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メイドが本体!  作者: 風祭 憲悟@元放送作家
第一章 闇のメイドを引き連れて王都の学院へ行こう!
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第61話 再びお風呂でメイド仕分け!

「ふう、やはりここの風呂は良いな」

「ええっと、みんな普通に入っていますが、この館のご主人様って結局は」

「なんだ、御主人様が即刻出て行けと言われれば全員、屋敷の外まで出て行くぞ」


 夕食後、昨夜に続きみんなで入浴、

 ちなみにミミック首輪問題は舌ピアスのようにする方向になりました、

 そんなことより目の前を今回はうつ伏せで浮いて流れるナンスィーちゃん。


(だらしないケツしやがって……)


 いつまで息が持つのやら。


「さて御主人様、メイドの使い方は決まったか?」

「……」

「見惚れて、そんなに気になるのか」「い、いえ、大きいなって」


 うん、ユピアーナ様は、迫力がある。


(どこがとは言わないよ、まあ浮いているアレだけど!)


「各メイドの役割分担の話だ」

「あっはい、その話をするならアンヌさんになって下さい」

「そうだな、御主人様呼びだしな」


 そういやユピアーナとして僕を呼ぶときはダルマシオって呼ぶって決めてたな、

 でも御主人様って言っちゃってたから……うん、お湯の中でアンヌさんに変身した。


「じゃあえっと、メイドの種類、講習会で全部覚えた訳じゃないので、

 種類が出て来なかったら助けて下さいね、ということでまずはカタリヌさん」

「はい」「相変わらずお風呂でも眼鏡ですね」「まずいでしょうか」「いえ別に、メイド長ですよね?」


 うん、メイド長の役職は、メイド長だ。


「はい、ですので全ての職務を監督・管轄・担当させていただきます」

「えっ、全部するの?!」

「もちろん、必要に応じてですが」


 ……ほんっとうに貧乏な貴族は、

 メイドがひとりしか居ない所もあるらしいけど、

 そうなるともうお嫁さん状態だな、ってその表現はお嫁さんに失礼か。


「続いてサエラスさん、副メイド長ですが役割的には」

「お姉ちゃんよ」「役職が?!」「メイドお姉ちゃんってどうかしら」

「……それ、例えば書類で提出する必要があるとして、怒られません?」「怒られるわね」


 じゃあ駄目じゃん。


「副メイド長で通らなかった場合は」「レディースメイドでいいわ」

「まだ奥さんがいませんが」「婚約者が居るでしょう?」「あっそうか」

「実際に結婚するかは別にして、書類提出上に必要があればそう書きましょ」


 学院への届け出に必要な項目かも、だからね。


「ドリーちゃん」「はいはい、ふざけていい? 真面目でいい?」

「じゃあ両方で」「素敵なお姉さんメイドね!」「からの~」「キッチンメイド!」

「実家が食堂ですものね」「学院では七日に五日は作るわ」「あっはい、よろしくお願いします」


 別途、コックを雇う余裕は無いかな?

 借りる館の大きさ次第かも、お金は……どうだろ。


「タマラさんはハニートラップメイドですか」

「そ、その私は……ダルマシオさま以外とはっ!」

「本気にしないで、希望はある?」「……ナースメイドでしょうか」


 そういえば水属性を貰ったんだっけ、

 だとしたら多少の治癒、回復魔法は……

 うん、それと乳母メイドっぽい感じもあるし。


(さすがに母乳は出ないよね?!)


「わかりました、あとええっと、浮いてる人」

「……」

「ナンスィーちゃあああああん!!」


 ざばあああああああ!!!


「んふううううううううううう!!」

「どうしたの艶めかしい声を出して」

「このペンダント、咥えると酸素吸入できます!!」


 あ、眼鏡はめてた!

 よく水中で外れなかったなぁ。


「それはそうとナンスィーさんは何メイド?」

「魔道具士ですっ!」「いや職業じゃなくって」

「なんでもいいですよお!」「じゃあノーマルメイド?」「チェインバーメイドで!」


 あっそうか、

 チェインバーメイドってナイトメイドの正式な呼び名だけど、

 元々は寝具のメンテナンスが仕事だ、だから魔道具士も遠くは無い、かな?


「口を挟んで申し訳ないが」

「はいアンヌさん、発言を許しましょう」

「感謝する御主人様、ナイトメイドであればここに居る全員、兼業だ」


 そりゃあ添い寝をして貰いましたからね、

 ええ、一巡まるっと……さすがに記入するのは勇気が要るな。


(書く項目が三つくらい空いてたら、三番目に書こう)


「んっとじゃあナンスィーちゃんは、ウェイティングメイドだっけ、でいいかな」

「はいっ、奥様のコーディネイトの、お手伝いを是非是非っ!」

「わかったからもう眼鏡外して良いよ」「……はひぃいぃぃぃぃぃ~~~……」


 あー、今度は仰向けに浮かんじゃった、

 そして眼鏡どこ行った、沈んでないと良いけど。


「次はアンヌさん」「待っていたぞ」

「戦闘メイドですよね」「バトルメイドも、ここに居る全員で兼業だ」

「あっ、冒険者登録してますからね」「メイド長も集団戦であれば回復役で入ると言っている」


 頷いている、

 あんまり無理はしないで欲しいな、二十八歳だし。


「ではアンヌさんの希望は」「パーラーメイドとやらだ」

「接客係ですか」「ああ、相手を見て分析したい」

「そんな、やって来る人みんな敵みたな」「接客だぞ?!」


 このあたりは魔神のスキルを信じよう。


「最後にアンナさん」「しばし待たれよ」


 あっ、お湯に沈んじゃった!

 そして再び出てきたらアンナさんになってる、

 そんな細かい演出いらないのに、まあいいや。


「アンナさんは何メイドで」

「……スティルルームメイド、倉庫番……」

「それでいいの?」「……アイテムボックスが……ありますから」


 あっそうか、

 あんまり人前では見せない方良さそうだけれども。


「わかりました、ブランカちゃんは置いといて、

 あとワンディちゃんはナースメイドです、

 回復魔法が得意なんで、これで連れて行く全員の仕分けが終わりました」


 なぜかぱちぱちと拍手、

 ナンスィーちゃんまで浮きながら。


「では皆さん、王都出発まで、頑張って下さい」

「頑張るのはダルマシオ様もですよ?」

「もちろんですよカタリヌさん、一緒にがんばりましょう!」


(ワンディちゃんも、準備、頑張って!!)


 そして王都への日々は、進んで行ったのである。

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