら飛ばされないにしろ、回収すれば蘇るって事は、ギドさん本人が嘘ついていたって事になる。


「まあ、そういうこったな、奴は知ってたっ事さ。だがな、そもそもドラゴンいるのかって事よ。」


ドラゴンが存在するかどうか怪しいって事なら、ギドさんが嘘ついていたのは、辻褄が合う。

つまりドラゴン自体がギルドって事か。

ドラゴンを隠れ蓑にして、ギルドが隠している事って解釈になる。

しかし昔からアルガス山脈にドラゴンがいるって事は有名な話だ。

って事は、ずっと隠しているって事だよな。


まあ考えられる目星は付いた。

ギルドの隠し鉱山って所か。

もしくは、南のコロッサス王国に関連する何かかだ。


そろそろマサルドだな。


◆◇◆◇◆◇◆◇

マサルドに帰った俺はドッペルさんの仕事を手分けして、さっさと終わらせ人気のない所に移動した


「ドッペルさん、最近仕事の方はどんな感じですかね。」


「ええ、お蔭様で順調よ。思ったより楽しいわね。」


そりゃよかった。だが今回はちょっと違うんだわ。

どっからともなく雷光石を取り出した。

 

「ドッペルさん、前回取り込んで頂いた光光石ですが。今回ちょっと思いたった事がありまして、これを取り込んでみて下さい。それで魔物に戻ってあの剣士に擬態して感想をお願いします。」


「何だかよく解らないけど、やってみるわ。!!何だか何時もより体の調子が良いわね。」


やっぱりか。ならこれだ。

雷神剣を取り出した。


「今ならこの武器を使えるはずなので持ってみて下さい。」


「あらやだ。この武器凄いじゃない。持った瞬間から明らかに力が増したわ。」

やっぱりね。


シェイプシフターのキャパシティ不足で、武器を持てなかったのだが、擬態後の適正する石の力で、魔物の状態なら武器が使えるようになった。

これならリヴァイア山脈でも、問題なく力を使える!


「ドッペルさん、それ差し上げます。仕事の気晴らしに、ひと暴れしてきませんか。仕事に息抜きも大事だと思うんです。」


ドッペルさんにやって貰いたい事、それは、リヴァイア村を襲撃して貰う事だ。

ドッペルさんは、教会のある所や、力が及ぶ町や村は襲わないが、教会が関与してない村なら襲える訳だ。


まあ名目はアレだ、ローザさん、アッシュさん、ランドさん、への復讐って事でドッペルさんには大義名分がある。

大義名分を掲げる理由は、俺が関係してない事をアピールする目的がある。

三人には悪いが、御臨終になって貰う。

武器は取り上げたし、あの場所を逆手に利用させて貰う。パワーアップしたドッペルさんに、敵う奴はあの村にはいない。

でも、本当に御臨終する訳じゃない、リヴァイア村の住人は、ギルド加入者だからマサルドの教会に村人全員飛ばすだけだ。


村に戻るにも、時間がかかる訳だ。

後はあの執務室にアルガス山脈に関するリストがあるはず。それを強奪するのが目的です。


「あらそれは、どういう事かしら」


計画について、打ち明けると


「面白そうね。いいわやってきてあげる。」


これで何らかの証拠が掴めるって事で。


ドッペルさんは、意気揚々に、リヴァイア村へと向かって旅立った。

魔物に朝も夜も関係ないから、今日中には襲撃してくれるだろう。あっちは任せるとしてだ。


実は、コロッサスに行くためアルガス山脈を越えるルートの検討も含まれていたが、土地柄なら断念せざるを得ない。

と言うのもコロッサスとマサルド間を地図で見たらフライングボードで3時間足らずの距離だっただけに

ルートを確立出来たら絶対的なアドバンテージになると思ってたがそう甘くはないか。


となると、正規ルートである、西側から荒野を抜けて南西に伸びる大渓谷を南下してコロッサス領に入るしかないな。

かなりの迂回ルートになるため。フライングボードで余裕を持って2日って所だろう。


「善は急げ思いたったら吉日ってね。」

早速コロッサスに向けて出発したのであった。

フライングボードでの旅は、快適ではあるが、面白味もないのも、事実。

故障はしない。

燃料はないので、ガス欠などなく。

魔物は出ない。

冒険者には気付かれない。

ひたすら一日目の目的地である。渓谷北の町を目指すのみなのだ。


一方、ドッペルは、リヴァイア山脈の山道を既に8割ほど踏破し、リヴァイア村へと着実に向かっていた。


「ふーん、そういう村もあるのね。もう少しで村の筈だけど、あらアレかしら、洞窟を塞ぐように強固な柵壁がって言ってたから間違いないわね。でもこれって予想外だわ。門番が一人何て舐めてるのかしらね」


実は、以外この村は安全だったりする。教会が関与してないので魔物が周りにはおらず、ワイバーンもわざわざリスクを犯してここを襲撃する事はない。見張りは基本一人でも大丈夫なのだ。


ドッペルは魔物に戻り、雷光石の力を解放した


一瞬にして間合いを詰めマックスを両断する。

マックスは不意を突かれ、何も出来ないまま一瞬にして教会まで飛ばされたようだ。


「確か、ラインのお仲間もいるって言ってたっけね。見つけたら復讐のように装えね。さっさと全滅させて仕事を終わらせましょう。」


門番を教会に送って中に入ると魔物反応を感じ取った冒険者達が、次々に身構え襲ってくる。

「うぉぉぉ」

中々の対応力である。


何だかんだ言っても、この村に留まる冒険者達は腕が立つのだ。

しかし、襲ってくる冒険者達をもろともせず、教会に次々に送っていくドッペル

そして、


「あら貴方達、探してたわ。」


「お前はあの時の、何故ここにいる。」


「あら、ギルトから逃げる時に偶々貴方達を見かけて後をつけたって訳よ。そしたらあのクソガキと別れたからね、ラッキーだったわ。」


「まさかラインを」


「ええ。そのまさかよ。あのクソガキには先に逝って貰ったわ。お陰で武器も手に入っちゃった。ほらこれよ。貴方達も逝かしてあげるわ。」


「貴様ーーーー」


そしてアッシュ達との、戦闘になるのだがお話にならないくらい呆気なくかたがついたのだ。

その後の展開は、言うまでもない、村人全員を教会に送ったのである。


「さて終わったね。でも困ったわ。どの書類かしら、まあ根こそぎ特殊布袋に入れて持ち帰るとしましょうかね。後は冒険者ギルトの建物を跡形もなく焼却すれば証拠隠滅出来るって話だったわ。」


「4プロミネンスバースト」これで完全焼失を見届ければいいわね。


これには、別の目的もある。


ギルトが教会と協力してる立場である事はご存じだろう。


しかし、教会と魔物が協力してるのは、ギルトは知らないのである。


実際には、冒険者は教会のいいカモで一切ギルトを恨んでいない。


魔物が冒険者ギルトを恨んでいる事をアピールすれば、その関係は、深く強まる。


魔物は教会とギルトの共通の敵であるとさせる目的もあった


こうしとけば、魔物も好き放題暴れられるし、教会にとっても都合が良い。


焼失確認したから、終わったね。周りを一瞥すると村をそそくさと後にしたのであった。







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