7年後
「良かったーーー!!!」
中森は、あふれる喜びを抑えきれずに叫んだ。
「ほんと、良かったね」
上山は努めて冷静にそう言ったが、その目にはうっすらと涙が浮かんでいた。
そして二人は、晴れて入学式を迎えた。
それから四年後。大学を卒業した二人は、法科大学院へと進学した。
さらに一年後、法科大学院を修了し、見事司法試験に合格した。
そして、司法修習の一年間も乗り越え、ついに、弁護士としての第一歩を踏み出すはずだった。
しかし、中森が霞ヶ関の弁護士会館を訪れ、日本弁護士連合会の登録手続きをしようとした、そのときだった。
「あの、この前お電話した中森なんですけど、弁護士登録の手続きをお願いしたいのですが」
受付の女性にそう告げると、「ああ、中森さんですね。こちらの書類にご記入のうえ、少々お待ちください」
女性は事務的な口調で言い、デスクへ戻った。
中森が書類を書き進めるあいだ、女性はパソコンのキーボードを叩いていた。
そのとき、女性の指が止まった。
そして、驚いたような表情で中森のもとへ戻ってきた。
「…あなた、前科をお持ちなんですか?」
「まあ、一応…」
「何罪ですか?」
「殺人罪です。でも…」
「申し訳ございませんが、弁護士法の規定により、日弁連への登録はできません」
女性は中森の言葉を遮り、きっぱりと言い切った。
その瞬間、中森の顔から血の気が引いていったのだ。




