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1-4 情報をください

難産でした

 「ゆ」って書いた暖簾が掛かった部屋があった。絶対ここが風呂だな。

 中に入ると脱衣所だったので、そこで服を脱ぐ。....ズボンがぐっちょぐちょだ。何であの程度で漏らしたりしちゃったんだろうか。

 ....思い出しただけでも恥ずかしいいいいいい!


 もういい。思い出すな、忘れるんだ。こっそりと上着の下にズボンとパンツを隠して、すっぽんぽんになる。

 うん、地球に住んでたころは一度も女の人の裸なんて見たことなかったけど、これはいいね。うん。すべすべしてる。うん。いや、自分に興奮してるわけじゃないけどね。うん。いろいろとぷにぷにだ。うん。


 失礼、少し取り乱してしまったようだ。俺ほどの紳士が....げふんげふん。


 これ以上裸を見るのは自分的にキツ過ぎるので、お風呂に入ることにした。

 できるだけ体を見ないように、前を向いておこう。それにしても、十歳ちょいの体でこうなら、もう少し成長した、そうだな、並乳くらいの女の子の裸を見たりしたらどうなってしま――


「あ」


 ドアを開けた先には、お風呂があった。手狭というほどではないが、広いというほどでもない。そんな微妙な広さのお風呂。

 そんな風呂の備え付けの浴槽に、人影がひとつあった。


 つい今しがた思い浮かべていたような並乳ではない。巨乳。まさに巨乳。小さな体、今の俺と同じくらいの年齢だろうか?そんな華奢な体にぼいんとひっついている。若さからか、形が崩れているなんてことはない。さらさらの金髪が、零れ落ちた。俺の主観だが、かなりの美少女だ。

 そんな少女が、お風呂に浸かったまま俺のほうを見て目を見開いている。ちなみに、俺も見開いている。


「あなた、誰ー?」


 見たところ十歳くらいなのに、胸大きいな....これがロリ巨乳ってやつかな~、アハハ....。

 って、そんなこと考えて現実逃避してる場合じゃない!

 

 即座に後ろを振り返って、謝りまくる。 


「ごめんなさいごめんなさい!」


 勢いそのままに、浴場から飛び出す。

 と、そこには何故かさっきの男がいた。....え?変態?


「あ、あの、えっと、あ~....アリシアが入ってたのか。そういえば忘れてたな」


 今言うべきはそこじゃないと思うんだが――

 

「その子誰~?」

「あ、うん、とりあえず、アリシアは早く上がってくれ。えっと、あの、これは違うんだ。話を聞いてくれ」

「あ、全然大丈夫ですから」


 少し不思議そうな顔をする男。


「お、オレを許してくれるのか....?」

「....理由にもよりますけど」


 うん、ここで簡単に許したら少し不自然すぎる気がするからね。


「ああ、洗濯するためにこれを取りに来てたんだ」


 そういって、俺がきていた、濡れているズボンを俺に見せる。

 そ、それって俺がさっき漏らし――


「~~~っ!ばかっ!」


 男の顔も見ずに、お風呂に入ってドアを閉める。

 どうしよう、めっちゃ恥ずかしい....。


 と、とにかく、体でも洗って早く忘れよう....。








 できるだけ自分の体を見ないようにしながら風呂で体をさっさと洗い、風呂から上がる。

 脱衣所には、俺の服が置いてあった場所にワンピースっぽい服と、俺が召喚したFN57がおいてあった。そういえば、あの時に取られたままだったっけ。


 室内なので必要ないかもしれないが、置いておく場所もないのでまた太ももに装着する。

 服がワンピース型なので、足にホルスターをつけると肌に直接当たることになってちょっと違和感がある。


 脱衣所からでて、廊下を進んでいくとリビングらしき部屋に出た。

 そこには、椅子に座って話し合う男とアリシアさんがいた。


 男は俺に気がつくと、とりあえず椅子に座るように促した。

 さっきの件でちょっと気まずいけど....。


「えっと、まずは自己紹介からだな」


 まずは俺が自己紹介をしてから、二人の紹介を聞いた。

 男の名前はユウ、というらしい。

 それだけならいい。ちょっと怪しい普通の男ってだけですむ。ただ、ユウは――


「オレも、日本人なんだ」

「え....えええええええ!?」


 まさか、この世界に来てこんなに早く同郷に出会えるとは思わなかった。何故俺が日本人だと気づいたのか聞いたら、髪色、顔立ち、チャリ、と日本人だと分かる要素はいくらでもあると言われた。

