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ミニマリストになるために

作者: 鬼灯零個

完全なるミニマリストになるために、

捨てなければならないものがある。


生まれてこのかた大事にしてきた。

40歳まで守ってきた。

40年彼氏も作らず、結婚もせず。

きれいな体のうちにあげちゃえばよかった。

真っ白な肌はいまはもうその輝きを失った。

もっとはやく気付けば、もらってくれる人もいただろうに。

いまさら、誰ももらってくれない。

なんで40年も大事にしてたんだろう。


チャンスがなかったわけではない。

友達は15歳で捨てたと言っていた。

捨てたことで、いろんな人と遊ぶようになっていた。

わたしもそのとき捨てればよかった。

そうしたらわたしにも、彼氏ができたかもしれない。


ある日突然奪われた友達もいた。

でも結果的に、幸せになっている。


今から夜の街へ行って

誰かに捧げようか。

欲しい男はいるかもしれない。


誰でもいいから、あげればよかったんだ。

そうしたら、こんなに苦しまなくてすんだのに。

いまさら、簡単に捨てることなんてできない。



わたしのメルちゃん。

※メルちゃんは人形です

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― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルから予想していたのとは違う叙情的な内容でいい意味で裏切られました。 [一言] 色んなことを想像してしまう内容ですね(笑) すごく美しく残酷なお話だと思いました。 ちょっと詩的な響き…
2019/04/11 11:03 退会済み
管理
[良い点] それを捨てられるのがミニマリストなのでしょうけども、大切なモノを無理に捨てなくても良いのかな。なんて私は思ってしまいます。 大切なモノはありますよね。お人形を大切にしてあげてください
感想一覧
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