ミニマリストになるために
完全なるミニマリストになるために、
捨てなければならないものがある。
生まれてこのかた大事にしてきた。
40歳まで守ってきた。
40年彼氏も作らず、結婚もせず。
きれいな体のうちにあげちゃえばよかった。
真っ白な肌はいまはもうその輝きを失った。
もっとはやく気付けば、もらってくれる人もいただろうに。
いまさら、誰ももらってくれない。
なんで40年も大事にしてたんだろう。
チャンスがなかったわけではない。
友達は15歳で捨てたと言っていた。
捨てたことで、いろんな人と遊ぶようになっていた。
わたしもそのとき捨てればよかった。
そうしたらわたしにも、彼氏ができたかもしれない。
ある日突然奪われた友達もいた。
でも結果的に、幸せになっている。
今から夜の街へ行って
誰かに捧げようか。
欲しい男はいるかもしれない。
誰でもいいから、あげればよかったんだ。
そうしたら、こんなに苦しまなくてすんだのに。
いまさら、簡単に捨てることなんてできない。
わたしのメルちゃん。
※メルちゃんは人形です