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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第72話 上空から現れた救世主とは!

「グエエエエェェェェェ~~~!!!」


 舞い降りて来たのは、ダークネスドラゴン?!


「ぐわ、ぐわあああああ!!!」


 鋭い爪で捕まえて上空へ!

 操縦していたのは渋いおじさん、ということは……!!


「パパ!」「あなた!!」


 ブランカちゃんのお父さんだ、

 遥か上空から護衛してくれていたのか、

 続いて子ドラゴンも残りの四人を捕まえて上空へ。


「ひいっ」「なんだぁ?!」「うわあっ」「いてえいてえ!!」


 操縦しているのはミッドナイトブランクバットたち、

 ちなみに竜もコウモリもティムモンスターの首輪を着けている、

 わかり易いように色は白で、その中心には例のペンダントが!


(魔物にも効くんだ、闇の瘴気が無い所へ出られるアイテム)


 そして捕まえられた山賊主要五人は僕らが来た方向、

 おそらくダクスヌールの街へと連れて行かれた……。


「もう大丈夫のようだな」


 アンヌさんが残った山賊を縛り始める、

 他のメイドも速やかに手伝っている……

 友達三人が表へ出たので僕も出て会話する。


「三人とも大丈夫?」

「ああ、ダルマシオ君のメイド、やっぱ強いな」

「冒険者の護衛を雇わなかったはずだよ」「でもダル、最後のって……?!


 あっそうか、知らないか。


「内緒だけど、メイドのアンヌさんがこっそりティムした魔物だよ」

「……私の方です」「そうだ、ティムは私ではなくアンナの方だ」

「あっごめんなさい、そうですよねアンヌさんは拳闘士でアンナさんは魔法使いで」


 めんどくさっ!


「ブランカちゃんもクライスさんも」

「はい、パパが上空から見張ってくれてたみたいで」

「でも危険を察知したのはドラゴンの方に見えましたわ」


 ということはドラエーの方から助けてくれたのか。


(あれなら、僕だけ先にドラゴンで姉上の街へ……いや、それはまずいか)


 下手に見つかって父上に没収は困る。


「ええっとカイル、ディラン、ロジャー、あの飼っているドラゴンに関しては秘密でね」

「驚いちゃうからね」「後ろの操縦していた魔物も?」「ダルに言われたら、言う訳にはいかないな」

「うん、あれが欲しいって商人とか来るかも知れないから、しらばっくれておいて」


 買うならまだしも討伐したとか言うのも居るからなあ、

 大型ドラゴンはその素材が余すことなく高価だったりするし。


「全員縛ったぞ」

「あっアンヌさん、みんなもありがとう、一か所にまとめておきましょう」

「いいのか」「道は一応は浄化されてますから魔物の心配はそこまでは、回収まで長くても半日でしょうし


 夕方までには姉上の街の者が来るはず。


「じゃ、森を抜けましょう」


 山賊を置いて再び走り始める馬車、

 やがれ開かれた場所に出ると空気も澄んで感じる、

 これで完全に闇の臭気、瘴気が無い場所へと来た。


「うん、陽射しも暖かいね」

「この道も久々だな」「ちょっと懐かしいよ」

「ダル、もうちょっとで農作業小屋だからトイレ借りようぜ」


 といった感じで進み続けると民家も見え始める、

 もうこのあたりは姉上の方の領地だ、のどかな景色。

 時折見える人々も元気そう、あ、ちゃんと道の横で頭を下げてくれる。


(一応は貴族の馬車だからね)


 しばらくし小規模な村に到着、

 姉上の街とウチの街を往復する時のトイレタイムといえばこちら、

 農業の村ススカッタで誰でも使えるこの村名物、やたら綺麗な便所である。


「じゃあ」「行って」「くるよダル」


 三人が真っ先に行っている間にちょっとタマラさんアンナさんとお話を。


「そういえばあの三人って、闇の村の事、知っているのかなあ」

「私はのような話は、聞いておりませんっ!」

「ダルマシオさま、やはりご友人の口から聞くのが一番かと」「うーん」


 今後も僕の取り巻きになってくれるなら、ねえ。

 今の所、彼らが僕を裏切るっていうのは想像もつかないし、

 何ならあっちの村での作業を手伝ってくれるかもしれない。


(まあ、今はまだいいか)


 時期が来ればあっちから教えてくれるかもしれないし。


「タマラさんアンナさんは、トイレは」

「私はまだ、平気です!」

「……私は、アンヌの方が、今……」


 あっ、あっちが本体なんだ今は。


(なんて話していたら、僕も行きたくなってきたぞ)


 という事がありつつも再び馬車は走り出し、

 また、たわいもない会話を繰り返していると、

 馬車の外が段々と栄えてくるのがわかる、そして……


「うん、一か月近いぶりだね、サラティーネの街」


 ウチより三倍から四倍くらいの街、

 ちゃんと衛兵もばっちりパトロールしている、

 敬礼されたのでちゃんと顔を見せて挨拶、っと。


(ちなみにここを治めているのは姉上じゃなく親戚のお爺ちゃんね)


 ひい爺ちゃんの弟の息子、次男だっけ三男だっけ?

 爺ちゃんの従弟にあたるから僕から見ると、呼び方は……まあいいや、

 さあ、姉上に会って、ついでにメイドのワンディちゃんを、回収しよう!!


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「以上の報告で御座います、ダルクリュッセ男爵」


 目の前に座る貴族、

 ダクリュセック辺境伯の分家で我がスゥクネィダ地方の面倒も見てくれている、

 ここの領主デゥニル=ダルクリュッセ男爵だ、とはいえ……


「うむうむ、わかった、あとは任せてくれれば良い」

「あっはい、ありがとうございます」


 意外と僕には、やさしい。

 これでも昔はクレイジーボアの異名だったらしいが、

 政治の半分を姉上に任せ始めたくらいには牙が抜けている。


「それで、あの、姉上は」

「執務中じゃ、会ってこい」

「あっは、行ってきます」


 ……おかしいな、

 帰って来てるなら真っ先に僕の所へ来るワンディちゃん、

 何か用事でもやっているんだろうか?


(まあいいや、姉上に会おう)


 だがしかし、

 そこで僕は信じられない事実を聞かされるのであった。

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