第70話 王都出発までのダイジェスト! 後編!
学院まで7日……
チュンチュン、チュンチュン……
(さすがに五・六人は、多すぎるよぉ)
ユピアーナ様がアンナさんアンヌさんになったりと、
カタリヌさんサエラスさんドリーちゃんタマラさん、
駄メイドのナンスィーちゃんとで集団添い寝とやらをされた。
(全員休みだからって……)
これトイレに行くために抜け出すのも大変そうだ、
こんなメイドの畑、スイカとか大根とか踏まないように気を付けなきゃ、
いやこれ各メイドに抱きついてローリングすれば……
「グエエエエェェェェェ~~~……」
今朝もダークネスドラゴンのドラエーは元気、
操縦はブランカちゃんで後ろの子ドラゴン四匹には、
わざわざ例のミッドナイトブランクバッドが乗っている。
(というか一緒に飛んでいるのか)
夜行性だけどティムすると、
ある程度は融通効くようになるんだよな、
朝の散歩くらいは付き合ってくれるよう仕込んだようだ。
(ブランカちゃん無しでも散歩してくれるようになるらしい)
さて、とりあえず乾いた喉を……
「ご主人様……おはようございます」「はいおはよう、アンナさん」
「ダルマシオ様、おはようございますですわ」「あっ、眼鏡をかけながらのカタリヌさん、おはよう」
「坊ちゃま、おはよう」「サエラスお姉ちゃんも、おはよう」「ふふふ」
三人続けて目覚めのキスをしてくれる、
メイドって他もそうなのか?! いや人によるか。
「ダルちゃん、おはよう」
「ドリーちゃんもおはよう」
「んもう、キスしてあげないわよ?」
はいはいって感じで。
「サンドリーヌお姉さん、おはよう」「はい、よろしい! おはよう」
大人な感じのキスのつもりなんだろうが、可愛い。
「ダルマシオさま、おはようございます」「タマラさんもおはよう」
やさしい目でキス、うん、今朝もおっきいね某所が!
「おはぁぁよおおおぉぉ~~」「眼鏡どこ?」「はい只今っ!」
言われて速攻ではめてくれた。
「おはようございますっ!」
「うんおはよう、今日は一日中、伸びてていいよ」
「お言葉に甘えて、とその前に!」
……やたら強めのキスだな、まあいいけど。
「ということでお水飲んでトイレ行ってくるよ」
「御主人様、おはよう」「えっ、アンヌさん? おはよう」
「私がラストだ」「二回目じゃ」「私はアンヌだ!」
そしてキス、まあいいや。
「ではダルマシオ様、後はベッドを、部屋を掃除して本日はお暇を」
「いいけど、みんなで掃除するの?」「はい、もちろん」
どれだけピカピカにするんだよ……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
熟女メイドの給仕で朝食を終えると、
散歩を終わらせたブランカちゃんがやってきた。
「今日のお世話は、私と聞きました」
「うん、カタリヌさんに頼まれて、王都の学院へ連れて行くか最終テストだね」
「それでは、可能性が!」「いや、それはまだ、なんとも」
ナンスィーちゃんだってまだいつまで居るか未確定だ、
まあ商談が終われば一旦はこっちへ戻るらしいから、
ならブランカちゃんを連れて行く手も無くはないけど……
(王都って物騒な面もあるからね)
だからとりあえずは、
ダクスヌール街でテストだ。
「じゃあ、街まで行って挨拶回りについてきて」
「デッ、デデデデッ、デートですかっっ!!」
「だから学院へ出発する前の挨拶回りだってば」
結果、デートと余り変わりなかった。
(でもブランカちゃん、すっごく楽しそうだから良かった)
学院まで6日……
チュンチュン、チュンチュン……
(今回もブランカちゃんとは、普通の添い寝だけだったよ!)
あの熟女メイドコンビだったらどうしようかと思ったよ。
それにしてもスッヤスヤ寝てるなあ、デートだってはしゃいでいたから……
「グエエエエェェェェェ~~~……」
おお、ダークネスドラゴンのママさん、
ドラエーをミッドナイトブランクバッドが操縦している!
メスの方だ、ってメスも二匹居るんだよな、名前あげないと。
(下ではミミックとカピバラの散歩も!)
一応、遠くでアンヌさんとか見ては居るが、
この分だと王都へ行っても散歩は大丈夫そうかな、
だとするとブランカちゃんを連れて行っても……
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街の屋敷に行くと友達三人と、
さらには可愛らしい女の子が居た!
「少しだけ戻って来ましたラシャです、お久しぶりです!」
「うん、昨日帰ってきたんだよね、ロジャーの妹さん」
「ダル、もう今日しかないが、デートするか?」「まあ、ちょっとだけ」
学院へ行ったら普通に女性と接する事もあるだろう、
意地悪な腹違いの姉や妹と違ってナチュラルというか、
敵意や嘲笑の無い、齢の近い女の子と触れ合うのは良い準備だろう。
(いや変に触ったりしないよ、友達の妹だし!)
「ラシャちゃん、どこか行きたい所はある?」
「どこも行き尽くしました!」「ですよねー」
「どこでもいいんじゃない?」「ダルくんの好きな所で」「ダル、妹を任せた!」
結果、モフモフなブラックラビットの小屋へ行った、無難に。
(さあ、明日の朝はいよいよ学院へ向けて出発だ!!)