 言われてみれば当然だね。


 もしかしたら日本人に一生会うことがないかもしれない、と少し不安だったので日本人とあえてうれしい。


 ユウは、この世界で勇者として召喚されたらしい。

 しかし何故か勇者は二人召喚されたので、結局ユウじゃないほうが勇者として、魔王を討伐する旅に出たそうだ。

 一方、ユウは世界の名所を回る旅に行く準備をしているとか。

 いいな~、俺もついていきたいくらいだ。


 旅に行く準備として、迷宮があるこの町に来て迷宮に潜り、お金を稼いでいたそうだ。


 次にアリシアだが、アリシアは元々勇者のお供としてユウに付けられた付き人らしい。

 勇者として召喚しておいて、お金も渡さずに放り出すのは流石にかわいそうだと思ったのか、少々のお金とともにアリシアを付けたらしい。

 それってアリシアの意思は....と思ったが、アリシアが自分から勇者のお供になりたい、と申し出たそうだ。



 次に話されたのが、この世界の治安がどうこうといった話だった。

 この世界では、治安が日本よりも悪いらしい。科学力が地球よりも低いため、監視カメラなどの設置が難しく(やろうと思えばできるらしいけど)、その上魔獣に対抗するために体を鍛えたり魔法を使ったりする人が多い――血の気が多い人が多いらしい。


 急に治安の話をしだしたのでびっくりしたが、俺が路地で寝たりしているから教えてくれたらしい。

 これからは路地で寝るのはやめろといわれた。


「でも、宿にも泊まれないしどうしろと....」

「そこで、優貴には俺たちの仲間になってほしいんだ」


 え?

 え?

 えええええええ!?


 今日何度目かの驚愕だ。

 確かに、俺からしたらそれが一番だろう。でも、ユウのほうはどうなんだ?世界旅行に出るとか言ってたし、俺が居たら邪魔なんじゃ....?


 そう思ったけど、むしろ戦力的にプラスになるから問題ないと言われた。


「ほら、優貴には兵器召喚のユニークスキルがあるだろ?だから、そのユニークスキルを使って俺たちと旅に出てほしいんだ」

「で、でも!魔獣とかと戦ったことなんてないし――」

「この世界で生きるなら、魔獣や危険な生物との戦いは避けられない」


 曰く、この世界には魔獣が溢れかえるほどうじゃうじゃというらしく、女だろうと子供だろうと関係なく魔獣とは戦うことになるらしい。

 それなら、ユウと一緒に旅をしてレベルを上げたほうがいいとのことだ。俺のことを思って言ってくれているらしい。


 ユニークスキルというのは、無二の技能だという話だ。

 通常のスキルは、自分のものにした技能があればゲットできるらしい。スキルがあったら、スキルレベルにもよるがないよりはましかな?位の補正がつくそうだ。


「って、レベルって何なんですか?」

「ん?ああ、優貴は知らないのか。この世界にはゲームみたいにレベルがあるんだよ....あ、別に敬語じゃなくていいぞ」

「へぇ....でもそれって、どうやって調べるんですか?」


 敬語じゃなくていい?....エラー、コミュニケーションレベルが足りません。


「俺の場合は完全情報ノーティティアって言うユニークスキルがあるから分かるけど....普通の人は検査板ってアイテムを使って調べる」

「ちなみに、私のレベルは?」

「....」


 え、何その反応。言いにくそうにしないでくれよ。


「1、だな」

「....それってどれくらいなんですか」

「.....」


 だから沈黙はヤメテ!


「生まれたての....小鹿くらい?」

「普通の赤ちゃんでもレベル3はあるからね!」


 隣からアリシアが口を出す。

 出会って間もないが、アリシアが空気をあまり読めない子供だというのは分かっている。後、妙に恥ずかしがりやなところと。

 気にするな、俺!レベルくらい上げればいいんだ!


「というわけで、俺たちについてきたほうがいいと思うんだが....」

「そうさせていただきます....」


 異世界転生はチートで始まるんじゃないのか。

 

典型的説明会です

サブタイで気づいたかもしれませんが


8/13 主人公の一人称を変更しました。

11/18 アリシアのおっぱいを追加しました。

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