プロローグ
――――例えば、自分は何のために生きているのか?
――――例えば、自分は何がしたいのだろうか?
――――例えば、自分がしていることは正しいのだろうか?
そんな、答えがありそうでなさそうな疑問を感じた事は無いだろうか?
―――俺は、ある。
自分の生を疑っている。
自分の行動を疑っている。
自分の正義を疑っている。
世界が―――
―――世界が、虚構に埋もれている様に見えて―――
―――すべてが、戯言のように思えて―――
羽毛布団を顔に押し付けられたような息苦しさを感じていた―――
そんな、現実から逃げ出したかった・・・
そんな、世界から抜け出したかった・・・
両親が遺した使い方に困る量の遺産を切り崩し、世界を渡り歩いて―――
裏も表も正義も正偽も光も闇も強者も弱者も見てしまった―――
単純な答えだった
自分の好きなように生きればいい
この世はこんなにも単純で残酷でややこしくて凄惨で神秘的で偶発的で必然的だ
国に帰ってきた俺は、善も悪も人種も思想も趣味も言語も―――
ありとあらゆる物を等しく飲み込むこの町・・・黒白街で小さな何でも屋を始めた。
世界を肯定するために。
世界を否定するために。
でも、始めた日には思いもしなかった。
―――数日もしない内に厄介な事件に巻き込まれるなんて―――
思いつきで書き始めてしまったオリジナルSSF小説
長い付き合いになるのか?
はたまた短い付き合いになるのか?
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