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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第62話 お世話メイドがまた増えた!

 チュンチュン、チュンチュン……


「おはようございますダルマシオ様」

「あっはい、カタリヌさん、おはよう」

「昨夜は気持ち良さそうに眠りに入られましたわ」


 二順目ともなるとね。

 そして相変わらず眼鏡をはめているカタリヌさんの笑顔、

 今日も頑張るぞーってなれる。


「王都まで19日かぁ……うん、一日中、勉強かなぁ」

「私は休みですが、他のメイドは今日もダンジョンへ行きたいそうです」

「そうなんだ」「なのでお世話は……」


 コンッ……コンッ


「おはようございます、入っても、よろしいですか」


 声が完全に子供だな、

 そしてうっすらと聞き覚えが。


「どうぞ」

「失礼、いたします、ロミーナです」

「うん、よく掃除をしてくれてるよね、ありがとう」


 確か十一歳だ。


「は、はじめて今日、一日、お世話させていただきます」

「一日? 今日、一日中……ロミーナちゃんが」

「ダルマシオ様!」「あっはい、わかっています、そりゃそうですよね」


 カタリヌさんに釘刺された、

 おそらくは夕食終わりまでだ。


「遅くともお風呂の時間までにはサエラス達は帰ってきますから」

「はいはい、じゃあ今日はよろしくね」

「よろしく、お願い、します、ダルマシオ、御主人様」


 緊張してるなあ。


「あっ、でも一回、街の屋敷へ行かなきゃ……ロミーナちゃんも来られる?」

「まだ、その、行った事は無いですが、行ってみたいです」

「耐えられるかな」「ダクスヌールの街までならおそらく平気かと」


 というカタリヌさんの説明、

 そっか初めての、村の外かぁ、

 一緒に行く保護者が僕で良いのかどうか。


「グエエエエェェェェェ~~~……」


 ダークネスドラゴンが今朝も外で散歩だ、

 今日の操縦はブランカちゃん、ロミーナちゃんに手を振っている、

 僕はスルーか、いいんだいいんだ……と思ったら後ろの子ドラゴンが挨拶吠えをしてくれる。


(目線的に僕に対してかな、可愛いもんだ)


 ふと下を見るとミミックの散歩を子供メイド達がやっている、

 ティムの証である首輪を『舌につける』みたいな話を聞いたんだけど、

 小さな子供が上に乗っかって操縦してるようだ、ああいう方法もあるのか。


(意外と楽しそうだな)


 凶暴なミミックも一度ティムしてしまえば子犬みたい。


「それでは、朝食のご案内を、させていただきます」

「うん、あっ、ひょっとして掃除メイドから格上げ?」

「そんなところです、今日から、た、たまに、お願いします」「よろしく」


 そうは言ってもここでの生活は、

 あと十数日だけれどね、これも経験か。


(僕の方が気を使っちゃいそうだな……)


「あっ、朝食はさすがにロミーナちゃんが作ったって訳では」

「盛り付けは、お手伝いしました!」

「偉いね、撫でてあげたいくらい」「あ、ありがとう」


 カタリヌさんはすでに部屋の掃除を始めている。


「じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃいませ」

「こちら、です」


 まだぎこちないロミーナちゃんについて行き、

 食堂で朝食をいただくのだが待っていたのは……


「おはよう、キッチンメイドのサンドリーヌお姉さんよ」

「ドリーちゃんおはよう!」

「んもう、ロミーナ、今日は頑張ってね」「はいっ!」


 ……僕がこの屋敷の主人として、

 十年二十年三十年と生活して行くとしたら、

 こういう年下のメイドも普通に、一緒に生活して行くんだよなぁ……


(いや、嫁に行ったら普通に暇を出すか)


 とりあえず、今日を頑張ろう。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「じゃあ行きましょう」

「はいサエラスさん、大所帯ですね」

「ロミーナ、心配しなくて大丈夫よ」「はいドリーお姉さん!」


 僕とサエラスさんドリーちゃんタマラさん、

 アンヌさんアンナさんそしてロミーナちゃんで、

 転移魔方陣に乗って街の屋敷へ……誰も居ないな、と思ったらナンスィーちゃんが転がっていた。


「二階で留守番してたんだ、おはよう」

「おはぁあぁ~~~よぉぉおおぉぉごおぉおぉぉぉ~~~」

「今日はカタリヌさん抜きで冒険者活動らしいよ」「わたしわぁぁしょぉ~ぎょぉ~~……へ」


 商業ギルドの方で用事があるらしい。


「じゃあ置いていっていいんだね?」

「はいいいぃぃ~~~行ってらっしゃいませえぇぇ~~~」


 さあ僕も冒険者ギルドまでとりあえず行こうかな、

 と思ったら窓の外をロミーナちゃんが見ているや、

 そんなに珍しい景色とか無いんだけれども、それより……


「ロミーナちゃん、体調は大丈夫?」

「はい、ダルマシオ御主人様!」

「辛くなったらいつでも言ってね」


 館から出ると、

 丁度、僕の友達三人が来た所だった!


「おはよう」「おはようダルくん」「ダルおはよう」

「あっ、タイミングが良いのか悪いのか、みんなおはよう」

「どこ行くんだ」「冒険者ギルド、出発を見送ろうかなと」


 ロミーナちゃんがアンヌさんの背後に隠れた!


「後ろの子は」「ああ、新人メイドで、ちょっとね」

「ほら、ご挨拶しなさい」「はいドリーお姉さん……」


 人見知りかな?

 十一歳でこれは……まあいいか。


「今日からお付きメイドになりました、ロミーナです」

「カイルだよ」「ディランです」「ロジャーっていうんだ、よろしく」

「この子この街は初めてだから、ちょっと怖がってるかも?」


 僕の説明に軽く頷く友人たち、

 まあ大丈夫だろう、妹持ちも居るし。


「じゃあ俺たちも」「待ってても仕方ないし」「その後はダル、遊ぼうぜ」


 今日はお勉強の予定だったんだけどな、

 でも昨日、休みにして貰ったし友人に付き合うか。


(あっ、でもロミーナちゃんは、どうしよう)

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