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風の中の詩

もしもこころがなかったら

作者: 惠美子

 もしもこころがなかったら

 杖を突いて歩く女性が段差のある場所を行くのに手を差し出さなかったろう


 もしもこころがなかったら

 よちよち歩きのこどもが一人でエスカレーターの側で遊んでいるのに危ないよと声を掛け、親を探してやらなかったろう


 もしもこころがなかったら

 幼い頃、人と違うと自分の特徴をからかわれ、叱責されて、萎縮しなかったろう


 もしもこころがなかったら

 少女の頃、巷で美少女と呼ばれるようなほっそりとした体型にさらさらの黒髪にきらきらしい容貌と比較され、落ち込みはしなかったろう


 もしもこころがなかったら

 人々に奉仕する為の職に就きながら、人々から批判され、罵倒されて凍り付くことはなかったろう


 もしもこころがなかったら

 花や雪を見て、季節の移り変わりや自然の厳しさではなく、時間の経過しか感じなかっただろう


 もしもこころがなかったら

 愛する人、親しい人の疲れ、悩む姿に温かな食事を与え、ゆっくりと休息するよう勧めないだろう


 こころがあるから、今がある

 ご覧、春の日差しの中、燕が飛んでいくよ

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― 新着の感想 ―
[良い点] たくさんの苦しみ、たくさんの悲しみを味わったから、たくさんの喜びやたくさんの感動を覚えることができるのかもしれないですね。
2019/10/25 21:24 退会済み
管理
[一言] 結びの一節がなんてきれいなのだろう、と思ったら、伝えたい誰かがあってのことばだったのですね。 こころなんてどこにあるやらもわかりませんが、痛んだり弾んだり、煩わしくもありがたくもある、やっか…
[良い点] 悲しいと感じるこころ、 辛いと感じるこころ、 劣等感、 人を思いやる優しさ、 家族といられる幸せ、 空を見上げて燕を見るときの安らぎ。 全部全部、こころがあるから。 ほんのりあたたかい気持…
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