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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第80話 あくまでも話し合いをしたらしい!

 チュンチュン、チュンチュン……


(うう、まさかこっちの実家で朝チュンを迎えるとは……)


 微妙な年齢の微妙なメイドに添い寝をされてしまった、

 いや研修中なら若い子ばかりとは限らないんですよ、ええ。


(ごめん、ワンディちゃん……あと、みんな)


 いや、あくまで添い寝だけだから!!


「……もう起きなきゃ」


 僕のその一言に、一斉に起き上がるメイド達!


(何これ怖い!)


 そして着替えさせてくれたり、

 顔を拭いてくれたり紅茶を淹れてくれたり、

 鮮やかな連係プレイで寝起きを、朝を演出してくれて……


「「「「おはようございます、ダルマシオ様」」」」


 並び立って見事な一礼、

 結局なんなのよこのメイド達、

 いやもちろん名札を見れば名前は書いてあるが。


「うん、おはよう、母上の所へ」

「かしこまりました」


 ……これが母上的にはアンヌさんアンナさん強奪の引き換えなんだろうな、

 かといってこの四人は僕にくれた訳ではなく、ここを出る時は普通にお見送りするっていう、

 もう母上の行動パティーンは読み切ったよ、それはそうと肝心の二人は……


 ガチャッ


「うわっ! 開いた!!」


 ノックしようとした瞬間だったよ!!


「ダルマシオ、何よアレはっ!」

「いやアレって! 何ですかアレって!!」

「メイドじゃないじゃないのっ! 騙したわねっ!!」


 あぁ、正体をバラしたのかな?

 添い寝要員のメイドを見てから再度僕を見たから、

 はっきりは言えない、すなわち口止めされているっぽいな。


「いや、あくまで僕のメイドとして働くそうですよ」

「あんなの、あんなの反則よ、アレはメイドの皮を被った、バケモノよっ!!」


 どうやら『言って許されるギリギリ』を表現したらしい。


「すみません母上、送り先とか大体決めていたでしょうに、でもまあ、そういう訳です」

「ダルマシオは、アレで何がしたいのよ?!」

「普通に学院生活ですよ、えっとそれで、ふたりは」「ふたり?!」「アンヌさんとアンナさんですよ」


 ここで『ああっ、ああ!!』って表情になったって事は、

 やはり少なくとも魔神体は見せたって事か、後で詳しく聞こう。


「訓練棟よ、もう必要ないのに私が言ったからって!」

「多分、戦いたいんだと思います、相手になりそうな戦闘メイドは」

「知らないわよ、もう手に入らないメイドに興味は無いわっ!!」


 うん、話はばっちり着いたらしい、『お話』は。


(わからせたんだろうなぁ……)


 あれだけ気の強い母上がここまで怯えてるんだ、

 添い寝メイドの四人も、それ見てあわわあわわっていう感じ。


「ええっと、では行ってきます」


 僕はメイドを置いてひとりで訓練棟へ、

 母上が大変そうだからね、あのメイド達も僕どころじゃないのだろう。


(こっちだよな……居た居た)


 うん、戦っているのは良いんだけれど、

 アンヌさんvsアンナさんになっちゃってるや、

 客席というか見学席にブランカちゃんクライスさん母娘が居る。


「あっ、おはよう」

「「おはようございます」」

「結局、ブランカちゃんの今後は」「アンヌさんによれば問題ないと」


 と、いうことは……!!


「じゃあブランカちゃん、ここで研修?」

「はいっ、一年間限定で、その後、ダルマシオ様の学院へっ!」


 母上が本気でしっかり仕上げてくれるなら心強いな。


(その辺、ちゃんと面倒見てくれるんだろうか?)


「ペンダントも大丈夫そうかな」

「アンヌさんによれば『了承を得た』とのことです!」

「本当、娘がちゃんとしたメイドになれるのなら、嬉しいわ」


 僕に気付いたアンヌさんアンナさんがやってきた!


「御主人様、おはよう」

「……おはようございます、ご主人様」


 二人して、朝から良い汗をかいたようだ。


(ていうかこれ、一人遊びだよな?!)


「アンヌさん、朝練のこっちのメイドは」

「大した事なかったぞ、アンナと二人で早々に倒した」

「……2vs14なのに、あっという間でした」


 そりゃあ相手は魔神様だもの。


「それより、母上との話し合いは」

「全て解決した、自室に転移魔方陣も作れるぞ」

「僕のですか?!」「……あと、カタリヌさん達も、もう大丈夫です」


 きっと父上をダシに脅したんだろうなぁ、

 もし僕や僕のメイドに何かあったら、って感じで……

 初めてかも知れない、母上が少しだけ気の毒に感じたのは。


「じゃあ転移魔方陣を作っちゃいましょう、ってナンスィーちゃんは?!」

「御主人様の母上に貢物を渡した後は、各所で魔道具の修理らしい」

「業者ですかっ!!」「一通り終わったら来るだろう」


 でもまあ何気に、

 ここまでも繋げられるようになると便利だ、

 これでクライスさんもいつでも会いに来られるだろうし。


(ネックレス紛失しても、すぐ避難で戻って来られるからね、ブランカちゃん)


 あっ、アンヌさんが訓練場の中心へ戻った!


「よし、ブランカ、稽古をつけてやる」

「はいっ、お願い致しますっっ!!」


 ……結局ブランカちゃんは、ここで修行かぁ。


(息抜きに王都見学くらいは、させてあげたいな)


 母上が許せばだけれども。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「おはよおぉぉぉ~~~ございまああぁぁぁ~~~」

「あっ、眼鏡なしヴァージョン! 結局、母上への貢物って」

「ご~~か、ほぉ~~せきそぉ~~しょくの~~、あ~~いてむばぁ~~っぐですううぅぅぅ~~~」


 豪華装飾のアイテムバッグらしい、

 きっと宝石が散りばめられて見た目の十倍くらい入りそうなやつだろう。


(おそらく母上が父上にあげて、その父上が第一か第二夫人にあげるな)


 結果的に父上が喜べば、

 母上的には何でも良いらしいし。


「じゃあナンスィーちゃん、アンナさんと僕の部屋で」

「きゃああぁぁぁ~~~、さんにんでえぇぇぇ~~~」

「例の設置ですよ! ていうか朝起きたばっかりでしょうに」


 朝食だってまだなのに!!


「りょおぉぉ~~~かいですううぅぅ~~~」

「って、アンヌちゃんブランカちゃんが訓練してるままで大丈夫かな」


 アンナちゃんが距離的に。


「……多分、大丈夫です」

「じゃ、行きましょ行きましょ」

「いきまぁぁぁああぁぁ~~~すぅぅうぅぅ~~~」


 嬉しい誤算だな。

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